心が折れそうになった時に…「メンタルとフィジカルの疲れを取る」6つの方法

辛くても我慢して頑張るだけが困難を乗り越える方法ではありません。ストレスを華麗にスルーしながら、挫折を経験値に変えて、しなやかに令和の時代を生きていく心の強さが「レジリエンス」。ポキンと折れない柔軟な大人の心=レジリエンスについてご紹介します。

レジリエンス=「折れない心」を身につける方法は?

レジリエンスを身につけるために重要なのは考え方の変換。でもその前に、体の疲れをとり良好な状態に整えることが大前提。フィジカル→メンタルの順で自分を整えていきましょう。

とにかく「疲れ」をとる!フィジカルの改善が大前提

    レジリエンスを身につけるために

    何はなくとも寝る!できれば8時間以上が理想
    心身の休養はうつの特効薬。まずは8時間以上の睡眠を毎日とることを心がけて。疲れがたまっているプチうつの人はできれば1週間、難しければ土日を含め3~4日、それも難しければ2日間の休みを「今すぐ」とってください。体の疲労を甘く見ないことが大切です。

    レジリエンスを身につけるために

    エネルギー低下は× しっかり食べてアルコールは控えめに
    体力の低下が心の疲れにも影響するのでしっかり栄養をとることは大切。またアルコールは睡眠の質を劇的に低下させるので、特に入眠前は避けて。かわりにホットミルクやカモミールティーなどがおすすめです。アルコールを飲む場合は、寝る4時間前までに飲み終えましょう。

    レジリエンスを身につけるために

    楽な姿勢で腹式呼吸を20回 気づいた時にぜひ実行を
    自律神経を整えることにもつながり、緊張した頭をほぐすことができるのが呼吸。おすすめは(1)胸、肩、首の力を抜く(2)お腹に手を当てる(3)お腹が呼吸で動いていることを確認しながらリラックスした状態で2分間、約20回の腹式呼吸。1日3回、深呼吸をするだけでもOKです。

いつもの考え方を変えることで「折れない心」に近づける

    レジリエンスを身につけるために

    疲れている時は「うっすら楽しむ」ことが大切です
    動画を見る、料理を作って食べる、少し部屋を片付ける、DIY、音楽を聴く、アロマ、マッサージに行く、近くの公園に行くなど、一人でできて緊張感が少ない「癒やし系」のストレス解消法が効果的です。旅行やスポーツなどの「はしゃぎ系」は余計に疲れるので今はやめておいて。

    レジリエンスを身につけるために

    「心の大ケガ」をしないためにはリスクから早めの撤退を
    心の大ケガをする前にストレスから逃げることで、辛い経験がレジリエンスに変わります。あと3カ月頑張ろう、あと半年、あと1年…と引き延ばすうちに燃え尽きてしまい、ポキンと心が折れてトラウマになってしまう人がとても多いです。そうなる前に早めに撤退することが大事!

    レジリエンスを身につけるために

    映画や小説の中の「挫折」を自分事としてシミュレーション
    映画や小説の登場人物をみて、もし自分がこんなふうに挫折していたらどうするかをシミュレーションする、「心の防災訓練」をやってみましょう。登場人物を自分に置き換えながら、挫折を乗り越える姿をヒントにして心の「受け身」のバリエーションを増やすのが意外と効果的。

答えてくれたのは...

下園壮太さん 陸上自衛隊初の心

下園壮太さん
陸上自衛隊初の心理幹部として自衛隊員のメンタルヘルス教育、カウンセリングを担当。退官後は心理カウンセラーとして講演や研修を行いメディアでも活躍。最新刊『とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたらいいですか?』も好評。

イラスト/松元まり子 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc