廃棄寸前のLevi’ s 501 が生まれ変わるまでのストーリー
今の時代にブランドディレクターとして生きるには、『サステナブル』や『SDGs』というワードを無視することはできない。ファッションブランド『NEROLI(ネロリ)』のディレクターを務める藤井夏恋が、「自分にもできること」として形にしたのが『One-o-Five DENIM TOKYO』のコラボアイテムの製作だった。
リメイクは一点もの。だからこそ特別な存在
『One-o-Five DENIM TOKYO』は、廃棄寸前のLevi’s 501を甦らせるブランド。本国である米国のLevi’sからも承認を得ており、リメイクアイテムを展開している。そして今回NEROLIがコラボして形にしたのが『Denim belt combination tulle skirt』。Levi’s 501を使用したデニムベルト付きのチュールスカートで、たっぷりのチュールを使用したボディの広がりは女性らしさや可愛らしさ、華やかさを演出しつつも、デニムベルトで程よくカジュアルダウンしてくれるアイテム。
「取り外しができるから着回しがたくさんできるのもポイント。でも何よりリメイクだからこそ、2つとして同じものはこの世界にない。そこが特別なアイテムです」と、唯一無二なスカートであることを強くアピール。
サステナブル×ファッション、自分にできることを探した結果
すでにある物を活かすことで、魅力あるアイテムが誕生するのはとても素敵な取り組み。このアイテムを通じて、夏恋は人間も服も、唯一無二であること、オリジナリティを持つことの魅力を伝えてくれた。
人前に出る者として、少しでもできることを考えた結果が『Denim belt combination tulle skirt』。発信者としてサステナブルを意識することの重要性は認識しつつも、奥の深い問題だからこそ軽い気持ちで話すこともできない。「私はそこまで知識がないし、本当にもっとサステナブルを考えるならいろんな場所にも足を運ぶ必要があると思っています。今はコロナの問題で工場などを見にいくこともできないけど、落ち着いたらちゃんと自分の目で見たい」
捨てられる寸前だった物を活かして、自分の世界観へ落とし込み、新たな付加価値をつけて発信する。地球には廃棄予定のものが大量にあると言われる今、そのアイテム自体が、環境・社会問題としっかり向き合ったサステナブルな取り組みに違いない。『Denim belt combination tulle skirt』は彼女にしかできない新たな表現であり、発信方法だった。
TOPS & SKIRT:NEROLI
撮影/佐々木大輔<SIGNO> ヘアメイク/KATO<TRON> スタイリング/阿部絵莉香 取材/石津愛子 編集/岩谷 大