「形振り」=かたちぶり?「鳩尾」=はとお?よく口にするのに読めない漢字4選
言葉の意味も知っていて、自分でも日常的に使っている。なのに、漢字表記になると正しく読めない……。そうした漢字は意外と少なくないでしょう。しかし、できることならきちんと読めるようにしておきたいものです。
そこでこの記事では、“よく口にするのに正しく読めていない漢字”をピックアップしてご紹介します。
1.「形振り」
「形振り」と書くと、何だか見慣れない言葉のように思えるかもしれませんね。普段は平仮名表記されることの多い「形振り」。「形振り」とは身なり(形)とそぶり(振り)、つまり見た目や態度のことを意味する言葉です。
そんな「形振り」の正しい読み方は……
「なりふり」です。
実生活で「形振り(なりふり)かまわず」という言葉を発する人もいるでしょう。くれぐれも「かたちぶり」と読まないように注意してくださいね。
2.「初心」
「初心」は読み方によってそれぞれ意味が異なる言葉です。たとえば「初心(しょしん)に返る」など「最初の決心」を意味する時は「しょしん」と読みます。
そのほかにもう一つ「初々しく世間慣れしていないさま」「男女の情に慣れていない様子」を表す「初心」の読み方があるのをご存じでしょうか。この場合の「初心」の正しい読み方は……
「うぶ」です。
「しょしん」と「うぶ」、どちらの読み方をするかは、文脈から判断すると良いでしょう。
3.「鳩尾」
「鳩尾」とは、漢字のとおり「鳩の尾っぽ」という意味……ではなく、人間の体の一部を指す言葉です。
具体的には「胸の真ん中」「胸骨(きょうこつ)の下のくぼんだところ」で、人体における急所の一つとも言われています。
そんな「鳩尾」の正しい読み方は…
「みぞおち」です。
「はとお」ではありませんよ。ちなみに「みぞおち」とは「水落ち(水が落ちる場所)」がなまってできた言葉とされています。
4.「細石」
「細石」とは「細かくて小さな石のこと」を言います。見たままの印象で「ほそいし」と読んでしまう人も少なくありませんが「ほそいし」と読むのは誤りです。
漢字で書かれていると読み間違えやすいですが、正しくは……
「さざれいし」と読みます。
「細石」とは、日本の国歌「君が代」の一節で「細石の巌(いわお)となりて」と歌われている石のことです。
いかがでしたか? よく発している言葉でも、漢字表記になると、つい別の言葉のように感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
もし今回読めなかった漢字があれば、次こそは読めるようにこの機会に覚えておきましょうね。
参考文献
日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Dean Drobot、Ollyy、jamesteohart、9nong、schankz)