【40代の副業】育休中に見つけたのは、「親子の地域コミュニティ」づくり
★ 孤軍奮闘する〝孤育て〟から人との繫がりを求めて副業開始!
「笑顔が溢れる場づくりでみんながポジティブに」
小林 洋子さん(46歳・東京都在住)
NTT系企業のコンサルタント 兼「まちのおやこテーブル」運営
夫婦共に経営コンサルタントをしている小林洋子さん。’14年に副業として “まちのおやこテーブル”を始めたきっかけは2人目の育休でした。
「多忙な日々の中で授かった子ども達との時間は満喫して過ごすことができました。しかし育休中は家事育児に専念したため、このままの状態で復職することに不安が生じました。役割分担を変えるよう夫を説得するにもエネルギーがいる、両立しやすい仕事への転職や引っ越しも考えましたが、せっかく培った信頼を新しい職場で一から作り直すことや保育園探しなど別な問題もあり、考えるだけで疲れてしまいました」。
それでも何とかできないかと考えた時に「自分の気持ちさえ前向きになれたら状況は変わるのでは」と思った小林さん。
「自分は何を求めているのか、一人会議をしたんです。自分の気持ちを深掘りしたら、夜の交流会など外からの新しい刺激や出会いがある自分の時間が持てなくなり、『何で私ばかり』 と思う気持ちに気付いたんです」。
けれども「シッターに子ども達を預けてまでそういう時間を作るのは違う」と思ったそう。
「孤軍奮闘するより人との繫がりを求めていた私。でも自分のために子どもを犠牲にしたという罪悪感はしんどい。ならば親子で楽しめる 一挙両得できる地域コミュニティがあればいいと思いついたんです」。
「田舎では当たり前のことかもしれない子どもと大人が関わり合う暮らしを都会でも作れば、『孤育て』になりがちな子育てがもっと楽しくなるのでは」と、親子の地域コミュニティづくりを始めた小林さん。
「共感してくれたカフェを借りて、モンテッソーリ教育の先生と保育園の保護者と平日の夜、親子で気兼ねなく食卓を囲む場づくりから始めました。モンテッソーリ教育を参考に、子どもができる範囲のお手伝いを行い、大人と共に場づくりをしています」。
街で自然野菜を作っている農家の方の話を聞く場を設けるなど、地域に密着した活動も“大人と子どもの出会いと出番がある場”になっています。
「結果論ですが、やりたいことをしたら周りの人の喜びにも繫がり、 生きている実感が生まれました」。
未来の社会の在り方を考え、’18年にローカルベンチャーラボに参加。現在はNPO法人を設立するために準備中です。
「子どもにとって一番良いことは親や周りの大人が笑顔でいること。そして子どものやりたい気持ちを発揮できる出番を生活の中で作ること。子育てに対してもっとポジティブな社会を作り、次の世代に受け渡したいですね」。
撮影/BOCO 取材/孫 理奈 ※情報は2021年7月号掲載時のものです。