【アートで共創教育 連載vol.1】デジタルアートは「インスタ映え」だけじゃなかった!

行ったことはあるけれど、ただ「きれい!」で終わってませんか? チームラボボーダレス――この新感覚ミュージアムが目指す「共創社会」について、子どもたちと一緒に考えてみます。

STORYライターが2人の子どもと再訪

ライターの東理恵です。STORYの読者さんたちであれば、既にチームラボボーダレスに訪れたことがある方は多いはず。私もそうでした。

でも、初めて行ったときは迫力のあるデジタルアートを前に、ただただ「きれい……」と舞い上がってしまい、スマホを片手に写メを撮りまくっていました。一緒に行った娘と息子も喜んで、はしゃぎまくってましたね。

そんなシンプルな感動はもちろん大事なのですが、一方でチームラボボーダレスが世の中に発信しているメッセージについては、あまり考えることなく終わってしまいました。

チームラボが目指している「アートによる自分と世界との関係の新たな認識」、「“共に生きる・共に創る”社会を考える未来の遊園地」……etc.とは一体どういうことなのか?

それを学ぶことで、世の中が大幅に変化しつつある今、子どもたちに問われている「対応力」「生き抜く力」「自由な発想・価値観」が養われていくのかもしれない……そんな思いもあって、3人で再訪してきました。

アートは自由。すべてのものにつながっている

入り口から中に入ると真っ暗。その先にはいくつもの道。他の美術館とは違って、順路なんかありません。人生と同じです。

さまよい 探索し 発見する。

「あなたたちは、どっちを選ぶ?」

自分で選択して決めて、進んでいくことの大切さを学びます。

先へ進むと、壁と床の全面に春夏秋冬の花が咲くスペースがありました。

「ママに花が咲いてるよ!」

親子3人がキャンバスの一部、アートの一部になり、

「僕にも咲いた!」

「私にも!」

自分が立っている場所に次々と花が咲き誇っていきます。
人は存在するだけでアートを作り出す。人とアートがつながっています。

そう。アートは<ボーダレス>。キャンバスや部屋で区切られているのではなく、すべてのものにつながっているんです。

こちらの作品は、「クリスタルワールド」。

縦にたくさんならんだクリスタルが、LEDの点の光の集合体により、さまざまな形に変化。雨や虹、時には館内中を飛び回る蝶が、まばゆい光の動きで再現されます。

そして、作品「人々のための岩に憑依する滝」にも蝶が来る。

「作品は別々じゃないね。つながってるんだね」

 作品の上に立ったり、作品に触れると自分が岩になり、水の流れが変わる。さらに、人の数や触れる場所で、作品が変わっていく。今、この瞬間の絵は二度と見ること、体験することができません。

岩のてっぺんに立ち、他の作品を超えて飛び回っているカラスに触れると、大きな花に!

「わかった? 鑑賞者にぶつかると散って花になるんだよ」

人が触れること、他者と関わることで何かが変わっていく。
その様子を見ていると、環境についても考えさせられます。

普段のモヤモヤが晴れて、私もなぜだかすっきりした気分になっていました。自分もアートのコントラストと一体になることで、心の変化もあるのかしら?
子どもたちも、前に訪れた時とはまた違うアート体験でキラキラした目に。

「ここも、ここも変わるよ! これを押すとどうなるの?」

カラフルな空間の中で、両手をいっぱいに広げて、時には背伸びをしながら花や蝶、動物に触れる。めくるめく変わる世界を実際に体験したことで、娘も息子も
笑顔いっぱいになっていました。

チームラボボーダレスは来年8月末に閉館・移転が決まっており、お台場では最後の冬限定イベントとして「お絵かきクリスマス」を実施中。子どもたちが自ら描いたサンタの絵や車、建物などが大きなスクリーンで走り回ったり、動き回ります。その絵を缶バッチやTシャツにして持ち帰ることができるエリアも。うちの子たちも早速バッジをつけて館内を遊んでました。

撮影/西 あかり 取材/東 理恵

森ビル デジタルアート ミュージアム : エプソン チームラボボーダレス 森ビル株式会社とアート集団・チームラボが共同で2018年6月から東京・お台場のパレットタウンで展開する「地図のないミュージアム」。10,000平方メートルの中に520台のコンピューターと470台のプロジェクターを駆使して、圧倒的なデジタルアートを繰り広げる。

https://borderless.teamlab.art/jp/
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