【石田ゆり子さん × 佐藤浩市さん × 西島秀俊さん対談】年齢を重ねてなお魅力的でいられる理由とは?

佐藤浩市さん、西島秀俊さん、石田ゆり子さんといえば、STORY世代にとっては、人として、そして男&女としても憧れの先輩たち。

そんな三人が、今回、映画『サイレント・トーキョー』で共演。そこで、年齢を重ねるごとに渋みを増す「イイ男」代表の佐藤さん、西島さんと、エイジレスな魅力を纏う大人の女性・石田さんに、「大人のイイ女って――?」と、惑いだらけの私たち40代への答えを求め、そんなストレートな質問を投げかけてみました。

Koichi Sato 1960年東京都生まれ。’80年デビュー。2度の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、助演男優賞を受賞するなど映画・ドラマで活躍。近作には『64 -ロクヨン-前編/後編』『Fukushima 50』、また’21年には『太陽は動かない』『騙し絵の牙』が公開予定。
Yuriko Ishida 1969年、東京都出身。’88年『海の群青』でデビュー。以降、映画・ドラマ・舞台で活躍。近年の主な出演作は『記憶にございません!』『マチネの終わりに』『望み』など。’21年には『いのちの停車場』の公開を控える。
Hidetoshi Nishijima 1971年東京都生まれ。’94年に映画初出演後、ドラマ、ナレーションなどにも活動の場を広げ、『劇場版 MOZU』『散り椿』など多彩なジャンルの作品に出演。’21年には『奥様は、取り扱い注意』『シン・ウルトラマン』『きのう何食べた?』の公開を控える。


石田ゆり子=〝癒し系〞は、 マスコミが作った虚像 !?

佐藤さん(以下、敬称略) 今回僕たちが共演した映画『サイレント・トーキョー』は、心理的サスペンスでもあるけど、ゆりちゃんが、物語の中心的存在になっているよね。

西島さん(以下、敬称略) 役柄が、もともとゆり子さんの持っている真っ直ぐにモノを見る姿勢とか、正直さみたいなものと重なるんですよね。ゆり子さんは、もちろん役を演じているのだけれど、観る側はそういうゆり子さんを知っているから、感情移入してしまう。

佐藤  そう。そして、登場する人達は、そんなゆりちゃん演じるアイコさんと共に、どんどん事件に巻き込まれていっちゃう……(笑)。

石田さん(以下、敬称略) 緊張感のあるシーンで、私だけがボケていたりしませんか!?

佐藤・西島 ハハハ(笑)。

石田 私、最近思うんですけれど、世間の皆さんが私に対して抱いてくださっているイメージが、どうも自分が思っている自分と違うみたいで……。何だか、ギャップがあるんです。

西島 どんなふうにですか?

石田 例えば、男性への意識調査みたいなもので、「癒される」とか、「優しげな大人の女性」といった感じを私にイメージする年下の男性がすごく多いようなのですが、「そんなことないのに……」って思って。それは、マスコミが作った私のイメージ像じゃないかと……。

佐藤・西島 ハハハッ(爆笑)。

佐藤 でも、ゆりちゃん、意外にハッキリものを言う人だからね。とはいえ、ものをハッキリ言うのと、性格がキツイのとは違うから。ゆりゃんは、決して〝キツイ〞というタイプじゃないよ。

石田 噓はつきたくないし、調子のいいことを言いたくない、というのがすごくあって。何か聞かれた時に、調子のいい相槌だけは打たないようにしているんです。でも、そんなふうに話していると、「何を言っているのかわからない」なんて、言われたりもするけれど……(笑)。

西島 確かに、ゆり子さんは、先入観ではなく、自分の目で判断する人だな、と思っていました。だから、こちらが警戒する必要もなければ、ゆり子さんが身構える感じもない。誰もが持つ鎧のようなものを、ゆり子さんの前ではちょっと外してしまう、そんな気がして。

佐藤 それ、イイ女の条件じゃない?

西島 そう、だから僕は、やっぱり癒されますけどね(笑)。

女性が年齢を重ねることは、 男性より断然不利…… !?

佐藤 それにひきかえ、今回僕と西島君が演じたのは、〝イイ男〞っていうか、負け犬タイプ。

西島 はい。二人とも組織にそぐわず、揃いも揃って離婚していて(笑)。とにかく、癖が強い男たちですよね。

石田 確かに、二人とも不器用な男性だけれど、佐藤さん、西島さんが演じると、ご本人が魅力的だから、どんな役をやっても
魅力的に見えてしまう。

佐藤 嬉しいね(笑)。

石田 だから、三人で一緒にお仕事できるのをすごく楽しみにしていたんです。ところが、台本を開いてみたら、三人で一緒になるのは、クライマックスだけ。「あれっ!?」っと(笑)。もう、めちゃくちゃ残念で。

西島 僕も、同じ男ながら、監督といつも真剣にやり合っている佐藤さんのようなイイ男的先輩とご一緒できるのは、身が引き締まりますね。

石田 それにしても、男性はズルいです!お二人とも、お会いするたび、年々素敵になって……。女性はやっぱり、年齢を重ねるごとに大変です。だから、羨ましい!

佐藤 いやいや、男も大変だよ。でも、人間の魅力って「お金を持っている」も「容姿がいい」も同じ一要素。お金を持っていてモテる人もいれば、容姿がよくてモテる人もいるし、性格がよくてモテる人もいる。今、ゆりちゃんが持っている要素を大事にすればいいんじゃないかな。

石田 50歳になった時に思ったんです。だいたい雑誌やテレビに出る時に、石田ゆり子という名前に(〇〇歳)と年齢が付いてくるでしょ。このシステム、本当に止めてほしいな、と。本当は、年齢なんて知らずに知り合えたら、ロマンティックで素敵だと思うから。

佐藤 女性の年齢を聞いて何かが変わるってこと、僕はないけど。概して、「若けりゃいい」に惹かれる男性は、「お金を持っている」に惹かれる女性とくっついて、似た者同士カップルでいることが多いよね(笑)。そんな男なんて、相手にしなきゃいい。

西島 僕は、40代や50代の女優さんは、素敵だなと思う方が多くて。そういう方が演じると、台本を読んでいる段階では欠点だと思えるようなところが、すごくチャーミングに見えてきたりします。人生経験を通して役を解釈されることで、それが魅力的になる。そんな女性は、素敵だなと思って。

佐藤 男も女も、年齢を味方にできたらいいよね。

普通の日常こそが、 イイ男、イイ女を育てる

石田 私は18歳から女優のお仕事をさせていただいていますが、最近では、年齢的に主婦やお母さんを演じることが多いんです。どちらも経験したことがないから、普通の主婦、普通のお母さんってどういう感じなんだろう、といつも考えています。

西島 普通を演じることこそ、難しいですよね。でも、その一方で俳優って地味な仕事だと思うんです。家でセリフを覚えて、本を読んで、映画を観て、と本当に普通の日常生活を生きていますから。昔は、俳優たる者、いろいろ銀座とかに行って勉強しなきゃいけないんじゃないかって、僕も本気で思ったりもしたんですけれど(笑)。

佐藤 死に金は使いたくないよね。昔の大物俳優みたいに、銀座の飲み屋に行って大金を使うような破天荒なことは今はしなくていいんじゃないかな。僕も正直、プライベートも仕事現場も変わらない。

西島 年齢を重ねると、人生経験や送っている生活、生き方が、その人自身に見えてくるからこそ、今は日常を大事にしなくちゃ、と。

佐藤 それにしても、ゆりちゃんは、よく見せようなんて計算がなくて、いい意味で昔から変わらないね。

石田 私の話はもういいですって(笑)!

三人が共演した映画はコレ!:『サイレント・トーキョー』

㊬波多野貴文 出佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊ほか

Xmasイブ、東京に連続爆弾テロの予告が入る。今の世界とリンクする「日常が様変わりしていく衝撃と恐怖」や渋谷スクランブル交差点でのリアルな爆発シーンの戦慄、そして真実を知った時の虚無感と切なさは圧巻。12月4日東映系全国公開。

>https://silent-tokyo.com/

〈石田さん〉ジャケット¥406,000ジャンプスーツ¥508,000シューズ¥110,000ピアス¥43,000ベルト¥115,000(すべてフェンディ)〈佐藤さん〉スーツ¥220000(エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)帽子¥22900(カシラ/カシラ)〈西島さん〉本人私物

撮影/西崎博哉(MOUSTACHE) ヘア・メーク/及川久美(六本木美容室)〈佐藤さん〉、亀田雅〈西島さん〉、岡野瑞恵〈石田さん〉スタイリスト/喜多尾祥之〈佐藤さん〉、TAKAFUMI KAWASAKI(MILD)〈西島さん〉、岡部美穂〈石田さん〉 取材/柏崎恵理 構成/河合由樹 デザイン/スズキのデザイン 撮影協力/TITLES ※情報は2021年1月号掲載時のものです。

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