関根麻里さん「父との笑いの原点はエンドレスの“お風呂劇場”でした」

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生活リズムも価値観も自分優先でなくなったけれど、 本当は誰にでもあるずっと変わらず好きなことをインタビューする連載「ママですが、これが好き!」。Web版では、関根麻里さんに父との強い絆や子育てと仕事の両立などについて語っていただきました。

父のお尻でパーカッションを
していた幼少期

——VERY8月号ではお笑いへの愛と、父・関根勤さんの教育方針“楽しさ貯金”についてお話しいただきましたが、関根勤さんとの笑いの原点となるようなエピソードはありますか?

 

父は本当に私が小さい頃からとにかくおバカなことをやって遊んでくれていました。例えば、4歳くらいのときにお風呂でよくやっていた遊びに“ケツケツダンス”というのがあります(笑)。父がお尻をフリフリしながら「ケツケツケツケツ♪」って、歌って踊るんですよ。それで私が父のお尻をパーカッションに見立ててペチペチ叩きながら、一緒に踊るっていう遊びで、それをお風呂に入る前に永遠にやっていたんです(笑)。

あまりにもずっとやるので、母が来て「いい加減お風呂に入りなさい!」と言われて入るのがお決まりの流れでした。思い返せば母もすごいですよね。すぐに「何やってるの、やめなさい」とは言わずに一通りやらせてくれて、あまりにもやめないから見かねて「風邪をひくから早く入りなさい」と我に返らせてくれる。母は家族で唯一、きちんとした常識人で、ツッコミ役でしたね。

お風呂に入ってからも、遊びは続いて散々ふざけるんですよ。湯船の中から、どんぶらこっこ♪ってお尻を出したり、私がひたすら父の頭の上から風呂桶でお湯をジャーッてかけたり。すると、父が「デーオデーオ♪」って何故かバナナボートの歌を歌うんです。

 

——そんなに楽しいお風呂なら子どもも喜んで入ってしまいますね(笑)。日本はまだまだ家事育児は母の負担が大きく、子どものお風呂はママが一人で担うという家庭も多い中で、お父さんとのスキンシップやコミュニケーションが幼い頃からしっかりとれるというのは素晴らしいですね。

 

実は当時はまだ父の仕事もさほど忙しくなかったようで、一緒に過ごした思い出がたくさんあります。私の成長とともに父も忙しくなっていったので、小さい頃は家で私を笑わせることに全力をかけてくれていて、それが父にとっても楽しかったようです。

 

——父親との密な時間を幼少期にたっぷり持てたことが、現在でも仲良し親子でいられる秘訣でしょうか。

 

そうですね。父とはずっと仲が良いです。テレビも父と一緒に、子どもの頃からバラエティ番組をたくさん観ましたね。世代的には『ボキャブラ天国』や『笑う犬の生活』とか、何度目かのお笑いブームの時期でお笑い番組が豊富だったので、それが楽しくてしょうがなかったです。

中学生になっても父とお笑いライブを観に行っていました。ジョイポリスでの夏休みイベントに日替わりでお笑いライブをやっていたんです。ジョイポリスに入場すれば無料で観られるライブで、ネプチューンさんや、当時はまだ有名になる前のアンタッチャブルさんも出られていました。アンタッチャブルのザキヤマさんは今や家族ぐるみのお付き合いをさせていただいているのですが、当時の私にとっては憧れの人! この時の流れがなんだか信じられないです。

 

——家族の仲の良さといえば、2017年にはお父さまとご主人の歌手・Kさんとの共作「ほめられちゃった」が『いないいないばあっ!』(NHK Eテレ)で公開されて話題になりましたよね。

 

あの曲は、長女が生まれたときに、父と親交の深い振付師のラッキィ池田さんが、「おじいちゃんになったことだし、Kくんも音楽をやってるから、一緒にやったら面白いんじゃない」って企画してくださったんです。その話を頂いて、父も夫もすぐに「いいねいいね」って乗り気になって。まず父が歌詞を書いて、それに夫が音楽をつけて作ったんです。「あっぱらぴゅー」って手書きで歌詞を書いてましたよ(笑)。

ライブ会場になかなか行けない今だから、ありがとう配信!

——お笑いは特にライブで観るのがお好きなのですね。

 

はい。最初にライブを観たとき、生の舞台の熱量に衝撃を受けました。それ以来、足繁く通いましたし、お笑いライブ熱が高まりすぎて、高校生のときには中野の小さな劇場でお手伝いをしたくらいです。楽屋の掃除やチラシの整理、チケットのもぎりなどの雑用でバイト代ももらわず純粋に手伝いをしていました。だって、そのおかげで舞台袖からライブが観られるので(笑)。

小道具の出し入れまでしたり、完全に趣味でやっていました。アンタッチャブルさんやおぎやはぎさん、アンガールズさんや劇団ひとりさんなど、今や錚々たるメンバーが出演されていて今思っても本当にラッキーな体験でした。

 

——お父さまもコメディの舞台を長年されていますよね。

 

『カンコンキンシアター』という父が座長のコメディ演劇で、1989年から30年以上ずっと続いています。私は子どものころから観に行っていましたね。やはり、お笑いライブが好きなのはその影響もあるのかもしれないですね。娘が生まれてからも楽屋に娘を連れて行って、ラッキィ池田さん、キャイ〜ン、ずん、イワイガワなど出演者の皆さんが遊んでくれてとても嬉しかったです。とはいえ、お笑いライブ会場でワクワクするという機会を、出産後はなかなか取れていないですね。最近ではコロナ禍ということもありますし。

 

——最近はどのようにしてお笑いを楽しんでいますか?

 

ライブ会場に行く代わりに、配信ライブを楽しんでいます。技術がどんどん進化していて、すごく音もいいんですよ。昔の劇場でのライブ資料を見ると、後ろにただビデオカメラを置いて回しているので、どうしても音声や映像の質はそんなに高くない。特に後方にいる人は音声が届きづらかったんですが、今はおそらく配信用にこだわって撮影しているので、とても音がよくて、カメラワークもいい!しかも大抵はアーカイブも残るので、ライブが終了しても何日間かは観られるというのも嬉しいです。娘たちが寝てからゆっくり観ることができるので、ありがとう配信!という感じですね。いい時代です。

 

仕事と子育ては“両立”という言葉じゃなくてもいい

 

——読者には子育てと仕事との両立に悩む人も多いのですが、どのようにバランスを取られていますか?

 

私自身も両立できているのかわかりません。むしろ、両立という言葉じゃなくてもいいのかなと考えるようになりました。「両立させなきゃ」ととらわれないで、毎日一生懸命生きていて、今日ハッピーならいいや、両立って何!? と思ってしまいます。日々てんやわんやで、がんばっても1週間先くらいのスケジュールしか今は管理できてないです。毎日子育てを頑張るすべてのママたちを尊敬します。

6歳と2歳の娘がいるのですが、下の子の習い事などもこれからだんだん始まっていって、2人分のスケジュールをどう管理しようかと……。長女のお友達は上に小3と小5のお姉ちゃんがいて、そのママ友は3人のスケジュールをチェックして、保護者面談も3人分あるし、日々の宿題や学校の準備、習い事まで3人分をやりくりしていて、本当にすごいです。

 

——怒涛の子育てはしばらく続きますね。

 

そうですね。ただ、6歳の長女が最近、本当にしっかりしてきたんです。身支度もきちんとできるし、何なら私の忘れ物を指摘するまでになって(笑)。2歳の妹はまだまだこれからですが、彼女もどんどん成長するし、2人とも成長にともなって親からどんどん離れていくんだなぁとしみじみ考えることがあります。

思い返せば自分も中学生になれば、父とライブに行くことはあってもほとんど友達と過ごしていましたし。だからこんなに濃密な親子の時間ってあっという間なんですよね。今はなるべく行事だったり成長の過程だったりを一緒に過ごしたい。その予定と照らし合わせながらスケジュールを組んでいますね。

  • 関根麻里さん

タレント。ボストンのエマーソン大学を首席で卒業後、愛くるしいルックスとキレのあるコメントでバラエティから教育番組まで幅広く活躍。父はタレントの関根勤さんで、夫は歌手のKさん。6歳と2歳の姉妹のママ。

関根麻里さんの趣味の時間の過ごし方や、子育てエピソードは本誌のインタビューでも! VERY8月号をチェックしてみてください。

【関根さん衣装】ベスト¥24,200ブラウス¥28,600(ともにダブルスタンダードクロージング/フィルム)パンツ¥17,600(ブラックバイマウジー/バロックジャパンリミテッド) イヤリング¥484,000(アンブローズ/アンブローズ 銀座店)その他私物【ピンクTのコーデ】パンツ¥16,500(ブラックバイマウジー/バロックジャパンリミテッド)イヤリング¥11,000(ダブルスタンダートクロージング/フィルム)その他私物

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撮影/渡辺謙太郎 ヘア・メーク/上野由可里 スタイリング/繁田美千穂 文/馨都 編集/矢實佑理