【専門医がアドバイス】40代の生理の変化

40代に入り、これまでと生理の際の経血の量や生理周期が変わってきたという人もいるのではないでしょうか。 なかなか他人には聞きづらい生理の変化について、起きる理由やすべきことをお聞きしました。

生理が変化するのは女性ホルモンの分泌量が減るため

40代に入り、経血の量が減ったり、生理のサイクルが以前よりも短くなったりするのは、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが減少するためです。エストロゲンの分泌は20~30代半ばをピークに緩やかに減少していきます。そもそも生理の経血は、エストロゲンによって、赤ちゃんのベッドとして厚くなった子宮内膜が、妊娠しない月に流れ出るもの。女性ホルモンの分泌量が少ないと、子宮内膜も薄くなるため、経血量も少なくなります。一方、排卵後から次の生理が始まるまでの期間(黄体期)には、妊娠を継続させるためのプロゲステロンが分泌されますが、この黄体ホルモンも40代以降は分泌量が減少してきます。そのため、排卵後から生理開始までの期間が短くなり、生理の日数も短くなります。

本来持つ卵巣機能を全うし適切な時期に閉経を迎えるためにできること

☑食事の栄養バランスを崩さない
☑ストレスをためない
☑適度な運動習慣
☑喫煙・受動喫煙を避ける

栄養バランスが悪いとエストロゲンの生成や卵巣機能が落ちてしまう原因に。ストレスは視床下部に負担をかけ、卵巣機能が低下します。また、適度な運動をして血流をよくすることも大事。喫煙は閉経時期を早めるとも報告されているので、避けましょう。

40代以降は年に1回経膣エコー検査を

40代以降は婦人科系の病気が増える時期なので、年に1回は経膣エコー検査を。毎年子宮頸がんの検査を受けている人も、経膣エコー検査をしてもらうようにしましょう。また、気になることがある場合は、 内診台に上がる前に医師に伝えるのがベストです。

こんなときは注意が必要

■経血の量が増える⇒子宮筋腫などが原因なことも
■不正出血⇒子宮体がんの可能性も

\高尾先生からの更年期に向けたアドバイス/

「生理がなくなることをさみしく感じる人もいるでしょう。でも、閉経後は生理のたびに揺さぶられることなく、好きなことに向かえる時期。生理が終わってからも人生はまだ半分も残っています。『いよいよ自分の時間が始まる』くらいの気持ちで、次の人生にポジティブに向き合っていけるといいですね」

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生理の周期を手軽に把握

「婦人科を受診する際には、最低でも2カ月分の生理周期の記録があるといいですね」(高尾先生)。専用のナイトブラにつけて寝るだけで、自動で女性特有の高温・低温期のリズムを測定し、アプリに自動転送。自動で生理周期を予測し記録したり、温度リズムを記録してくれて、自分の周期を把握することができます。わたしの温度® デバイス本体 ¥16,500、デ バイス本体・専用ナイトブラ1着 ¥19,250(ともにトッパン・フォームズ)

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「好きな香りでリラックスすることは、イライラや緊張感を解消するのに効果的です。高品質なエッセンシャルオイルがおすすめです」(高尾先生)

教えてくれたのは
イーク表参道 副院長 高尾美穗先生


産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案す る一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っている。

※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。

取材・文/須賀華子 編集/倉澤真由美 構成/長南真理恵

Mart2021年10月号
カラダの疑問に答えます 40代の生理の変化 より