広末涼子さん「今、学校任せじゃいられない性教育。では、家庭でいつから、どう教える……!?」

高校生、小学生の3人の子どもを育てながら、女優としても輝きを放つ広末涼子さん。毎月〝思春期ママ〟たちと思いを共有する場となる連載エッセイ。今月は、難題「性教育」をテーマに語ります。

▼前回の連載は
広末涼子さんのママエッセイ「そもそも、私たちが目指すべきは本当に”両立”……!?」

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日本の性教育は世界に遅れをとっているからこそ、親も学ばなくちゃ!

皆さんは、日本の性教育が遅れているな……と感じたことはありませんか? 私がそう気付かされたのは長男が小学校に入った頃。

初めて、〝性〟に関する親向けの教育懇談会に参加した時でした。私自身、妹と二人姉妹で育ってきたので男の子を育てる上で知らないことが多過ぎて、当時、今更ながら母親として男子の性の発達にどう向き合いどう対応していくのか?を学ばなくては! と思ったのがきっかけ。

案の定、聞いたことのないワードや目から鱗の情報の多さに正直戸惑い、教懇の時間内では心の整理も脳内の収拾もつかず、結局、そこから先輩ママたちとお茶することに。カフェで2~3時間、男子のカラダのことやママさん方が経験したこと、気を付けたらいいことやこれから訪れるだろう変化について…etc.。とにかくたくさん聞いて、私が〝心構え〟したことを覚えている。

そこを出発点に、私の親子間での性教育は始まった。学校を通じて、私も改めて性教育の大切さを感じ、息子も自然と〝性〟について学べる時間を早い段階から与えてもらったことに感謝している。そのおかげで彼の思春期にも当たり前のこととして〝性〟の話しができたし、彼が留学する時には、親としてきちんと伝えなくてはいけない〝SEXとドラッグ〟のことも、何の抵抗感もなく親子間で話しができた。

そして今、あの頃よりも動揺や不安もなく、3人目の下の子にプライベートゾーンの大切さや出産の話も始めている。

私たちや自分の親世代の性教育は閉鎖的で、男女によって授業内容を分ける等、偏見や矛盾だらけだったように思う。それにより昔の人たちは、「教わらなくても、成長するにつれて覚えるものだ」とか、「人前で口にすべきではない」「SEXの話は結婚後で大丈夫」などという誤った価値観が植えつけられてしまっているのではないだろうか?

「早いうちから教えると、性に興味を持ってしまう」と言う人もいるけれど、〝性〟に興味を持つことは自然なことで当然のこと。きちんと知ることで、性暴力の予防や性被害の防止にも繋がるのではないだろうか。そして子育て世代のママたちにとっても、きっと性教育の発展や進歩は助けになると同時に、役立つはずだと私は思う。

日本の学習指導要領では「はどめ規定」があり、発育・発達に関する授業内容も取り扱いにセンシティブになってしまう部分もあるのだと思う。けれどこれだけ情報も氾濫し、子どもたちにとって知る機会が増えているSNS時代、私たちは、アメリカでのOPENな性教育やオランダの性教育の教材の豊かさ、プログラムの作成そして〝セクソロジー〟に学ぶところは多いと私は思う。

とはいえ、今自分の子どもを通わせている学校に性教育の普及をアプローチすることや、ましてや国全体の体制を変えていくことは、私たちママにはハードルが高い(そう考える人が大半だと思う)。だから、まず〝家庭〟からではないだろうか。もちろん〝親子〟からでもいい。

、息子と娘と、ちゃんと向き合って恥ずかしがらず、〝性〟の話をしてみよう。それが大事な一歩! だと思います。

追伸
何から話していいか、わからない……自分の認識・知識に自信がない……という人は、助けてくれる本や教材も(子どもの年齢に合わせた絵本やアニメーションなども)たくさんあります。まずはそれに頼ってみたり、そこから始めるのも、いいかもしれないですよ。

〈次回へつづく〉

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広末涼子

1980年高知県生まれ。14歳でデビュー後、CM、ドラマ、映画と数々のヒット作に出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。初の書き下ろしエッセイ『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)発売中。出演映画「あちらにいる鬼」が11月11日公開。

モデル&文/広末涼子 撮影/赤尾昌則(White STOUT) ヘア・メーク/MAKI スタイリスト/竹村はま子 取材/奥村千草 ※情報は2022年11月号掲載時のものです。
【衣装クレジット】ニット¥42,900(ハーヴェル スタジオ)パンツ¥24,200(アンド アールシー/カレンソロジー青山)ピアス¥8,800(ツル バイ マリコ オイカワ)

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