プロが解説!「プロテイン」は運動してない人もとっていい?

〝スポーツ選手がとるもの〞というイメージが強い「プロテイン」。実は、肌や髪など体のすべてをつくる、大切な栄養素なんです。でも毎回栄養バランスの整った食事をとるのは難しいもの。足りない分だけちょうどよく補える〝Mart的プロテイン生活〞始めてみませんか?

Mart読者のプロテイン白書

まずは全国のMart読者にアンケートを実施。やはり見えてきたのは「、プロテインは運動する人がとるもので私には必要ない」という実態でした。

Q1.現在、プロテイン食材・粉末を 使用していますか?
YES・・・13%
NO・・・87%

とっていない 人がほとんど

ヨーグルトや豆乳、スーパーフードを食べるなどヘルシーな生活は 意識していても、プロテインはとっていないという人が8割以上という結果に!

Q2.「プロテイン」に対してどのようなイメージを持っていますか?
筋肉を鍛えている人がとる・・・65%
まずそう・・・14%
体に悪そう・・・2%
価格が高い・・・3%
太りそう・・・2%
体によさそう・・・9%
よく知らない・・・5%

自分には関係ないと信じる人多数

体にいいという声もありますが、太る、高い、まずいというネガティブな意見も多数。半数以上が〝筋肉を鍛える人がとるもの〞で、私には関係ないと考えているよう。

でも、実はプロテインは筋肉をつけたい人だけじゃなく、運動していない人にも必要なんです!

【教えてもらったのは】

代官山クリニック 院長 ドクターズテーブル代表 蘆田 英珠(あしだえいじゅ)先生

東京慈恵会医科大学卒業。皮膚科医として勤務後、内科的なアンチエイジングを学び、「代官山クリニック」を開院。食事を含めた栄養療法をとり入れ、外側からの皮膚科治療に加えて体の内側からもアプローチするパーソナルな治療を行う。

まずは食事が基本
足りないときに補いましょう

たんぱく質は体を構成しているとても重要な栄養素。不足すると体力や免疫力が低下し、さらには肌や髪にツヤがなくなるなど女性にとっては美容面でも一大事。でもだからといって、「アスリートみたいにプロテインパウダーをとりましょう」ということにはなりません。パウダーだと食事より簡単に摂取できるので、大量にとりすぎてしまう恐れがありますし、消化できずに残ったたんぱく質は腸を荒らして体に大きな負担をかけます。
大切なのは自分にとっての適量を知り、必要な分だけ補うということ。基本的には食事ですべてを賄うことが理想ですが、 3 食栄養バランスの整った食事をつくるのは実際難しいですよね。そんなときは、手軽に美味しく食べられるプロテイン食品で補うのも一つの手です。

プロテインの疑問すべて答えます!Q&A

Q1.プロテインってそもそも何?
A.体のすべてをつくる、重要な栄養素。

プロテイン=たんぱく質のこと。筋肉や臓器、皮膚、骨など体のすべてをつくり、さらには消化に必要な酵素もたんぱく質でできています。たんぱく質は大きく2種に分けられ、肉や魚、卵、乳製品が含む動物性(ホエイ、カゼインなど)と、豆類やパンが含む植物性(ソイ、ピーなど)があります。前者は吸収率がいいですが脂質が多く、後者は低カロリーですが吸収率が悪いのが特徴です。

Q2.筋肉がつく以外に、どんな効果があるの?
A.髪や肌、爪など美容にも深く関係します。

筋肉をつける以外には、美容にもうれしい効果があるんです。たんぱく質からつくられる髪や肌、爪などが健康的にキレイに! 逆に不足するとツヤがなくなりカサカサする原因にもなります。また、免疫力や体力も落ちてしまうので体調を崩しやすくなってしまいます。

Q3.プロテインをとると太るって本当?
A.プロテイン自体で太ることはありません

筋肉がつくという意味では体重は増えることもありますが、たんぱく質が足りないと代謝が悪くなり逆に太りやすくなります。ただ砂糖不使用のプロテインを選ぶなど、糖分には注意して。

Q4.一日にどのくらいとればいい?
A.Mart世代は「約50g」を目安にしましょう。

成人女性が必要なたんぱく質は体重×0.8~1gといわれていますが、あくまで目安。運動する人はそのときだけ少し多めにとるなど、ライフスタイルに合わせて足し引きを。

Q5.運動しない人がとっても大丈夫?
A.とってOK。必要摂取量はしっかりとりましょう。

運動していなくても、食事で十分な量をとれていない場合は補給が必要です。ただし、とりすぎると消化不良になり、内臓に負担がかかるので注意して。

Q6.どのように、いつとればいい?
A.生活スタイルに合わせて続けやすい方法でとり入れて。

あくまで食事でとることが理想。でも、忙しくて栄養バランスの整った食事が準備できないときや運動量が多いときは、食後のデザートやおやつ代わりに補う形で、手軽なプロテイン食材をとり入れるのもおすすめ。

Mart2月号
運動していない私たちにこそ「プロテイン」が必要です より

撮影/中林 香、相澤琢磨(光文社写真室) 取材・文/森本奈穂子 構成/富田夏子