夫婦最大の危機を乗り越えられたのは、いらないプライドや偏見を捨てられたから
会社の倒産、リストラ、心身の不調などは、いつ誰に起こっても不思議ではありません。もし、最愛のパートナーの身にそれが起きたら、あなたならどうしますか?
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鶴賀奈穂乃さん(46歳・東京都在住) ㈱フリーライフ 代表取締役、羽化する女性のコミュニティUKA プレジデント
〝夫が稼がない〟ことを問題とせずに
目の前のことに目を向ける。
夫婦仲も夫の仕事も順調になりました
目の前のことに目を向ける。
夫婦仲も夫の仕事も順調になりました
グアムでレストランを経営する男性と結婚した鶴賀奈穂乃さん。子どもが生まれたことをきっかけに、結婚生活9年目で一家は帰国することに。「夫は帰国前から転職活動を始めました。日本では10年もブランクがあったせいか内定をもらえず、知り合いの厚意で広告代理店でアルバイトとして働きました」。
しかしそのアルバイトも3カ月で辞めることになり、突然収入を絶たれた一家。鶴賀さんも保活がうまくいかず、転職活動に苦戦していました。「どうしようもなくなり、仕方なく経営者だった父に相談しました」。
父親の助言もあり、会社を設立することになった鶴賀さん夫婦。「事業内容は未定でしたが、私はグアムでフォトグラファーとしてビジネスを成功させた経験があったので、根拠のない自信があって。夫のやる気に火を付けるにはどうしたらいいか、アイデアを出して前に進むことを考えていました」。
しかし口だけで行動が伴わない夫に、不満が募ります。「お金がないのに何もやらず、家族のことをどう思っているのかと。夫婦仲は最悪で、離婚も考えました。今思えば当時の夫は鬱状態。転職活動の失敗で自尊心が傷ついていたと思います」。
コーチングの存在を知った鶴賀さんは、一緒に学ぼうと夫を誘います。「3カ月かけて夫を説得しました。1人で学んだら夫に愛想尽かしてしまう、という根拠のない直感があって(笑) 離婚も考えていた夫を必死に説得したのは、一緒にいたいという気持ちが強かったんでしょうね」。
お金を工面して夫婦でコーチングを学び、鶴賀さんは女性向けのコーチングを軸とした事業を始めます。鶴賀さんの収入が先に安定すると、新たな問題に目がいくように。「生活するためのお金は解決できましたが、夫が稼いでいないことを不満に思っていました。誰が稼いでいると思ってるの、と夫を責めたこともあります」。
夫に収入が入るまで時間を要したのは、自分も原因の一つではと振り返ります。鶴賀さんは考えを改め、目の前のことに感謝していこうと決心。「夫の無収入を問題と思っている間は、その悩みが存在し続けます。自分が喜びを感じられることに目を向けるようにすると、夫の収入が気にならなくなっていき、自然に問題がなくなっていきました」。
考え方を改めると夫婦仲が良くなっていき、そのタイミングで夫の売り上げが上がっていきました。「ものの見方を変えるだけで、世界がガラッと変わることを実感しました。自分の人生の舵は自分で取れるんですよね」。
2人で当時を振り返り、「あの時があって良かったね、と話しています。いらないプライドや偏見を捨てられたからこそ、危機を乗り越えられました」(鶴賀さん)
撮影/BOCO 取材/星 花絵 ※情報は2022年7月号掲載時のものです。
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