外出時の「新しい生活様式」でも”常識”となった「マスク」とどう付き合えばよいか?


「新しい生活様式」でも、外出時はマスクの着用が基本となっています。これに加え、人との密接を避け、除菌・消毒にも気を配りながらの日常はしばらく続きますが、「マスク」はこれまでとは少し違った存在になりつつあるようです。外出時の“新たな必需品”としてどんな変化が起こっているのでしょうか?

マスク不足から生まれた「手作りマスク」には”楽しむ”という要素が加わった

一時期は買い求めることが大変だったマスク。なければ作ろうと広がったのが手作りマスクです。中でもパン教室主宰・スタイリストのはまくまさん考案の「おさかなマスク」は機能性、見た目の可愛さ、簡単に作れると3拍子揃って大人気に。


写真は はまくまさん本人が考案・製作した「おさかなマスク」。

「とにかくマスク不足で必要だからと作り始めましたが、与えられたものでなくもっとこうしたら良さそう、と工夫するのも楽しかったです。実際に好きな布で「おさかなマスク」を作り使っている方の笑顔も見られて嬉しかったですね。出口の見えない自粛生活のなかで、布を触り縫うという行為で癒された人も多いよう。私もその一人です。そして、マスクをきっかけにこうして人とつながれたことも、大きな意味がありました」とはまくまさんは振り返ります。

ファッションブランドからも続々とおしゃれなマスクが登場

マスク不足が解消された今、好きなデザイン・素材を身につけて楽しみたいという「マスクのファッション化」も見られます。同時に、長袖から半袖に衣替えするように、マスクもまた、暑い夏でも苦にならない素材が登場し人気を集めています。

【各ブランドのマスク】
「ユニクロ」では 速乾性インナー素材エアリズムを使ったマスクの販売を進めていると公表しています。(6月12日現在)
「無印良品」では、夏マスクとしてサッカー生地など3種類の夏素材を使ったマスクを6月中に順次販売。人気を集めています。

「ユナイテッドアローズ・グリーンレーベル」はマスク第2弾として7月上旬にマスクを販売予定です。(詳細は6月下旬、当サイト『Mart web』にてお伝えします)

「皆様の新しいライフスタイルのお役に立てますよう、ユナイテッドアローズ社はファッションを通してお手伝いしてまいります。今後マスクは、ハンカチをお持ち歩くようにエチケットとして必需品になると思い少しでも楽しくご着用頂けたらという想いで作成しました」とユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング・ディレクター 田中安由美さんは話します。

7月上旬発売予定の『ユナイテッドアローズ・グリーンレーベル』のマスク

7月上旬発売予定の『ユナイテッドアローズ・グリーンレーベル』のマスク


肌荒れ・熱中症のリスクも…暑い夏のマスク、どう向き合えばよい?

マスクに選択肢が増え、ファッションのように楽しめるようになりましたが、その一方でこれからの季節では注意すべき点もあるようです。

口元全体を覆うマスクの着用は、梅雨や夏の時期に肌荒れや熱中症をおこすことも。どう対策をしていくべきか、夏のマスクとの付き合い方を内科・皮膚科医の友利新先生に伺いました。

「前提として大切なのは、新型コロナウィルスをしっかり理解し、これに対して“正しく怖がる”ことなんです」と友利先生。「新型コロナウィルスは空気感染せず、飛沫感染で感染することがわかっています。つまり、空気中にコロナウィルスがふわふわ浮いているわけではないので、誰もいない屋外を歩いていて感染したということはほぼないと言えます。では、どのような場面で最も気を付けなくてはならないかと言えば、飛沫、つまり、くしゃみやしゃべる、食事をしたりする場面で体内から出る唾などが関係する場面です。もちろん、日常においてマスクをつけましょうというのが新しい生活様式で掲げられていることですが、前者のような自分以外誰ももいない屋外ならば、酷暑の中マスクをつけることは、コロナウィルスに対してはとても慎重に対応していることになりますが、一方で熱中症などを引き起こす決定的な要因となってしまいます」。

ここまで友利先生のお話を伺って、いかに「マスクをつけること」だけに気をとらわれていたかに気づかされました。「買い物・食事・移動…『新しい生活様式』で私たちの暮らしはどう変わる?」(Mart web 2020年6月3日公開)の記事中でお話を伺った生き方・働き方カウンセラーの鵜飼柔美さんが「意味を知り納得して行動することが新しい生活様式が苦にならないポイント」とお話されていたことも思い出されます。

また、友利先生からは、私自身もついやってしまっていた、マスクの“あの光景”についてイエローカードが。「暑くなるとマスクの紐は耳にかけたまま、おおう布の部分だけ顎に降ろしている方も見かけますが、あれは絶対にやってはいけないNGなマスクの付け方なんですよ。マスクの表側に周囲からの飛沫が付着していますので、表面を触ってしまうのは避けましょう。耳の紐から外し、マスク表面は触れないように外します」。

正しい知識があれば肌荒れや熱中症も怖くない!

友利先生は続けます。「マスクをしての肌荒れの原因は、主に2つあります。1つはマスクが擦れて皮膚に炎症がおきてしまうこと。もう1つは、水分が含まれた呼気でマスク内の肌がつねに濡れている状態にあること。水分が多いと肌の細胞間脂質がふやけて外へ出ようとしてしまい、結果、乾燥を引き起こします。そういった過酷な状況を少しでもなくすことが肌荒れを回避できるポイントなので、前述したように外せる場面では外しましょう」。また、マスクによる口周りの肌荒れ=「マスクしみ」も、今年は増えてしまいそうと予測されていました。「しみ防止のために肌の弱い方などは特に、しっかり保湿を。さっぱりでなく、夏でもしっとりを心がけてちょうどよいくらいでしょう」。子どもにはキッズ使用可能な保湿剤などを用意するのがよいですね。


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熱中症に関しては、前述の「正しく外す」とあわせて「マスク内の温度もあがり、体温が逃げにくくなります。また、マスクをしていると必然的に飲み物を飲む回数も減ってしまいますので、意識して水分をとるようにしましょう」と呼びかけられました。

取材・文/新里陽子

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