リモートワークのためのリフォーム「ホームシェアオフィス」の作り方
リモートワークの続く今、カオス化したLDKに頭を抱えるSTORYファミリーも多いのではないのでしょうか。目指すは「仕事や勉強がしやすいおうち」。スペースが狭くても、マンションでも。リフォームが今、参考になります。
★ Type1:小さく窓を作るのがポイントな〔個室派〕編
★ Type2:造作家具でジャストサイズに〔壁デスク派〕編
★ どのくらいの大きさがあればシェアオフィスを作れる?
★ リフォームまで……はという人には
★ 「広いLDK」にシェアオフィスができたら
<ご予算50万円〜>
リビングのど真ん中にある〝島オフィス〟は子どものオモチャも隠せて一石二鳥
星川邸 東京都練馬区4人家族(夫婦、6歳4歳の子供)2LDK 93㎡
住み慣れた実家がある同じマンション内の別室を購入し、スタイル工房(東京都杉並区成田西3-2-4-1F)にリフォームを依頼。お子さんが就学前のため、可変性プランを採用。
ワークスペースの一方の壁上部が開いており、通気性も考えられている。またオープン部分の一部は座った時にプライベート感が出る腰壁を造作。家族の気配をお互いに感じつつ、集中できるスペースは理想のカタチ。また玄関→シューズクローゼット→ウォークインクローゼット→リビングor子供部屋にアクセスでき、動線が良く考えられた作りのおうち。
<ご予算50万円〜>
壁があるだけで勉強もミーティングもお互いに集中!
宮本邸 神奈川県川崎市4人家族(夫婦、7歳3歳の子供)2LDK 81.65㎡
ご実家のマンション一室を受け継いでブルースタジオ(東京都中野区東中野1-55-4)にリノベを依頼。パブリックスペースを大きくとり、家族が感じられる空間に。
もともとは季節のお飾りや事務作業のために作った多目的スペースだったが、コロナ禍となりリモートワークにピッタリなスペースに。小さいながらも吊戸棚や天板下の引出しで収納力抜群、一人で作業するには十分な広さのスペースが確保できており、キッチンを挟んだ反対側にはスタディスペースで勉強する子供と相乗効果で集中できる。
★ Type1:小さく窓を作るのがポイントな〔個室派〕編
<ご予算60万円〜>
キッチンの横にも1.2帖ほどの極小スペース
キッチン横の空間を壁でしきり、ワークスペースを確保。仕切り壁には小さな窓を作り、隣のキッチンにいる奥様とコミュニケーションが取れる仕組み。また極小スペースに圧迫感を持たさないよう、リビングへと続くドアはスタイリッシュなガラスドアにし、工夫をこらし快適なスペースに。
夫婦2人、約70㎡、2LDK+WICのマンションをnuリノベーション(東京都渋谷区広尾1-7-20)に依頼。広いLDKはガラス扉を設置し圧迫感を排除。
<ご予算50万円〜>
リビングに小さな角部屋作っちゃいました!
LDKの一角を書斎部分に。ただ壁を設けて個室を作るだけでなく、室内窓は大きくとり、更に飾りではなく開閉可能。書斎内は書類を広げのびのび作業ができるように、デスクをL字型天板にして作業面積を十分確保! 家族の気配をかすかに感じつつ、自分の世界に程よく籠れるマイ空間を作った。
夫婦2人。71.82㎡、2LDK+WICのマンション。わずか1.6帖の書斎はスタイル工房に依頼。好みの雑貨や趣味のものを置けるように吊棚をつけ、デスク天板にはアルダー材を使用。木目が美しく経年変化が楽しめる木材と黒枠の窓の無機質感が調和し、つい長居してしまうそう。
<ご予算50万円〜>
本好き夫婦がDENを「ミニ図書館」に
キッチンの後ろに平行する形で作られた個室。もともと書籍をたくさん所有しており、その収納のために作ったこの部屋はまるで家にいながらにして図書室の雰囲気が。独特の本の香りを感じながら長いカウンターテーブルでのびのびと作業できるその環境はストレスとは無縁。つり棚下には細長い窓がありキッチンとの会話も。
3人家族(夫婦、子供2歳)81.12㎡のマンションを1LDK+書斎+小上がりスペースにリノベーション。全面に遮るものがない開放感のあるLDKに対して図書館の棚の一列を切り取ったような程よい閉塞感のある書斎を配置。スマサガ不動産(東京都渋谷区神宮前2-31-7-201)に依頼。
★ Type2:造作家具でジャストサイズに〔壁デスク派〕編
<ご予算25万円〜>
オシャレな壁面装飾にして〝見せる〟マイオフィス
リビングのインテリアを邪魔することなくしっくりと溶け込んだ素敵なワークスペース。壁一枚にはリズム感よく棚や吊戸棚(String®)を、サイドパネルにはフックで小物をかける事ができ便利。
夫婦2人、66.08㎡1LDK+WICのマンションをnuリノベーションに依頼して、北欧テイストのデザインに。光と風が通るマイオフィスは心からリラックスできる空間。
<ご予算35万円〜>
キッチン&ワークカウンターが一列に夫婦で作業同時進行可!
大きな壁一面の右側をキッチンの家電置き場と収納バックカウンター、その左側にはワークカウンター、という一体型デザイン。実はそれぞれのカウンターの高さを10㎝変えており、キッチン側は立って、ワーク側は座って作業するのにちょうどよい高さに設計。視覚化もでき、同じ壁面を使用しても棲み分け可能!
3人家族(夫婦、子供2歳)63.28㎡の1LDK+WIC+P。LDKにワークスペース、パントリー、インナーテラスも入れ込んだわがまま構成は、nuリノベーションに依頼。壁をうまく利用し狭さを感じることのないデザインで開放的な空間が完成した。
<ご予算18万円〜>
梁によるDENもうまく使えば心地よい空間に
DENスペースを、壁に造作棚、床には椅子代わりの収納ボックスを設置することにより、収納とワークスペースが一体となった明るく快適なブースができた。バルコニーに面した壁には細長く窓をとり、好きな写真や雑貨を置ける空間を持つことにより、限られた空間にも余裕が生まれる。
夫婦2人、土地11坪の小さな一軒家。バレッグス(東京都目黒区鷹番2‐5‐21)に依頼して、天井近くに窓を何カ所か設け、高い位置から採光をしっかりとり明るく快適な空間に仕上げた。
◯ ジャストサイズの家具を自分で調達してもいい!
壁の幅にぴったり合った家具を探して設置した例がこちら。まるでオーダーしたような設えに。まずは使えそうな壁のサイズを測ってみることからスタート(写真提供・スマサガ不動産)。
★ どのくらいの大きさがあればシェアオフィスを作れる?
NPO法人tadaima!
代表理事 三木智有さん
「10年後、20年後も〝ただいま!〟と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指してNPO起業。講演やコンサルティングを行っている、著書には最新刊『家事でモメない部屋づくり』。
「机と、各個人の収納があればファミリーシェアオフィスは成立します。壁に机と吊棚を設置するだけでもいいし、ニトリや無印で展開しているユニットシェルフを天井まで展開すれば壁代わりになって半個室化も可能です」。
その際に大切なのが個人ロッカーの存在だそう。「使った後は机をきれいにして他の人が使えるようにするには収納が決め手。これがないと誰かの占有になってしまいます」。
2人で使う最小サイズは下記の通り。
★ リフォームまで……はという人には
撮影/金子美由紀、広井一哉 取材・スタイリング/近藤由佳子 ※情報は2021年3月号掲載時のものです。