入社3年目までに身についていないとヤバイ基本マナー5つ【ビジネスメール編】

LINEや各種SNSで連絡を取る機会が多くなった今、メールを上手に使えていない人が見受けられます。

特にビジネスメールに関しては、「独自の作法があって難しい…… 」と苦手意識を持っている人も多いのでは?

今さら聞けない、でも知らないと恥ずかしい。そんなルールやマナーを確認しておきましょう。

 

(1)社内宛と社外宛では丁重度を使い分ける

社外の取引先や顧客には、誤解や失礼のないよう細心の注意を払い、できる限り丁重な言葉遣いをします。しかし、自社の人間にそこまでの言葉遣いをするのは、時間や手間が勿体ない。慇懃無礼(いんぎんぶれい、丁寧すぎてかえって失礼なこと)にもなりかねません。

例えば、自社の上司に送るメールで「平素より格別のお引き立てを賜り、御礼申し上げます。営業3課の田中と申します」という書き出しはNGですね。「お疲れ様です、営業3課の田中です」程度で良いのです。

なお、気さくに話せる先輩であっても、あくまでビジネス上のやり取りとして、丁寧な言葉遣いで書くようにしましょう。

絵文字・顔文字や伸ばす棒(「~」「ー」)は使わず、「!」も多用しないようにしたほうが良いですね。

(2)件名は簡潔かつ親切に用件をまとめる

多い人は1日に数十件から数百件、メールを処理します。

「本日はありがとうございました」「ご依頼の件」など漠然とした件名はNG。「3/22 ○○プロジェクトMTG議事録」「5/10個人情報研修の出欠確認(4/20締切)」など、具体的に書くことを意識しましょう。

受け取る側にとってありがたいのは、

・開かなくても概要や重要度、緊急性が分かる
・キーワードを入れ、後から検索できるようにする

というメールです。

(3)返信では元の件名を保持

かつては、返信をする際、件名は毎回改めるのがマナーでした。ただ今日では、多くの人がツリー型・スレッド型にまとめられる環境でメールを閲覧しています。

件名をいじらずに、そのまま返信すれば、

 修繕工事のお見積書
  ┗Re:修繕工事のお見積書

のように、一連のやり取りがまとめられるのです。

件名を変えてしまうと、新規のメール扱いになるため、先方のメールの管理を妨げてしまいかねないので注意しましょう。

(4)CC・BCCを使いこなす

メールには、宛先として指定する以外に、

・直接の宛先ではないものの、やり取りの内容を知らせるために送るCC
・先方には知らせずに、同報するBCC

があります。

例えば、顧客・取引先とのやり取りを上司にも共有する際などに使われます。先方も上司の存在を知っており、先方の返信も含めて進捗が伝わるようにしたいときはCC、先方は自分とだけ関わりがあるようなときはBCC、というように使い分けます。

CCありのメールを返信する際は、原則としてCCを消さずに「全員に返信」の形にし、案件の進捗がみんなに共有されるようにしましょう。

ただし、大人数に送っている出欠確認のメールのような場合は、一人ひとりの返信が全員に通知されると煩わしいため、同報者・CCなどを削除し、当の本人だけに返しましょう。

(5)宛先の並び順は役職順、人数の多いときは各位を使う

メール冒頭の宛名は、目上の人を先に書きます。

社内メールであれば、「山田部長  田中課長 川野主任」のように、役職や立場・年齢等の順で書くようにしましょう。他社と自社であれば、他社の方を先に書くのが一般的です。

並び順に悩む場合や、人数が多すぎて書くと煩わしく見える場合には「各位」を使いこなしましょう。

「関係各位」「プロジェクトメンバー各位」のように書きます。

「各〇〇位」自体が「みなさま」のような意味で、 敬称を含んだ言葉ですので、「関係者様各位」「関係各位殿」のように敬称を付ける必要はありません。

もし、社内などで「各位」が硬く感じられるような関係性であれば、「チームのみなさま」のように書きましょう。

 

メールの決まりやマナーをきちんと把握しておけば、自信を持って業務に臨めますね。

記録が残り、お互いに時間の融通が利きやすいメールを活用することで、仕事の効率化を図りましょう!

 

文/吉田裕子 
国語講師。塾やカルチャースクールなどで講師を務める他、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ)に国語の専門家として出演するなど、メディアでも活躍中。東京大学教養学部卒。

画像/PIXTA(ピクスタ)(kikuo 、kou、Glampixel、kou 、kikuo 、kou) 参考書籍/吉田裕子『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)