ニキビを早く治す方法が知りたい! 少しでもきれいに治す方法と習慣

ニキビは10~20代の女性が特に悩まされる、肌トラブルのひとつです。

ベースメイクをしても隠れにくく、洗顔やスキンケアの際はできるだけ触れないようにする必要があり、ひとつニキビがあるだけで憂鬱ですよね。

そこで今回は、ニキビを早く治す方法と、治すときの注意点を紹介します。

 

ニキビを早く治す方法
Instagram@laura__mercier__

 

気になるニキビを早く治す方法!

ニキビは、正しい方法で少しでも早く治したほうがストレスを感じません。ここでは、ニキビを早く治すふたつの方法を紹介します。

 

①市販のニキビ治療薬を使う

ドラッグストアなどで販売されているニキビ治療薬は、通院する時間がない人におすすめです。

ニキビを治したいと思いたったときに購入して、すぐに治療を始められます。

 

ただし、市販薬は使用者の安全性を重視しており、病院で処方される薬と比較して効果を感じにくい面があります。

もし市販のニキビ治療薬を購入するのであれば、以下の成分が入っている治療薬を探してみてください。

■殺菌成分(増えるとニキビの原因となる「アクネ菌」の繁殖を抑える成分)
・イソプロピルメチルフェノール
・レゾルシン
・クロルヘキシジン

■抗炎症成分(赤みやかゆみを抑える成分)
・イブプロフェンピコノール
・アラントイン
・グリチルリチン酸二カリウム

どの商品を購入すればよいのかわからないときは、ドラッグストアのスタッフや薬剤師に相談をしてくださいね。

 

②病院で相談する

ニキビの治療には保険が適応されるため、ニキビに詳しい皮膚科の受診がおすすめです。

皮膚科で、症状に合わせた外用薬や内服薬を処方してもらえば、症状を早く改善させるとともに、長期的にニキビができにくい肌へ改善できるでしょう。

 

ひとことでニキビといっても、人により肌の状態や症状はさまざまです。状態に応じて使用する薬を変えることにより、ニキビの改善が期待できます。

また皮膚科で処方される薬は、市販薬と比較して強力な成分が入っているので、より高い効果が見込めます。

 

ニキビをきれいに治す方法はある?

ニキビは早く治したいのはもちろんですが、跡が残らないようにしたいですよね。

具体的には、どのような治療を受ければよいのでしょうか。

 

①早めに治療をスタートする

治療によりニキビが改善したあとも、継続して薬などで肌のよい状態を維持することにより、跡が残るニキビを予防できます。

ニキビの予防は、日ごろから肌の状態を観察して、ニキビができたらすぐに対処するよう心がけましょう。

一度できたニキビ跡は、なかなかきれいになりません。跡を消すには時間とコストがかかるため、ニキビが跡になる前の治療が重要です。

 

②ニキビ跡が残ったときは美容皮膚科で治療する

消えないニキビ跡を少しでも早くきれいにしたいのであれば、皮膚科で施術を受けることをおすすめします。メラニンや血管に反応するレーザー治療、IPL治療と呼ばれる方法などが効果的です。

ニキビ跡の凸凹は、何もしないままではなかなか改善しません。凸凹は、レーザー治療やマイクロニードリング療法による治療で、傷跡の改善が期待できます。

レーザー治療やIPL治療は自費診療になるため、治療方法や価格は病院によって異なります。

 

ニキビ跡の治療において大切なポイントは、ニキビ跡の治療の前に、新しいニキビをつくらせない対策を最優先に行うことです。

ニキビ跡はきれいになるまで半年から数年かかり、消えないケースもあります。新しいニキビがつくられない肌へ導くことができれば、徐々にニキビ跡の赤みや色素沈着も改善できるでしょう。

 

③肌のターンオーバーを整える

ターンオーバーとは、肌が生まれ変わる周期のことです。肌が受けたダメージは、肌が生まれ変わるタイミングで修復されます。

ターンオーバーが促進されると、ニキビ跡の回復が早くなり、毛穴の詰まりも改善して、ニキビが発生しづらくなるのです。

 

現在、皮膚科のニキビ治療で主流な方法は、「過酸化ベンゾイル」や「アダパレン」といった外用薬を使用する方法です。どちらも、肌のターンオーバーを早める効果が期待できます。

20代以降は、加齢によりターンオーバーが遅くなります。肌のダメージが回復しにくくなる傾向にあるため、長期間放置しないようにしましょう。

 

ニキビができてしまう原因とは?

ニキビができる原因を知ることで、肌トラブルを予防する方法が理解できるでしょう。

ここでは、ニキビの発生につながる3つの原因を紹介します。

 

①毛穴の詰まり

毛穴の詰まりはニキビのおもな原因のひとつであり、どの部位のニキビでも起こることです。

肌の細胞のターンオーバーが乱れると、毛穴の角層が剥がれないまま厚くなり、出口をふさぎ毛穴が詰まるのです。

毛穴が詰まると、皮脂が毛穴の外に溜まり、ニキビができやすくなります。

 

②皮脂の過剰な分泌

皮脂の過剰分泌は、思春期における性ホルモン分泌の活性化、ストレスなどによる性ホルモンの過剰が原因です。

女性の場合、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの崩れる際に、ニキビができやすいです。

思春期のニキビは、皮脂の分泌の多いTゾーン(額から鼻先)や鼻周辺から始まることが多く、徐々に頬部に広がっていきます。

また大人ニキビと呼ばれる、思春期以降20代以上では、おでこや鼻周囲よりもフェイスライン、口周り、頬部にニキビが見られることが多くなっていきます。ストレスや食生活の乱れには注意しましょう!

 

③マスクによる刺激や蒸れ

マスクをしている、とマスクの中が蒸れますが、外すと肌が一気に乾燥します。乾燥により肌が荒れて、過剰な皮脂の分泌や毛穴の詰まりが起き、ニキビができてしまうのです。

 

また、マスクの素材によって肌に刺激与えてしまうことがあります。不織布マスクの裏表を逆につけてしまう人は多いですが、表と裏では材質が違います。パッケージを確認して間違えないように着用しましょう。

 

ニキビを予防するための習慣

ニキビを早く治す方法2
Instagram@chr8_meu

 

ニキビは、日常的なケアや生活習慣により、ある程度予防できるとされています。

今あるニキビを軽減したい、これからニキビを増やしたくないときは、どのような習慣を身につければよいのでしょうか。

 

①栄養バランスのとれた食事

ニキビが発生する・治る食材があるわけではなく、栄養バランスのとれた食事が、ニキビの予防に役立ちます。

栄養バランスのとれた食事とは、1日の必要摂取量を意識しながら、主食・主菜・副菜を食べることです。

・【主食】ご飯・麺類・パンなどの炭水化物
・【主菜】肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質
・【副菜】野菜・海藻・きのこ・いもなど、ビタミンやミネラル、食物繊維

たとえば、やせるために炭水化物を抜く、野菜だけを食べるといった、極端な食事にならないこともニキビの予防に大切なポイントです。

 

②睡眠不足を解消する

勉強や仕事により睡眠時間が極端に短い日が続くと、肌に悪影響を及ぼす可能性があります。

睡眠不足になると、心身を休ませられない、疲れやすい、ストレスが溜まりやすいなど、日常生活に影響も出るでしょう。

 

ほかにも、睡眠前にスマホやパソコンを見ると、ブルーライトにより脳が覚醒して、睡眠が浅くなる傾向にあります。

たくさん睡眠をとればニキビが改善されるとはいえないですが、質の高い睡眠をとる生活を心がけることが、よい肌をつくる要素になるでしょう。

 

③正しいスキンケアをする

ニキビ対策のスキンケアでは「ノンコメドジェニック」と呼ばれるタイプの製品がよいでしょう。ノンコメドジェニックのケアアイテムは、ニキビの原因となるアクネ菌を抑えやすく、できるだけ肌に優しいものを使いたい人におすすめです。

 

またニキビに悩む人のなかには、皮脂を落とそうと洗顔の回数を増やしたり、ゴシゴシと洗ったりする人もいますが、刺激を受けると肌が乾燥するため注意が必要です。

洗顔の際はこすらず泡で優しく洗い、洗顔後の保湿もていねいに行います。洗顔後のケアのとき、保湿目的で油性成分の多いワセリンを塗り毛穴にふたをすると、ニキビが悪化する可能性があります。そのため、ニキビを治したいときは、ワセリン単体の使用は控えましょう。

 

④ビタミンを摂取する

各ビタミンは、肌に以下のような働きが期待できます。

・ビタミンA:肌のいちばん外側にある表皮の角化(かくか)
・ビタミンB2とB6:皮脂の分泌を抑制
・ビタミンE:過酸化脂質の抑制

ビタミンB2とB6、ビタミンEは、過剰摂取による副作用はほとんどなく、食事による摂取に問題はありません。ただし、ビタミンAは摂取しすぎると、頭痛などの影響も考えられるため、食べすぎには注意しましょう。

 

各ビタミンは、以下のような食材に多く含まれています。

・ビタミンA:レバー、ウナギ、アナゴ、バター、卵など
・ビタミンB2:レバー、チーズ、納豆、アーモンド、海苔など
・ビタミンB6:レバー、マグロ、イワシ、サケ、サバなど
・ビタミンE:ハマチ、アーモンド、落花生、オリーブオイル、アボカドなど

ただし、ビタミンを摂取するだけで、ニキビが治るわけではありません。

さまざまな栄養素を摂る、バランスのよい食生活が重要です。食生活が乱れているのであれば、ビタミン摂取により今のニキビが改善する可能性は期待できます。

 

⑤ストレスを解消する

ストレスは、肌のトラブルを含むさまざまな病気の原因となります。

ニキビで悩む人は、ニキビがあること自体がストレスとなり、肌の状態が悪くなるケースも考えられるでしょう。

またストレスが原因で、生活習慣や食生活が乱れて、肌トラブルを引き起こすこともあります。

ストレスを自覚している方は、こちらの記事でストレスの解消方法を試してみてください。

簡単にできる気分転換の方法10個|心身をリフレッシュしたいときは何がおすすめ?

 

⑥顔に触れるものを清潔に保つ

ニキビを治す・予防するためには、顔に触れるものにも配慮しましょう。

・肌に合うマスクを使用する
・不衛生な手で顔を触らない
・自分以外の人のメイク道具を使用しない

この3つの点に注意すると、ニキビを予防できる可能性があります。

 

自分以外の人のメイク道具は、ほかの人の皮膚についていた常在菌により、肌荒れを引き起こすケースがあるため、共用はおすすめできません。

顔に触れるものは、できるだけ清潔に保ち使用するよう注意してください。

 

ニキビを早く治したいときに注意したいこと

ニキビを早く治したいからと焦り、誤った方法で対処する人がいるかもしれません。

ニキビを治すために知っておきたい、3つの注意点を見ていきましょう。

 

①ニキビを潰したり触ったりしない

皮膚科では、治療として医師が膿をもつニキビをつぶすことはあります。

しかし、自分でニキビをつぶすと中身を出しきれず、肌に傷をつけ、皮膚の下で膿が広がり炎症を強くすることがあるため、おすすめできません。

また不衛生な手でニキビを触ることも、アクネ菌を繁殖させて、炎症がひどくなる原因となります。

ニキビには極力触れないよう、注意しましょう。

 

②洗顔の回数は1日2回までにする

日本皮膚科学会が公開している「尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017」によると、ニキビ患者は、1日に2回の洗顔が推奨されています。(尋常性ざ瘡=ニキビのこと)

ただ、外出をして汗をかいたときは、朝・夜以外にも、洗顔料を使い洗顔・保湿をしてケアをしてもよいでしょう。

 

しかし、皮脂を落とそうと1日に何度も洗顔することは、ニキビの治療としては逆効果です。

皮脂を落としすぎると肌が乾燥して、反対に皮脂の分泌が活発になります。

洗顔のしすぎはニキビ発生の原因となるため、1日2回以内を守りましょう。

 

③しっかりと保湿をする

保湿をしないと、肌は油分を補充しようと皮脂を分泌します。

人の皮脂は動物性の油分であるため、「固まる」→「毛穴に詰まる」→「酸化する」ことでニキビの原因となります。

保湿クリームに入っている油分は、固まらず酸化しにくいため、ニキビの原因になりにくく肌の保湿として重要なアイテムです。

 

ニキビを早く治したいときは皮膚科を受診しよう

ニキビを早く治したい、きれいにしたいときは、皮膚科の保険診療だけでも大幅な改善が期待できるため、皮膚科の受診がおすすめです。

ただし病院選びは、しっかりとニキビ治療をしてくれる皮膚科への受診が重要です。

また、レーザー治療のような自費治療だけをすすめる医者もいます。

ニキビの治療は、基本的な保険診療から始めることがおすすめです。ニキビが改善しないときのために、治療のオプションとして、自費診療も行う皮膚科へ受診するとよいでしょう。

 


 

教えてくれたのは……形成外科・皮膚科・美容皮膚科 中野貴光さん

ニキビを早く治す方法監修者

練馬駅徒歩2分、形成外科・皮膚科・美容皮膚科「よしクリニック」院長。幼児期に重度の熱傷を受傷し、皮膚移植手術を受けて一命を取りとめた経験から形成外科医を志す。平成9年、筑波大学医学専門学群卒業。東京女子医科大学の形成外科学教室に入局。東京大学医学部形成外科への国内留学、日本大学医学部形成外科でのオープニングスタッフとしての赴任等を経て、2年間アメリカのテキサス大学に留学。帰国後、医学博士を取得。令和元年6月に練馬で「よしクリニック」を開業。患者の立場に立ったわかりやすい説明とていねいな治療で信頼を集めている。

【所属学会】日本皮膚科学会、日本形成外科学会、日本美容外科学会、日本熱傷学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本抗加齢医学会
【資格】日本形成外科学会形成外科専門医、日本熱傷学会熱傷専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医、日本手外科学会手外科専門医、日本形成外科学会小児形成外科分野指導医、医学博士

HPはこちら

Text_Ayumi