ペットロスから立ち直れません【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.21】

40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!

<PROFILE>

ジェーン・スーさん

コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『これでもいいのだ』。

HARUKOさん

モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。


~第21回~

★ ペットロスから立ち直れません

この9月に14年飼っていた犬が亡くなりました。家族のような存在で、最期はいつ発作が起こるかわからない状態だったので、仕事もやめて付き添い、夜も一緒に寝ていました。最期までしっかり見届けてあげられたと思ってはいて、葬儀もして、一度は気持ちが落ち着いたのですが、また最近になって、犬を見るだけでなく、コンビニでペットフードを見たりするだけでも、恥ずかしくなるほどドッと涙が出てとまりません。仕事もやめたので、家にいる時間が長く、思い出して辛い気持ちで沈んでしまいます。このままではいけないとわかっているのですが、どうすることもできません。(M.Sさん 46歳 東京都 主婦)

ジェーン・スーさん
ジェーン・スーさん
私も、高校生のときに犬を飼っていたので、気持ちはよく分かります。私は、それ以来、ペットを飼えなくなってしまいました。あれからもう30年もたったのですが、ようやく最近、また犬を飼ってもいいかなと思えるように。傷が癒えるのにはそれほど長い時間がかかったってことですよね。一方で、ペットロスは新しいペットでしか回復できないという人もいますよね。実際、 新しいペットを迎えたら、すごく元気になった人も知っています。飼わずに時間をかけて癒すか、新しいペットを飼うか、どちらからなのかな。それと、仕事は再開したほうがいいですよね。暇で、考える時間がたっぷりあるとそのことばかりに集中しちゃうから。
HARUKOさん
HARUKOさん
私も実家で犬を飼っていて、亡くなったときはすごく悲しかったけれど、家族で飼っていたというか、親が飼っていたという感じだったので、M.S.さんほど深刻ではなかったな。ペットと別れて、時間がしばらくたってから、実感が湧いてきちゃったんだろうね。でも、人間、生きていれば、誰だって、どうしようもない悲しみを経験することありますよね。例えば、親が亡くなるとか、男にフラれるとか、浮気されたとか。そのときって、自分が不幸のどん底で、自分がこの世で一番かわいそうで、泣いてばかりになってしまうもの。けれど、ちょっと俯瞰して自分を見てみれば、どんな悲しみもずっとは続かないし、時間が解決してくれる、っていうことに気が付くんじゃないのかな。ワンちゃんのことを考えるんじゃなくて、どうやってこの悲しみと向き合って、乗り越えるかを考えてみてほしい。
ジェーン・スーさん
ジェーン・スーさん
親を亡くしたときを思い出しても、そうですが、時間薬が一番効くんじゃないかな。あとは、自分を忙しくしておくのも大切。仕事が難しいなら、趣味でもお稽古事でもいいから。考えこむ時間を少なくするというのも手だと思います。

当連載は毎週金曜日配信です。
お二人に相談したいことを募集中です。storyweb@kobunsha.comまでメールでお送りください(お名前はイニシャル等匿名で掲載します)。採用された方にはQUOカードをプレゼントいたします。

撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美

STORY