ダイエットのチートデイとは|正しいやり方・頻度と注意点を解説
SNSなどでさまざまなダイエット方法が紹介されており、そのなかでもチートデイに興味をもつ人も多いのではないでしょうか?
「たくさん食べてもいい日」といわれるチートデイですが、ダイエット中なのに好きなものを食べると、太ってしまうのではないかと不安ですよね。ほかにも「どれくらいの頻度で行えばいいのか」「何を食べればよいのか」と疑問はいっぱいです。
そこで今回は、チートデイの意味、行う頻度やタイミングについて紹介します。
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チートデイの意味とは?
チートデイとは、減量中にあえて食事量を増やす日のことです。
本来チートデイは、ボディビルダーのように高強度で鍛えている人が取り入れている方法ですが、最近ではダイエットをする人が「好きなものを食べてもよい日」と認識して広まっています。
チートデイを行い「やせた!」という人がいる一方で、チートデイの効果は医学的、科学的に証明されていません。そのため、ダイエットの方法として必ず実践したほうがよいとはいえないのが現状です。
ただし、停滞期を乗り越え、モチベーションを保つために、食事制限をやめて好きなものを食べる日をつくるのもよいでしょう。
チートデイの目的
チートデイのおもな目的は、食事量を増やして代謝を上げ、体重を減らすスピードを上げることです。
食事制限をすると体脂肪は落ちますが、ホルモンバランスに変化が起こり、体は生命を維持するために代謝を落とそうとします。そうすると体は、できるだけエネルギーを使わないようになり、脂肪を溜め込もうとするため停滞期が訪れます。
チートデイで食事量を増やしエネルギーを摂取すると、崩れたホルモンバランスは元通りになり代謝が上がるため、停滞期を乗り越えられる可能性があるのです。
正しいダイエットを続けていれば、2週間程度で停滞期を抜けられることは多いです。ただ、体重が減りづらくなりしんどいとき、気分転換を目的にチートデイを取り入れてもよいでしょう。
効果を得やすいチートデイの頻度・タイミング
体の状態やダイエットの目的は人それぞれ異なるため「◯日に1回」のように具体的な頻度や決まった方法はありません。まずは、目的に合わせて2パターンから選択して自分に合うタイミングを見つけてみるとよいでしょう。
1.1週間程度体重の変化がないとき(停滞期)
2.週末など、自分で決めたタイミングで行う(気分転換)
普段から食事制限を行っていることが前提ですが、週2回までであれば好きなものを食べてリフレッシュしてもよいでしょう。
ただし、チートデイだからといって好きなものを好きなだけ食べるのではなく、摂取する栄養素や食べ物の種類を意識することが大切です。
チートデイを実施するときのルール
ダイエットを失敗しないために知っておきたい、チートデイのルールを紹介します。
チートデイ以外の日はきちんと食事制限を行う
普段から食事制限を行っていなければ、チートデイを取り入れても「ただ食べすぎた日」になります。食事制限をしていない状態で週2回以上チートデイを行うと、体重が増加する可能性が高いため、頻度には注意してくださいね。
チートデイ以外の日は、カロリーを計算したり栄養バランスがとれた食事をしたりと、食事制限を続けましょう!
計画的にチートデイを行う
チートデイを実施する際は、ルールを自分で決めて行うのがいいでしょう。
チートデイの方法は人により異なり正解がないため、行う日数や頻度は異なります。自分で決めたルールを守り、計画的に行うことが成功のポイントです。
食事制限のストレスで食欲を我慢しきれなくなったなど、衝動的にチートデイを行うのはNG。期待できる効果が得られずダイエットが失敗する原因となってしまいます。
たとえば「◯日間体重に変化がないときは、チートデイを実施する」など、明確なマイルールをつくってみてください。そうすれば、チートデイが原因となるダイエット失敗の可能性を減らせるでしょう。
チートデイ当日と前後の食事は何を食べればいいの?
チートデイはタイミングと頻度以外にも、何を食べるかも大切なポイントです。
食事制限による停滞期から抜け出すためには、食事を摂り栄養が足りていることを体に伝える必要があります。
「好きなものを食べてよい日」ではありますが、食べたほうがよいもの、避けたほうがよいものを知っておくと、チートデイの効果を実感しやすいでしょう。
チートデイ前の食事メニュー
チートデイを行う前に特別な準備をする必要はありませんが、普段から食事制限をしていることが前提です。
摂取カロリーを控え、タンパク質やビタミン、食物繊維をバランスよく摂取しながらダイエットを行ってください。
チートデイ当日におすすめの食べ物
脂質を多く含む高カロリーの食べ物よりも、炭水化物が多いものがおすすめです。チートデイを実践するときは、以下のポイントに気をつけましょう。
・炭水化物を増やすときは、パンよりご飯を増やす
・スイーツはケーキやプリンなどの洋菓子より、比較的脂質が少ない大福などの和菓子を選ぶ
「好きなものを食べる日」ですが、脂質は控えめにして体に必要な栄養をしっかり摂取しましょう。
チートデイの総摂取カロリーは、体重を維持できるエネルギー量35kcal/kgから5~10%の増量にとどめておきましょう。体重50kgの人であれば、約1,800~2,000kcalを目安に食事をしてみてください。
チートデイ後の食事メニュー
チートデイのあとの食事は、食べすぎをリセットするメニューを心がけましょう。おもに「カリウム」「ビタミンB群」「食物繊維」「タンパク質」4つの栄養素を積極的に摂取する食事がおすすめです。
「カリウム」は塩分の排出を促す栄養素で、野菜であればトマトやきゅうり、果物はバナナやキウイ、グレープフルーツ、大豆製品には豆乳に多く含まれています。カリウムには摂りすぎた塩分(ナトリウム)を排出する効果があり、むくみ解消に効果的です。
「ビタミンB群」は代謝を上げる栄養素で、8種類の栄養素をまとめて「ビタミンB群」といいます。大豆製品であれば納豆や豆乳、乳製品ならヨーグルトや牛乳に多く含まれています。タンパク質や脂質、糖質をエネルギーに変えるサポートをするため、ダイエット中は特に摂取を意識したい栄養素です。
食物繊維は老廃物の排泄を促す効果が期待できる栄養素で、きのこ類や海藻類、野菜から摂取することができます。
タンパク質は筋肉などをつくる重要な栄養素のため、肉類や魚類、卵もしっかりと食べるように心がけてくださいね。
チートデイ後の食事は、通常のダイエット中と同じように、3食バランスよく食べることと水分摂取を意識して行いましょう。リセットが目的であるため、間食は控えてくださいね。
ダイエットでチートデイをつくるメリット
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チートデイのメリットは、停滞期を抜け出せる可能性があることや、ストレス解消につながる点です。
正しい方法でチートデイを行うと、体によい影響を与えてくれるでしょう。
停滞期を抜け出せる可能性がある
チートデイにより落ちた代謝を戻し、停滞期を抜け出すきっかけをつくれることはダイエッターにとって大きなメリットです。
ある程度ルールを守らなければなりませんが、チートデイをきっかけに体重が減れば、ダイエットを諦めないで続けられるかもしれません。
停滞期が続き挫折しそうになっていた人は、チートデイがよい影響をもたらしてくれる可能性があります。
お腹が満たされることによるストレス解消
チートデイを行うことで、食事制限によるストレス解消が期待できます。
食事制限を続けていると、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が増加します。そうすると体は脂肪を溜め込みやすい状態になりますが、チートデイを設けることでストレス状態の緩和につながるのです。
また、お腹を満たすことがモチベーション維持につながるのであれば、チートデイがダイエットの味方になるでしょう。
ダイエットでチートデイをつくるデメリット
正しい方法でチートデイを行わなければ、ダイエットの効果は期待できないかもしれません。
チートデイを実施する前に、デメリットも把握をしておきましょう。
正しい方法で行わなければ逆効果
チートデイをスイーツや揚げ物などなんでも食べてよい日とすると、代謝が上がらずカロリーや脂質の摂取量だけが増えてしまい、ダイエット失敗になりかねません。
チートデイを実施するのであれば、普段から食事制限を行いチートデイ後は食事を制限する生活に戻すことが重要です。
そしてダイエット中と同様に、栄養バランスを考えたうえでチートデイを実践しましょう。
食欲のスイッチが入る可能性がある
チートデイにより食欲が増し、翌日からの食事制限がチートデイ以前よりつらくなったり、歯止めが利かなくなったりした結果、ダイエットが失敗に終わる……というパターンは少なくありません。
チートデイは、これからもダイエットを続けることを前提に、停滞期を抜け出すきっかけづくりや、気分転換を目的として行うとよいでしょう。
食欲のスイッチが入ることが不安であれば、しっかり一人前の食事を摂る日をつくったり、少しだけおやつを食べてもよい日を設けたりする日を「チートデイ」にすれば、ダイエットを失敗するほど食欲が止まらない事態は防げそうです。
まとめ
チートデイは停滞期を迎えたタイミングで行うものであり、高頻度で行うとダイエット失敗になりかねません。
本来チートデイは、高強度のトレーニングを行っている食事制限上級者が行うものです。そのため、「お腹いっぱい好きなものが食べられるから」と安易に行わないほうがよいケースもあります。
ただし、食事内容に気をつけながらチートデイを行えば、お腹を満たし食事制限のストレスを解消できるため、ダイエットのモチベーションを維持できるでしょう。
チートデイは、あくまでダイエットを続けている日々のなかの1日です。自分で決めた「チートデイのルール」を守りながら、ダイエットをがんばりましょう♡
教えてくれたのは……LIGHT CLINIC副院長 吹田春佳さん
30年、50年先の健康を見据えた肥満治療普及を目指してダイエット専門クリニックLIGHT CLINIC(ライトクリニック)を立ち上げる。健康的にダイエットができるよう、内服治療の相談、ダイエット施術から食事・運動指導まで、ダイエットのトータルサポートを提供している。
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Text_Ayumi