「小晦日」=「しょうみそか」とは読みません…正しく読みたい漢字4つ

ぱっと見て何となく読めそうな気がしたのに、正しく読めなかった……。そうした漢字にでくわしたことはありませんか?

習ったことのある漢字を使っていても、珍しい読み方をしているとつい読み間違えてしまいがちです。

この記事では、そんな“変わった読み方をする漢字”をご紹介。簡単そうに見えても、油断は禁物です。

1.「霜降」

「霜降り肉(しもふりにく)」という言葉があることから、思わず「しもふり」と読んでしまいがちな「霜降」。しかし、「しもふり」と読むのは誤りです。

そもそも「霜降」とは肉の種類のことではありません。日本では「二十四節気(にじゅうしせっき)」という、1年を24つに分割してそれぞれに季節を表す言葉があり、「霜降」はその「二十四節気」の一つなのです。

「霜降」とは漢字のとおり「霜が降りる頃」のことで、太陽の黄経が210度に達した日(太陽暦における10月23日または10月24日ごろ)のことを言います。

そんな「霜降」の正しい読み方は……

 

そうこう」です。ちなみに太陰暦では11月のことを「霜降月」と表記することがありますが、この場合は「そうこうづき」ではなく「しもふりつき」と読みます。

2.「小晦日」

1年の最後、12月31のことを「大晦日(おおみそか)」と言いますよね。では、大晦日の前日のことは何と言うでしょうか。大晦日は知っていても、その前日の名称を知っている人はそう多くないでしょう。

大晦日前日のことを「小晦日」といいます。「大晦日」と書いて「おおみそか」と読むのなら、「小晦日」は「しょうみそか」?と思う人もいるかもしれませんが、正しい読み方は……

 

こつごもり」です。ちなみに「小晦日」を「しょうみそか」とは読みませんが、「大晦日」は「おおみそか」のほかに「おおつごもり」という読み方もありますよ。

3.「川曲」

「川曲」とは「川が折り曲がって流れる場所」を意味する漢字です。「川曲」さんという名字の場合は、「かわまがり」「かわね」などといった読み方をします。

そんな「川曲」でポイントになるのは、「曲」の読み方です。「まがり」「まがる」でもなく、「きょく」でもありません。正しくは……

 

かわわ」と読みます。

また「川曲」のほかに「河曲」と書いても「かわわ」と読みます。「河曲」と書く場合でも、意味は「川曲」と同じです。ちなみに、かつて三重県には「河曲郡(かわわぐん・現在は鈴鹿市の一部)」という地名があったそうですよ。

4.「御老成」

つい「ごろうせい」と読んでしまいがちな「御老成」。「御」という漢字がつくと、「御中(おんちゅう)」「御礼(おんれい)」などビジネスで使う言葉のように感じるかもしれません。

しかし「御老成」はどちらかというと、日常的に使う言葉です。「年齢に似合わず、大人びた子供」という意味で「小学生にしては御老成な子供」といったように用いられます。

そんな「御老成」の正しい読み方は……

 

おませ」です。「若い頃から老成(ろうせい/年齢の割に大人びているさま)している」ことから「御老成」。漢字表記と意味から読み方を連想できた人もいるかもしれませんね。

 

変わった読み方をする漢字、何問正しく読めたでしょうか? あと少しで読めそうだったのに読めなかった漢字もあったかもしれません。

もし今回読めなかった漢字があれば、あらためて記事を振り返って正しい読み方を覚えておきましょうね。

参考文献/ことばの森編集室〔編〕「読めない漢字が読める本 分野別読み方便利帖」

文/大内千明 画像/Shutterstock(Curioso、Melanie Hobson、Nguyen Phuc Thanh VietNam、1stockphotopro)