【広末涼子さん連載vol.4】”諦めずに子どもにアプローチして欲しい”と私が思う理由

諦めずにアプローチしながらもママの負担は軽減して

1月号からスタートした広末涼子さんの連載「毎日が3兄弟ママで、女優」。
ここで取り上げた読者ママの悩みに対して、広末さんも一緒に考え、思うことを語っていただく、Junior STORY本誌連動企画です。

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2月号読者

ママの声①

子ども9歳 小松佳恵さん 41歳 主婦
「うるせーババア! 黙れ! いつも嫌なこと言いやがって!」と壁に押し付けられ、泣きながら発狂されることも。注意したいところは、褒めていいところを言ってから最後に話すようにしましたが、結局、「そっちが言いたいことだろ!」と突き返されるので、何も言わないことにしました。落ち着くまで辛抱強く待つしかないのかなと思っています。

ママの声②

子ども11歳 尾形香子さん 43歳 弁護士
親の言葉にはYES or NO程度でぶっきらぼうに返すのみ。親の注意や助言に対し顔をそらし不満気な態度をとる。つど、指摘してきたけれど、本人の自己肯定感が低くなりそうなので、悩みやストレスを抱えていそうな時は見守るようにはしています。ただ夫との考えが食い違うこともあり、その違いを埋める作業もストレスです。

子どもの反抗的な態度や言葉に、小松さんも尾形さんも、迷いながら試行錯誤しています。ママたちはみんな同じように頑張っているんだとすごく共感しました。私は、“辛抱強く見守る”という体制に着地せず、突き返されても諦めずにアプローチし続けて欲しいと思います。そう教えてくれたのは反抗期にあれほどまでに荒れた長男でした。2年前の母の日にくれた写真立てに書かれていたのは

「132,216時間5509日 15年お母さんでいてくれてありがとう」

この言葉で繰り返しコミュニケーションを取り続けたことが決して無意味で間違いではなかったと思えたのです。

反抗期には必ず終わりがくる! と、今苦しんでいるママたちにもう一度、強く伝えておきたいです。

反抗期に加えて、尾形さんの「夫との考え方の違いを埋める作業がストレス」というのも、頭が痛い問題ですよね。夫婦で教育方針が違うという悩み、実はあるあるで、私の周りでもとても多いです。

夫婦が同じ方向を向くのが理想だけど、そうではない場合でも実際に子どもと向き合っている時間が多いのは母親だから、夫は支えてくれたり、共感してくれたり、そんな姿勢でいてほしいと思ってしまいます。だからこそ旦那さんから全く違うことを言われると、負担がますます大きくなって辛いですよね。でも夫からすると母子の間で何が起きているのか知らないだけかもしれない。小さい頃は子どもの話を共有していたのに、母として子どもに全力で愛情を注いで、必死に反抗期の対応をして……。つい夫に話すのを後回しにしてしまい、妻の悩みを夫が知らないことって多いのかも。

私自身もここ数年、子どもと向かい合うのと同じくらい、夫婦の時間を持つことを大切にしなくてはと反省することが多くありました。久々に夫婦だけで買い物に行くとずっと子どもの話をしていて、こんなに話すことがあったんだと自分でも驚きました。シリアスな話しをする時間を持たなくても日常的に子どもの話をシェアすることは大切。それが反抗期の直接的な解決にならなかったとしても、ママの気持ちの中でのイライラが鎮まったり、負担が軽くなったり、それが必要なんだと思います。パパからのアプローチで子どももいつもと違う反応が出たりするかもしれないですしね。

母と子だけではなくて客観視してくれる存在も重要だと思います。

以前、長男が小5くらいの時、私に対する酷い態度を見た私の妹が「ママにそんな態度を取るなんて許さない!」と言って息子の肩を抑えたことがありました。それが私だったら、息子も抑えた手を払いのけられたのですが、母親じゃないから手を出せない。息子はそのことが悔しくて、まさに小松さんのお子さまのように泣きながら発狂する状態になったのです。反抗期の渦中の母と子だったら当たり前となっている状況に第三者が入ることで、息子も自分の態度が良くなかったと気付かされたみたいでした。当事者の私は蚊帳の外でしたが……(笑)。母と子の2人だけで解決しようせず、第三者が入ることで、違う扉が開くこともあるのかもしれません。

 

長男が小学校6年生の時に、二人旅をしたのもいい経験でした。反抗期真っ只中でしたが、4、5年生だと理解できないことも大人になりかけている今なら、色々なことを受け止めてくれるかもしれない。下の子もいない、かつ、生活の中ではない非日常で、次の日も一緒にいて、時間の制限がない環境でゆっくり話したかったので、旅行することにしました。長男が生まれた時の話、小さい頃の話、家族の歴史……。

二人だけでとことん話すことができたこの旅は、私と長男にとって、とても大切でかけがえのない時間だったように思います。

〈次回へつづく〉

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広末涼子 1980年高知県生まれ。14歳でデビュー後、CM、ドラマ、映画と数々のヒット作に出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。プライベートでは、高校生、小学生、幼稚園児と各世代3人の子ども達のママ。

文/広末涼子 撮影/鏑木 穣(SIGNO) ヘア・メーク/岡野瑞恵 スタイリスト/竹村はま子 取材/小仲志帆
【衣装クレジット】ニット¥46200

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