【息子2人が東大に進学】「レジリエンス」=「立ち直る力」について考えたい

【お母さんが変われば子供が変わる⑩】

STORY[ストーリィ]

こんにちは。子育てスマイルナビゲーターのたかみほです。

前回の記事では、

・小学校入学式の時の親としての気持ちは?
・兄弟の生活環境が違う場合の対応は?
・宿題が出ても、やるべき宿題を学校に置き忘れて帰宅する
・忘れ物をよくする子

をお伝えさせていただきました。

今回は「レジリエンス」=「立ち直る力」をテーマに、お話しさせていただきます。


● レジリエンスとは?

レジリエンスについて、ウキペデイアで調べると、

レジリエンス(resilience)は、元々はストレス(stress)とともに物理学の用語であった。 ストレスは「外力による歪み」を意味し、レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われ始め、精神医学では、ボナノが2004年に述べた「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」という定義が用いられることが多い。

と書かれています。

弾力性の高いゴムのボールは、押しつぶしてもすぐに元に戻ります。強風で大きくしなった竹は、折れることなく、またすくっと立ち戻ります。

レジリエンス=立ち直る力。

「レジリエンス」は、もともと人間に備わっている力なのですが、そのレジリエンスの働きが弱くなっている子どもたちが年々増えてきているように思います。

子どもたちがこれから生きていく世の中は、加速度的に変化が大きくなっていきます。その変化に合わせて、子どもたちはストレスに負けず、柔軟にしなやかに未来を生きていくことができるのか、が心配になります。

子どもが、この「立ち直る力」を高めるためには、どのようにしたらよいでしょうか? 言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士の湯汲英史さんは、

幼少からの子どもの発達を意識した子育てをすること。「レジリエンス」を意識した子育てをしていくこと、が重要であり、子どもが「立ち直ってまた頑張ろう」と気持ちを切り替えていける力を身につけさせることである。

と述べております。

※他にも、湯汲英史さんの書かれた子どもの発達に応じた関わり方を紹介した書籍も多数ありますので、参考にしてください。

● 「レジリエンス=立ち直る力」を身につける子育てが大切

STORY[ストーリィ]

人は、さまざまなことを経験をしながら大人になっていきます。経験の中で味わった「失敗」とそこから「立ち直る力」を何度も繰り返して、様々なことを得た経験が、人生の財産となります。

前述した湯汲 英史さんのおっしゃる通り、変化に柔軟に対応しながら未来を作っていく子どもたちを育てるには、幼少からの子どもの発達を意識した子育てをすること、特に「レジリエンス=立ち直る力」を育てていく。「立ち直ってまた頑張ろう」と思う力を身につけることーーーこれこそが、これから求められていく子育てではないでしょうか?

ひと昔前は、親や先生に怒られたりする子育てが当たり前でした。今は、親の子どもへの叱り方が下手だったり、怒っても子どもに響かなかったり、また繊細なお子さんもいたりして、どのような対応をしたらよいのか悩む状況が多くなってきています。

● レジリエンスを意識した子育てについて

1. 褒め言葉を上手に探す
2. 子どもを伸ばす上手な怒り方を意識する
 怒られてもすぐに立ち直れる力が身につく
3. 体験活動の機会を多くし、「失敗」とそこから「立ち直る力」を何度も繰り返していく
4. 常に子どもに考えさせる

こんなことを意識した子育てをしてみてください。

子どもが小さいうちから、たくさんの体験活動の機会を増やしてあげて、しなやかな心を作ってあげてほしいと思います。

● 特に、「叱り方」には要注意です!

叱り方の上手な方法は?

1. 今、目の前の事柄だけに対して叱る
2. 具体的な言葉で、やってほしい行動を肯定形にして伝える
3. 「誰のせい?」ではなく、「どうすればいいか?」に思考を切り替えさせる

● 気持ちを切り替えるスイッチ

「気持ちを切り替えるスイッチ」。これも大切で、嫌な経験をした時はいつまでもそのことを長引かせずに、このスイッチを使うことをお勧めします。

中学受験や大学受験を経験した息子たちのことを思い出しても、受験が近くなるにつれ、模擬試験を受ける回数がどんどん多くなっていき、その都度の結果がいつも良いわけではなく、上がったり下がったりでした。その状況を「気持ちを切り替えるスイッチ」を使って、うまくコントロールしていかなければ、乗り切ることができなかったのではないかと思います。

「嫌なことがあって、そのことが頭から離れず、ずっと色々考えてしまう」と、気持ちをうまく切り替えられない悩みについてよく耳にします。

いくら考えても堂々巡りになってしまうので、そのような時は「思い切って早く寝てしまう。翌朝を迎えて気持ちをリセットさせる」これが手っ取り早い方法として、お勧めの解決方法です。

――――――――――――――――――――

昨年の10月頃に、『【小学生で】体験活動の機会を増やす→【高校生で】自尊感情、外向性、レジリエンスが鍛えられる』というタイトルの記事を、自身のnoteブログに書きました。

●ストレスを受けた時に「立ち直る力」は必要
●新しいことに興味を持つ、自分の感情を調整する、将来に対して前向き

こちらでも、レジリエンスのことを述べております。ぜひご覧ください。
https://note.com/takasemiho/n/n13bb5b593622


次回の連載も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

たかみほ(たかせみほ)

子育てスマイルナビゲーター 1968年生まれ。共立女子大学文芸学部卒業後、航空会社のグランドスタッフに。結婚後、長男が小4、次男が小2の時に夫と別居。2年間の調停の後に離婚成立。シングルマザーとして働きながら、子供たちを中高一貫校へ。その後、2人ともに東京大学理科一類へ現役合格を果たす。著書に『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』(徳間書店) Noteブログ https://note.com/takasemiho

こちらの記事もおすすめ!

・小児脳 科学者に聞きました。早熟な今の子どものために親が心がけることとは?
・不登校は克服できます――5月号「全然ありです。勇気を出して『不登校』」を担当して by ライター竹永久美子
・第38回 親が成長する子育て【最終回】

STORY