【元AKB48高橋みなみ】人とキャリアを比べて落ち込んだら自分が座る椅子を見つけよう
職場で、周りと自分を比べてしまうなんてことはありませんか? 1年目はあまり気にしてなかったことだけど、年次が上がるにつれて、気になり出す人もいるはず。普段仲良しのあのコも仕事となると話は別、なんてことも。たかみなさんのグループ時代の経験とアドバイスは…?
※この記事はJJ2017年11月号を再掲載したものです。年齢などはすべて当時のものとなります。
今月のお悩み
同期とキャリアを比べてしまいます。自分が会社からどのくらい必要とされているのか、同期より仕事ができないのではないか、など。本当は余計なことを考えず仕事に集中したいと思っています。周りの目を気にしすぎなのでしょうか。たかみなさんはグループ時代、他で活躍している仲間と自分を比べてしまったり焦ったりしたことはなかったですか? 同期に勝手に敵意を感じている私に何かアドバイスをお願いします!
(広告代理店勤務・27歳 K.Nさん)
自分の役割を見直す努力を怠らないで。一番近くにいる仲間は最強の味方になるはず
周りと比べているときって、見えない敵と戦っているイメージだと思います。そして自暴自棄になる悪循環の繰り返し。私もグループに入ってすぐのころは、立ち位置が下がってしまって自分自身を責めたこともありました。でも、振り返ると、当時はできたばかりのグループの意識を高めるために、そう考えるよう向けられていたんだろうなと思います。だから、私も立ち位置が変わったとき、そこで自分ができる役は何だろうと考えるようになりました。
自分の能力や役割について焦ったり落ち込むよりも、自分の座るべき椅子を見つけてみるのはいかがでしょうか。仕事をするうえで、空いているポジションを探してみるんです。みんなで働くということは、一種の椅子取りゲームのようなもの——自分の椅子を手に入れるまでは大変ですが、座った瞬間に役割を見つけることができて、やるべきことが明確になる——のだと思っています。
私の場合、それが「AKB48のリーダー(後に総監督)」という役目。前のリーダーが卒業した後、それまで彼女が担っていたライブ前のかけ声を私が代わりにかけたことがきっかけでした。私が前リーダーを慕っていたので「たかみな、やってみなよ」とメンバーが言ってくれたんです。偶然のできごとでしたが、すごくうれしかったのを覚えています。きっかけは些細なことでも、私は自分の役割を見つけ、確固たるものにするよう努力しました。
グループ時代は、若いメンバーほどハングリー精神を前面に出していたように思います。「人気が欲しい」「もっと注目を浴びたい!」って。でも、彼女たちに伝えたかったのは「自分は自分」ということ。なりたい自分や理想を持ち続けていれば、いつか自分がそこに近づけると思うんです。
モチベーションを保つこと、常に努力することは難しいと思います。さきほどお話したように、私は自分一人で消化するようにしていました。でも、やっぱり限界がきてしまうんです。それまでの私は誰かに頼るのが怖くて甘えることができず、キャパオーバーになっていました。そんなとき、近い存在こそ自分を支えてくれるものだと思います。同期って知らない間に強い仲間になっています。うまく付き合えば一番のパートナーになりうる。女子って群れたがって、その距離の近さが時に窮屈に感じることもあるけれど、お互い自立したうえでほどよい距離でいられれば、大変なときに一番自分を分かってくれる存在になると思います。
あなたのそばにいる存在を大切に、尊重し合えるもう一歩進んだ間柄になれるよう願っています!
イラスト/よこみねさやか 撮影/玉井俊行 ヘア・メーク/川嵜 瞳〈PEACE MONKEY〉 スタイリスト/黒田菜菜子 取材/角田枝里香