山口もえさん「新型コロナウイルス感染を経験してママに伝えたいこと」

再び新型コロナウイルスの感染者が増えている今、明日は我が身!? と不安に思っているママも多いはずです。

「多くのママたちに、私の経験が少しでもお役に立てれば……」と、この秋に感染経験をしたタレントの山口もえさんが、ご自身の体験談や感染を通して実感した思いを細かく語ってくださいました。

PCR検査はどこで受けたのか? 何が一番つらかったのか? 社会の復帰のタイミングはどうしたか? 私たちの素朴な疑問にも答えてもらいました。

 

山口もえさん独占インタビュー
「新型コロナウイルス感染を経験してママに伝えたいこと」 Vol.1

 

「風邪だけど安心したいから」と受けた検査でまさかの陽性と判明!

 

 

covid-19

※これは個人体験記事です。新型コロナウイルス感染症状は人それぞれ違い、各自治体によって新型コロナウイルス感染の対策も違います。

 

山口もえさん(以下もえさん)が最初に体調の変化を感じたとき、どのような状態だったのですか。

 

私の場合、最初の気づきは風邪症状です。鼻の奥がツンとして「嫌な風邪をひいちゃったな」というイメージです。そして、その夜中に発熱し37.8℃まで上がり、体のあちこちが痛くなりました。けれど、翌日には熱は下がっていました。

 

その翌日、PCR検査を受けようと思われたんですね?

 

はい。数日後に仕事が入っていたので、もし自分が感染していたら多くの方に迷惑をかけてしまうと思ったので検査を受けようと思いました。しかも、かかりつけの病院でPCR検査ができたので、予約をして自費にて検査を受けました。

症状が軽かったですし検査を受けるときにはすでに熱も下がっていたので、むしろ、「安心するための検査」という気持ちで受けました。

【注:新型コロナウイルスの検査方法は、「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」と大きく分けて3つあります。いずれの検査を受けるかどうかは、医師や保健所が判断しますので指示に従います(編集部調べ)】

 

PCR検査を受けられてから、どのような順を追って「陽性」であることが分かったのですか。

 

病院から私の携帯電話に連絡がきて、「陽性です」と告げられました。そして、「ここからはお住まいの区の保健所の指示に従ってください。担当の方は、○○区保健所の◯◯さんです」という具合でした。このときの病院と保健所の連携プレーは早かったですね。それにしても、感染したらどんどん息苦しくなって肺が痛くなってしまうようなことを想像していたので、私は風邪気味程度だったのに「陽性」の通告を受けて、青天の霹靂でした。

 

「もしかして!? 」は誰にでも起こりうること! 事前にどうすべきかリサーチしておくことが必要ですね。

 

私の場合、かかりつけの病院に「発熱外来」があることを知っていたのはよかったです。自分や家族のいざというときのために、お住まいの市や区役所のホームページで相談体制を確認し、「何かあったときはこの病院に行こう」、と予めチェックをしておいたほうがいいと思います。

【※令和2年11月1日より厚生労働省が新しい相談体制を発表し、それを受け、各自治体も相談窓口の体制が変更されています(編集部調べ)】

 

PCR検査を受ける費用も、受ける機関で違うようですね?

 

受ける機関で違うというより、医師がPCR検査が必要だと判断したり、保健所の方から「検査を受けてください」と指示があると、公費で検査が受けられるようです。また、気軽に検査を受けられる民間クリニックなどもずいぶんと増えたように思います。PCR検査キットもあり、自宅でも調べられるようです。

【注:新型コロナウィルス感染症を診断するためのPCR検査は、症状がある場合、各都道府県が指定する医療機関を受診するか、一部地域で医師会が設置する「地域外来・検査センター」へ。症状がある場合は、検査費用はかからない。ただし、初・再診料など診察にかかる費用は公費の対象ではない。自己都合の場合の検査は自費になり、費用の相場は20,000〜40,000円ほど(編集部調べ)】

 

急に陽性と分かると、パニックになりますね。もえさんは「陽性です」と言われてどうでしたか。

 

はい、まさにパニックです。保健所から最初の電話で「なるべく隔離したほうがいいです。ホテルを用意しますか?どうしますか?」と言われて、頭が真っ白になりました。鼻風邪程度だったから、まさかの「陽性」という連絡に気が動転。「ちょ、ちょっと待ってください。うちは子どもが3人いるんです。私ひとりの考えでは、急にホテル暮らしはできないかもしれないので、ちょっと考えさせてください」と。すると、「家族全員が“濃厚接触者”になります!!」と言われ、「大変なことになってしまった!!」と目の前が真っ暗になったのを覚えています。そして後日、保健所が指定した病院で、家族全員が検査を受けました。そこからがとにかくバタバタです。結局、保健所指定の病院に入院をすることになりました。保健所から、「いまから30分後に迎えの車が行きますから、用意をしてください」と、知らされました。「え!30分後!? どれくらい入院しますか?」「1週間〜10日くらいですね」。そんなやり取りがあって、あとはもう無心になって家の中を動き回りました。着替えから身の回りのもの、冷蔵庫の中やゴミの整理などなど、いろいろ考えて動き回った30分間でした。入院に関して何も知識がないので、持っていったものが洗濯できるかも分からない状況でしたから。準備の瞬間は本当にバタバタでした。入院して知ったのは、やはり病院では洗濯はできず、唯一、家族に託して洗ってもらう方法があるそうですが、各病院によってルールは違うと思います。

 

山口もえさんの気づきアドバイス

1.症状が軽くても、発熱したらPCR検査を受けてみましょう。

2.もしものことを考え、予め発熱外来をしている病院を知っておくといいと思います。※お住まいの市や区役所のホームページで地域の医療機関を検索することができます。

次回は、入院してから保健所の方とどんなやり取りが行われたかのお話です。

 

山口もえさん

1977年生まれ。ふわっとした可愛いらしいキャラクターが人気で、世代を超えて愛されている。バラエティ番組やドラマ・映画・CMなどに出演し活躍。中学生、小学生、未就園児の3人の子どものママであり、夫は爆笑問題の田中裕二氏。現在は、NHK-E「趣味の園芸やさいの時間」レギュラー出演中。山口もえ

取材・文/須賀美季 イラスト/コグレチエコ 編集/渋澤しょうこ