【息子2人が東大に合格】子どもが怒る理由には”比較習慣病”!?「アンガーマネジメント」と「自己肯定感」について

お母さんが変われば子供が変わる㉑

こんにちは。子育てスマイルナビゲーターのたかみほです。

前回の記事では、

●秋は行事と模擬試験
●中学受験の予定は紙ベースで管理、大学受験はデータ管理をしました
●受験校選びのコツ
●スケジュール管理はアプリを大いに活用する!

について、お伝えさせていただきました。

今回は「子どもが怒る理由」と「アンガーマネジメント」をテーマに、お話しさせていただきます。


● 子どもが怒る理由

我が子のことを振り返っても、そうですが、
「負けず嫌いの子どもは、隣の子ができているのに自分ができない」と悔しくて怒ります。
それはなぜでしょうか?

親御さんが常に比較してしまう習慣病にかかっていて 他のお子さんと比べて、「うちの子はこうなって欲しい」 と思ってしまうことに、大元の原因があるのではないかと私は考えます。

■あの子よりも体が大きい/ 背が小さい
■あの子よりも早く歩き始めた
■あの子よりも話し始めるのが遅い
■あの子よりも勉強やスポーツができる … など

常にほかの誰かや、標準のデータなどと比べながらお子さんの成長ぶりを確かめてしまいます。

このように、親が比較してしまう意識が強く、お子さんにもその比較習慣病が移ってしまっているのです。

何の比較対象もなければ 「あ、この子はまだできないんだな」と親もその姿を受け止めるだけで済みます。

そもそも子どもは、産まれてきた最初の時点では「比較する」ということを知りません。

成長の中で、親がやけに意識して 「ほら○○ちゃんは」とつい会話で言ってしまう。そんなふうに比較することが当たり前になっている親から発せられた言葉・考え方を、子どもは感じ取り、習慣化していきます。

冒頭に述べた

「負けず嫌いの子どもは、隣の子ができているのに自分ができない」と悔しくて怒ります

これは、親がよその子と比べてしまう比較習慣病の環境下で、怒られたことのある子どもが、できない自分に対して腹立たしさを感じて怒ってしまうのでしょう。

● そうならないようにするためにはどういうことが必要か?

親が子どもに対して成長させたいと思って、せっかく何かを取り組ませても、怒って終わりになるのでは意味がありません。

なにより、親がリラックスしていることが大事です。
親は ある程度大らかさを持っていなければいけません。

「できなくてもいいんだよ」という前提で取り組ませてみましょう。

たまたまできたら、「じゃあこっちもやってみようか」と 親も興味をUPさせて一緒に楽しむ。
そうすると 子どもが1つできたら「次もやってみたい」とステップアップしていきます。

子どもは本来、親に見守られながら、誰にも何も言われることなく無邪気に想像を膨らませて遊んでいられることが至福な時だと思います。
でも親が何かをやらせてみて、「ああ、うちの子できないんだわ」と比較して、焦ってしまうと、その感情は子どもに敏感に伝わってしまいます。

もう一度、我が子が「生まれてきてくれただけでありがとう」と感じたあの時、あの場所からのことを思い出して考え直してみましょう。

子どもが生まれた当初は、つかまり立ちがやっとできた、ハイハイができた、など、それだけでも親御さんはとても感激して喜んだはずです。
それが急に、お子さんに対して基準が厳しくなるというか、期待が大きくなっていきます。
無事に生まれてくれただけでよかったのに、「今日もまた怒っちゃった」と反省してしまう親御さんは多いと思います。

● アンガーマネジメントについて

みなさま、【アンガーマネジメント】という言葉はご存知でしょうか?

アンガーマネジメント(anger management)とは、

1970年代にアメリカで生まれた「怒りの感情と上手に付き合うための心理教育・心理トレーンング」のことで、怒りや苛立ちといった感情を適切に管理、コントロールすることを言います。

アンガーマネジメントコンサルタント:稲垣真紀子さんが、怒りの感情と上手に付き合う心理トレーニングについて書かれている記事【子育てにも活かせる「アンガーマネジメント」】には、カッとした怒りを静める方法が書かれています。

▪︎6秒待つ
▪︎その場をいったん離れる
▪︎魔法の言葉を唱える
▪︎怒りの内容を記録に残す

※参照:子育てのイライラに!アンガーマネジメントを活かすには?
https://coelog.chuden.jp/child-rearing/anger-management/

 


「今日もまた怒っちゃった」
そして、それで落ち込んだり自分を責めたりしてしまう親御さんはたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
大きくなると反抗期も激しくなるし、言うことも聞かなくなり、「幼い頃は可愛かったのに…」と思ってしまうこともあります。

そんな時は、
『生きていてくれるだけでいい』『元気であればそれでいい』
そこに立ち返るのも、一つのアンガーマネジメントだと思います。
そうすると、「人の尊さ・価値って能力じゃないよね」ということに親自身も学ばされます。

どうやったら怒らないで済むかというと、

親が比較をしないこと、焦らせないこと、過度な期待をしないことです。

過度な期待をしなければ、できた時に大喜びになります。

そして、大喜びの気持ちを素直に表現してあげましょう。

そうするとお子さんの自己肯定感が上がり、またやる気になります。
「今日もやってみよう」と挑戦力が高まります。

● 自己肯定感を待たせる

自信がないまま物事を続けても、うまくいかずに悲しくなってしまう、怒ってしまう、など、負の連鎖的な気持ちに覆われてしまうので、「自己肯定感を持たせると良い結果に結びつく」というループを思い出して、お子さんへの声掛けに工夫をすることを意識してください。

あとは、「親も興味を持って楽しむ」という姿を見せることです。

子どもの話しを聞く時間を作り、「え、それどういうこと?」と興味を持って聞いてあげましょう。
すると、子どもの方から得意気にたくさんお話しをしてくれます。

親が聴く力を持って、子どもとのおしゃべりを楽しんであげると、子どもはアウトプット力・説明力が
身に付きます。

子どものお話しに、アドバイスは不要です。同調することが大切です。

「楽しかったんだね、いいこと思い付いたね」とか「それは嫌だったね、悔しかったよね」と同調してあげることで、子どもは気持ちを上手にコントロールするようになっていきます。

大人が子どもを肯定し受け止めてあげる、反応してあげることで、子どもは落ち着き、子どももアンガーマネージメントが上手になっていきます。

子どもなりに味わった悔しさや後悔を、まずは大人が受け止めてあげることが大切です。
そうすることで、子どもはもやもやした気持ちが消化でき、それから子どもなりにどうするかを考え、味わった悔しい気持ちをバネにして成長していくことでしょう。

● 一歩引いて客観視した子育てを意識しましょう!

前述したように、「比較しないこと」

比較習慣病を取り除くのは、なかなか容易なことではないですが、
「みんな同じじゃなくていい」という、大らかな気持ちをいつも心に留め、子どもを焦らせないよう意識した子育てをしていくと、親子の心は健やかになっていくのではないかと思います。

もしも我が子が起こっていたり、焦っている様子を見たら、一歩引いて客観視した子育てを意識し、

いつかはできるようになるよ!

と声を掛けて、長い目で見守る気持ちで励ましてあげてください。

 


次回のテーマは「親が怒る理由」です。次の連載も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

たかみほ(たかせみほ)

子育てスマイルナビゲーター 1968年生まれ。共立女子大学文芸学部卒業後、航空会社のグランドスタッフに。結婚後、長男が小4、次男が小2の時に夫と別居。2年間の調停の後に離婚成立。シングルマザーとして働きながら、子供たちを中高一貫校へ。その後、2人ともに東京大学理科一類へ現役合格を果たす。著書に『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』(徳間書店) Noteブログ https://note.com/takasemiho

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