娘を東京の学費の高い私立大学に行かせるべきか迷っています【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.44】
40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!
<PROFILE>
ジェーン・スーさん
コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。
HARUKOさん
モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。
~第44回~
◇ 4年間で1200万。娘を東京の学費の高い私立大学に行かせるべきか迷っています
結婚後、夫婦ともに大規模な企業に勤めていて、私は、30代で2回産休を取りましたが、出産後も働いてきて、世帯収入は比較的高いほうだと思っていました。夫婦共働きで子どもたちに寂しい思いをさせているという気持ちもあって、本人たちがしたいという習い事などは何でもさせ、娘たちは中学から私立に通わせてきました。ところが、今年高校1年になる長女が東京の私立大学に進学したいと言い出し、調べたところ、4年間で1,200万円もかかると知り、今更ながらで恥ずかしいのですが、驚愕してしまいました。同じような状況のママ友に聞くと、「今はみんなアルバイトで生活費を稼いでいるし、奨学金をとって、卒業後に自分で返している」というのです。
でも、ニュースなどで、奨学金の返済の負担が若い世代にとって非常に重く苦労しているという話や、アルバイトがなく、風俗で働いている女子学生もいるといった情報に触れると、娘たちには絶対にさせたくないと強く思ってしまうのです。次女も東京での進学を希望した場合、2人分の東京での学費と生活費を出してやれないわけではないのですが、老後資金がなくなってしまいます。地元の大学に行くように説得したほうがいいのか、アルバイトなどをしながらでも、本人の希望通りに東京に行かせた方がいいのか、迷っています。
(名古屋市在住 45歳 会社員)
お金のことをちゃんと話して、本人に決めさせたらどうでしょうか。
そうですよね。できるならやってあげればいいけれど、親であっても、自分の身の丈にあったことしかできないもの。
しかし、 4年間で1200万円ってずいぶんかかりますね。家賃が10万円だとして、生活費も含めてということですよね。1年間で300万円ってことか。地方から東京の大学に行かせるって大変ですね。
だから、無理なら無理って言った方がいいと思う。妹さんは、東京には行かないと言うかもしれないし。私は、子どもの教育は、投資とも考えているので、全財産なくなったとしても、子どもにはやってあげたいと思っているのね。自分ひとりなら、どうにか生きていけると思っているから。それでも、やっぱりアメリカの私立大学に行かせるのは無理なので、州立大学に通わせている。自分が借金してまでやる必要なないかなと思って。
娘が「どうしても東京でやりたいことがある、バイトもするし、奨学金の返済も自分で背負う覚悟がある」というなら、「よし、頑張れ」って応援しますよね。
そうそう。お金のことも話して、「東京に行きたいなら、国公立ならいいよ」というふうに、ちゃんと話せば、このお嬢さん、まだ高1だから間に合うと思うんですよね。きっと、中学から二人私立に行かせていても、地元の大学に行くなら、問題なかったんでしょうね。でも、東京で暮らすという話が出て、ご両親としても予定外だったんでしょうけれどね。あとは、どうしてもやらせてあげたいなら、親にも覚悟は必要ですよね。財産全部つぎ込んでも、定年後も働いてなんとかやっていこう、みたいな。
子どもにお金の話をするのをためらう気持ちもわかりますが、子どもはちゃんと受け止められるんじゃないかと思うんです。話していいんじゃないかと思いますね。
当連載は毎週金曜日配信です。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美