「体力おばけ」のフジTV20代ディレクターが語る「人生で一番忙しかった夏の記憶」
フジテレビで働く現役社員のみなさんに、就活やこれまでのキャリアについて伺うこの企画。今回は、情報番組でディレクターとして働く阪本理紗さんにインタビュー。就活時代を振り返ってもらいながら、なぜテレビ局を志し今どんなお仕事に携わっているのか、そしてテレビ局の仕事って実際どれだけ忙しいのか…? テレビ局で働きたい方必見の内容です。
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「明日がんばろうって思える何かを届けたい」真っ直ぐな想いで向かったテレビ局
今回お話を伺うのは...
阪本理紗さん
慶應義塾大学卒業後、2019年フジテレビ入社。情報製作局に配属後「とくダネ!」を担当。ニュースや企画コーナーのADや「ザ・ノンフィクション」でのAD等を経験したのち、現在は「めざまし8」のディレクター。今夏はフジテレビ初のイベントアプリ「バーチャル冒険アイランド」の運営にもディレクター兼AP(アシスタントプロデューサー)として参加。
Q. なぜテレビ局を受けようと思ったんですか?
私自身ドラマがすごく好きだったんです。ドラマを見る人のモチベーションって人それぞれだと思うんですけど、私の場合、辛かったときにドラマを見て明日頑張ろうと思えたり、すごくキュンキュンできたり、自分もその世界で生きているような感覚になれたり…。ドラマには「この人が頑張ってるから自分も頑張ろう」とか「私にも乗り越えられるかもしれない」と思わせてくれる力があったんです。テレビって無料で見られる分、私にとっては誰よりも身近に感じられる存在で…。なので、「誰かに“明日頑張ろう”って思える何かを届けたい」と思ってインターンも受けましたし、就活の本番でもテレビ局を受けようと思いました。
Q. ドラマ志望で入社したものの配属は情報制作局。志望と違う部署配属で働くことになったとき、どんなことを思いましたか?
私の中では入社できたことが奇跡だったので、あまり引きずることはありませんでした。「やりたい!」って言い続けていれば希望の部署に行くチャンスはあるということを、人事の方だけではなく、お会いした先輩方も言ってくれました。だからこそ、1回希望と違う部署に配属されたからといってしょげてたら仕事にならない、という思いの方が強かったかもしれません。
Q. いまはどんなお仕事をされているんですか?
今は『めざまし8』でディレクターをやっていて、日々のオンエアを担当する班で週に1回または2回の放送業務を行っています。それと同時に、スクープ班という事件取材を担当する班にも所属しています。スクープ班は、事件が起きた場合は、急遽地方に行かなければいけないこともあります。9月からスクープ班になり、山梨に行ったり、兵庫に行ったり…。夜食事をしているときに、「ちょっと事件が起きたから、1時間後の新幹線で名古屋行ける?」なんてことも。基本的に大きいリュックに小さいカメラと一日分の服と下着類、最低限の泊まれる道具は持つようにしています。
仕事もプライベートも全力で楽しむ「体力おばけ」
Q. 阪本さんは多忙な中でもプライベートで弾丸旅行に出かけることもあると伺ったのですが、仕事がない日は休むよりも思い切り遊ぶ派ですか?
きっと寂しがりやなのかもしれないですね(笑)。家で1人でぼーっとしてるってことがあまりないんです。ただ、今年の夏に「バーチャル冒険アイランド」というアプリをリリースしたのですが、その業務がすべて終わった次の日は死んだように眠ってました(笑)。基本的には寝ている時間を「もったいない」と思ってしまうので、起きていられるなら何か行動していたいんです。隙あらば旅行に出かけたり、状況が許せば友達と会ったりしていますね。
Q. どこにそんな体力あるんですか(笑)?
それこそ就活の時は自分のことを「体力おばけ」って自己PRしていました。それくらい体力には自信があります。もしかしたら、アピールしすぎてこの局(情報制作局)にきたのかなと思うこともあります(笑)。
Q. 「バーチャル冒険アイランド」のお仕事は、『めざまし8』と並行して進められたのでしょうか?
企画が立ち上がった当初は、並行してやっていました。ただ本格的に始動したタイミングで、『めざまし8』と両立して「バーチャル冒険アイランド」を進めていくのが難しくなってきたので、7月から9月の頭までは「バーチャル冒険アイランド」に集中していました。とはいえ、開幕特番オンエアや、アプリ内で流す映像なども作らなければいけなくて(もちろん外部の方に発注するものも含めてですが)、最終的な納品をしたという意味では、約100本のVTRを制作しました。
Q. 凄まじい仕事量ですね…。なんでそんなに頑張れるんですか?
力をうまく抜けないんです(笑)。できないことが嫌だし、自分の手が回らないことで他の人に仕事がいってしまうのも申し訳ないし…。自分に降ってきたチャンスは自分の手柄にしたいんです(笑)。
Q. これからどんな人になりたいですか?
大きな目標として、取材にしても、この先自分の番組を作れる立場になったとしても、仕事において、いい意味で自分の名前が一人歩きするくらいの人になりたいと思っています。テレビは一人で作れるものではないので、「また阪本に任せたい」と話題にされたり、これから入ってくる下の世代からも目標とされるようなテレビマンになりたいです。でもそのためにも、まずはスクープディレクターとして早く一人前になるところからですね。
Q. ドラマ志望でしたが、情報制作局のお仕事もすごく楽しまれているように感じます。
そうなんですよね(笑)。今の職場でそれなりに任せていただく仕事も増えて、尊敬している先輩から「いま仕事のいい軌道に乗っているから、その流れを大事にした方がいいよ」と言われたんです。ドラマをやりたい気持ちもあるんですけど、せっかく乗りかかった船なので、ここでもうちょっと頑張ってみようかなって思います。
情報制作局に来て思ったのが、やりたい気持ちが強すぎても視野が狭くなっちゃうのかなって。「これがやりたい」ってことに囚われず、どこに行ってもできることをやってみた方が新しい自分も見つかるんじゃないかなと思っています。
Q. 最後に就活中の学生にひとことお願いします!
フジテレビは本当に「面白いものを作ろう」と貪欲に番組作りに取り組む先輩が多いと思いますし、そういった面では絶対にいい会社だと思います。あとは「遊んで疲れて寝る」のは学生の特権でもあると思うので、後悔しないように、学生のうちに遊ぶなり、オールするなり、弾丸旅行をするなり…、今のうちに体力をいっぱいつけてください! 「学生時代に戻りたい!」と思わないくらい、満喫してもらいたいなと思っています。
いかがでしたか? 実はこのインタビューも、地方で取材をして放送を終えたあとに、お台場まで帰ってきて疲れた表情をまったく見せずに応じてくださいました。ぜひ、これからのキャリアを考える上で参考にしてみてくださいね! 次回はフジテレビのドラマを作る社員の方にお話を伺います。
撮影/岡田 健 取材/上戸 智香 編集/岩谷 大