大草直子さんの「今、ひとつだけ何かを買いたいなら“コレ”になさい」
＜ジューシーな40代を包むATONのメンズコート＞
40代、私たちはどんな私たちになった？ 肩のエッジは少し丸くなり、バストの位置もちょっぴり下がりセクシーに。肉質は全体的に「サシが入り」、甘く柔らかく。そう、全体的にジューシー（おいしそう）になる！ これが40代の醍醐味であり、頑張って生きてきたご褒美みたいな変化。
個人的には、その嚙むと甘そうなボディラインを、マスキュリンなアイテムで包むのが好きです。例えば、ＡＴＯＮのユニセックスなトレンチコートみたいな。
コットンギャバジンの張りは、まろやかなボディと美しいコントラストを描くし、あえてのオーバーサイズは、「着る人」の色っぽさをうんと際立ててくれるはず。着流しても、ぎゅっとウエストを絞っても着られるから、気持ちや体型、生活シーン――その人だけの個性、という宝物を100％生かして着こなすことができる１着。
それぞれに異なる40代の体型を受容してくれるだけでなく、隣の人と比較することなく、自分だけの着こなしを全うできるのも、繊細に揺れる私たちにぴったり！
あえてのサイズ６を女っぽく着よう ATONのアイテムは、ユニセックスで着られるものがほとんど。このコートもそう。６を選ぶと、着こなしが良い意味で「しどけなく」なります。まろやかな体をぴしっとしたラインで、あえて大きくラップする（包む）のがオススメ。
大草直子さん
スタイリスト、エディター。1972年東京都生まれ。「ヴァンテーヌ」（現在休刊）の編集者を務め、その後フリーランスに。最新刊は『飽きる勇気』（講談社）。できるだけリモートワークにした最近、保護猫のパニータと遊ぶことが最高の癒し♡
撮影／佐藤 彩 スタイリスト・取材／大草直子 ※情報は2021年3月号掲載時のものです。