【広末涼子さん連載vol.2】反抗期の子と向き合う私が大切にしてきたこと

親も辛い反抗期。でも終わりがない旅ではない。

1月号からスタートした広末涼子さんの連載「毎日が3兄弟ママで、女優」。
ここで取り上げた読者ママの悩みに対して、広末さんも一緒に考え、思うことを語っていただく、Junior STORY本誌連動企画がスタートです!

第1回連載記事はこちら

1月号読者
ママの声①

「年齢が9歳にさしかかるころから、だんだんと息子とのコミュニケーションがとりづらく。とにかく私の言ったことにすぐつっかかってきたり、やるべきことを全くやらない、感謝をしない、勉強しない、いつも不機嫌……。もしかして、反抗期?今まで積み上げてきた自分の中の子育てががらがらと音を立てて今、崩れている状態。正直つらいです。どうすればお互いに居心地がよくなれるのか、日々模索中です。」中川まささん 43歳 子ども10歳

ママの声②
「長女が11歳。受験勉強まっさかり。のはずが、全然集中できないみたいで。毎日たくさんの課題をこなしていかなくてはいけないのに。私が怒ってばかりで、親子のコミュニケーションは最悪の状態。このままでは。成績はおろか、日常生活もよくない方向に行ってしまうかも……。どこまで親が介入すべきか、放っておくべきか悩んでいます。」長谷川尚子さん 45歳 フリーランス

中川さんの「もしかして反抗期?」に関しては、これはまさしく反抗期!ですね(苦笑)。お二人のママさんに共通する、“コミュニケーションの難しさ&最悪の状態”というのも反抗期あるあるだと思います。

今まで普通に出来ていたことができなくなったり(感謝しない、勉強しないetc……)、親子仲良く過ごせていた日常が一変して険悪ムードになってしまうことも。

我が家の場合は、長男はもともと内弁慶で家では自由で奔放なタイプだったので、反抗期が訪れた時も動揺はあまりしませんでした。(これまでの彼のワガママや甘えに拍車がかかった感じだったので、今まで以上にしっかり向き合っていかなくては!と覚悟を決めたくらいでした。)しかし、第二子は彼とは違い穏やかで社交性もあり温厚なタイプ。だからというのも変なのですが、反抗期に今突入しつつあるこの子の変貌ぶりの方が母として反抗期2回目の経験にも関わらず、長男の時よりも動揺やショックが大きかったりもします。

けれど、うちの子どもたちを見ていても同じく同級生の他のお子さんたちを見ていても気付いたことは、反抗期がきたせいでその子が“変わってしまった”わけではないということ。

この時期に「お互いに居心地がよくなれるのか」(中川さん)は、難しいことだと思うし、「日常生活も良くない方向に」(長谷川さん)というのも苦しい悩みですよね。けれど、子どもたちの反抗期はそれぞれの子にとっての成長過程。体の変化やホルモンバランスも変わることで、子どもなりに自分の成長や変化と闘っているんだ!と考えるのはどうでしょうか?

もちろん、その子どもと向き合いぶつかることは親といえども辛いです。けれど、反抗期の子どもにとっての“壁”になってあげることは「大切よ!」と尾木ママさんも仰っていました。(「STORY」1月号対談ページより)渦中の時はしんどくても、根気強くつきあうしかない

でも今戦っているママ達に伝えたいのは、終わりがない旅ではないということです。あんなに反抗的で散々私を悩ませた長男も高校生となった今は、第二子の反抗期に奮闘する私に助言をしてくれたり頼れる存在になってます。

先日、あるママさんから小4の息子さんから初めて「うるせぇクソババァ」と言われた日の話を聞きました。朝からママがガミガミ言ったことへの反応だったとはいえ、そんな言葉を浴びせられたのは初めてで頭にきて、子どもを見送ることもしなかったそう。しかし、いざ職場へ来てみると、その後悔から仕事も手につかず、結局足早に帰宅することに。「お母さん、ごめんね。ぼく、学校に行く道を何度も引き返そうとしたんだ。」と言った息子を抱きしめて「お母さんが先に謝りたかったのに!」と親子で涙々だったという話。

突発的に出てしまう反抗期の子どもの言葉、その後の子どもの気持ち。それに対する親としての感情と対応。同じ子を持つ親として「あぁ、わかるわかる!」「あるよね~!」と一喜一憂してそのエピソードを聞いた後、たくさんの“気づき”のある経験だったねと皆で頷いたのでした。

中川さんや長谷川さんのように、今まさに反抗期に対峙するママはもちろん、これからその時を迎えるママたちも、先輩ママの経験を聞いて心構えできることは大切だと思うんです。

出産時にいざその痛みを感じるとラマーズ法どころではなくなってしまうのと同じように(笑)、反抗期も実際にその時期がくると、冷静ではいられなくなります。でも備えておくことで動揺は最小限にできるかもしれない。

そのためにSTORY WEBでは反抗期、受験、進路、性のことなど色々な読者ママのお悩みを一緒に考えていけたらと思っています。

次回へつづく

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広末涼子 1980年高知県生まれ。14歳でデビュー後、CM、ドラマ、映画と数々のヒット作に出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。プライベートでは、高校生、小学生、幼稚園児と各世代3人の子ども達のママ。

文/広末涼子 撮影/鏑木 穣(SIGNO) ヘア・メーク/岡野瑞恵 スタイリスト/竹村はま子 取材/小仲志帆
【衣装クレジット】ワンピース¥66,000ジャケット¥63,800(ともにエズミ/リ デザイン)ピアス¥68,860(MAAYA)

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