注目俳優・井之脇海さんがおすすめする“読むとパワーが湧いてくる本”
確かな演技力と独特の存在感で、若手ながらも実力派俳優として注目を集める井之脇海さん。1月14日(金)よりAmazon Prime Videoで配信されているドラマ『失恋めし』では、物語のキーパーソンとなる近所の花屋の青年役を好演。26歳を迎え、ますますの活躍が期待される井之脇さんが選ぶ“読めばパワーが湧いてくる”3冊の本とは—。
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PROFILE
井之脇海(いのわき かい)●1995年11月24日 生まれ、神奈川県出身。 2007年、映画『夕凪の街 桜の国』でデビュー。 翌年公開した映画『トウキョウソナタ』で、『第82回キネマ旬報ベスト・テン』新人男優賞を受賞。 以降、映画『告白』や、『帝一の國』、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、TBSドラマ『義母と娘のブルース』などに出演。2021年には映画『ミュジコフィリア』で初主演を果たし、若手演技派俳優として今後ますますの活躍が期待される存在。
「コロナ禍の影響で時間の使い方が変わって、ここ最近本を読むようになった」と話す井之脇さん。彼がこれまでに出会い、ずっと大切にしている3冊の本をご紹介。
井之脇さんの“読めばパワーが湧いてくる”3冊はこれ!
アルケミスト – 夢を旅した少年(パウロ・コエーリョ著、山川亜希子・山川紘矢訳/角川書店)
アンダルシアで羊飼いをしていた少年サンチャゴは、一人の子供にエジプトのピラミッドまで連れて行かれ、そこに宝物が隠されていると告げられる夢を2度も見た。少年は羊を売り、宝物が眠るピラミッドを目指して、旅に出る。夢をあきらめずに生きていくことの大切さを伝え、世界中の人々に勇気と感動を与えてきた名著。
青春を山に賭けて(植村直己著/文春文庫)
家の手伝いからは逃げ、学校ではイタズラばかりしていた少年は、大学へ進んで、美しい山々と出会った。百ドルだけを手に日本を脱出した彼は、さまざまな苦難の末に夢の五大陸最高峰登頂を達成。そのケタはずれな日々を追体験できる世界放浪記。
空白を満たしなさい(平野啓一郎著/講談社)※上下巻
ある日勤務先で目覚めた土屋徹生は、自分が3年前に死亡したことを知らされる。死因は「自殺」—。自らの死の理由を追い求める中で、彼は人が生きる意味、死んでいく意味、そして幸福の意味を知っていく。現代人にとって“幸福”とは何なのか、その意味を問う傑作長編小説。
人生の指針になるような“生きていくための知恵”が詰まった一冊
1冊目:『アルケミスト – 夢を旅した少年』
この本は高校生の時に出会った本です。それまでは小説とか、ストーリーがあるものを読むことが多かったんですが、アルケミストの言おうとしている哲学的なことが、当時高校生だった多感な時期ですっと故事に入ってきたというか。高校生の時、将来に対して漠然と不安を感じていたんですが、それに対する一つの答えを示してくれた本でした。僕にとっては聖書みたいな本で、何度も読み返しています。この本が教えてくれたのは、「自分の感じたことを、恐れずに信じること」そして、「そのために前兆を見逃さないこと、前兆に従うこと」。これが僕の教訓になっています。
この本の中に「夜明け前が一番暗い」っていうようなことを言っている部分があって、それがすごく響いたんですよね。この言葉は今でも僕が苦しい時に助けてくれるんです。人生を生きていくための知恵が詰め込まれた作品だと思っています。
好きなことに対する情熱と行動力の素晴らしさを教えてくれる一冊
2冊目:『青春を山に賭けて』
これは登山をするようになってから、雑誌の企画で山の本を紹介する機会があって、2年前くらいに読んだ本です。植村さんのことはいろいろな山小屋でお話を聞いていて、どんな方なのか気になって本を手に取りました。自分の好きなことを恥ずかしがらずに飾らない等身大の言葉で綴られていて、大好きなものへの愛が溢れている本で、読んでいて温かい気持ちになれます。登山の下山中に消息を絶った植村さんの最期を考えると悲しくもなりますが、この本っていろんな読み方ができると思っていて。冒険小説とも読めるし、ある意味哲学を伝える読み物でもあるし。山への愛に溢れた本ですが、山の本だから好きというよりは、植村さんの自分が好きなものに邁進する姿が、読んでいて爽快で清々しくて、好きなんですよね。好きなことに対する情熱と行動力。そして、どんな困難に直面してもポジティブであり続ける筆者の姿に心を打たれました。
「今を、精一杯生きていたい」と思わせてくれる一冊
3冊目:『空白を満たしなさい』
この本は、完全にジャケ買いです(笑)。「ゴッホだ!」って思って、大学1,2年生くらいの頃に手にとりました。ぱっと見では「長いな…」と思ったんですが、読んでみると全然長さを感じなくて。20歳くらいの頃ってそんなに死っていうものが近くにはなかったんですけど、これを読んで初めて死について深く考えさせられたなと思います。簡単には埋まらない空白を、みんなが持っているんですよね。今を、精一杯生きていたいと思った本です。読んで、号泣してしまった思い出があります。
©木丸みさき・KADOKAWA/ytv
ドラマ「失恋めし」1月14日(金)よりAmazon Prime Videoにて独占配信!
広瀬アリスが主演し、木丸みさき氏のコミックエッセイを原案としたドラマ「失恋めし」は、全10話で紡がれる“おいしい失恋ドラマ”。広瀬演じる主人公・キミマルミキは、地元紙に“失恋めし”というマンガ連載を持ち、日々連載のネタとなる失恋エピソードを探しているイラストレーター。各話ごとに登場する失恋した人には、忘れられない思い出の味があるという設定で、その味をミキとともに味わいながら“失恋エピソード”を語り始める—。撮影は実在する飲食店で敢行し、各話ごとに、その店の人気メニューが登場。井之脇海さんは、“ミキがほんのり恋心を抱く花屋の青年”を好演している。
スチール撮影/永峰拓也 ヘアメーク/AMANO スタイリング/清水奈緒美 構成/宮島彰子(JJ編集室)