更年期?ストレス?【胃もたれ】の原因と対策

40代になって胃もたれしやすくなったと感じていませんか? 何歳になっても、揚げ物やラーメンなどのこってりしたものを食べたいという方は多いと思います。なぜ、歳を取ると脂っこいものを体が受け付けなくなるのでしょうか。今回は胃もたれの対処法についてご紹介します。

▼あわせて読みたい
40代の不調はたいてい「胃」のせい!

 

1:胃もたれってどんな症状?

胃もたれとは、食べ物の消化が遅いときに感じる不快感の総称で、症状は人によってそれぞれ違います。症状の例としては、「胃がむかむかする」「胃が重く感じる」「胃が膨張している感じがする」などです。また、胃もたれと類似した症状として「胸やけ」も。胸やけの症状は、みぞおち付近から喉にかけて生じるジリジリとした不快感が特徴で、胃から内容物が逆流して食道が炎症を起こすことにより症状があらわれます。

2:胃もたれしやすくなる原因とは

では、なぜ胃もたれが起きるのでしょうか。原因は大きく二つあります。

①自律神経の乱れ

胃もたれしやすくなる原因のひとつが、自律神経の乱れです。日々の生活でストレスを感じたり、更年期症状でホルモンバランスが崩れることで、自律神経が乱れてしまいます。自律神経は体の様々な機能をコントロールしており、胃の働きもコントロールしているので、これを整えることがとても大切だといえるでしょう。

②ライフイベントに伴う精神的なストレス

特に40代〜50代の方は、仕事や家庭環境に変化が起こりやすい年代。ライフイベントに伴ってストレスがかかりやすくなり、それが胃もたれの原因となることもあるため、注意が必要です。

3: 胃もたれを防ぐ対策

更年期の胃もたれに効く対策4つをご紹介します。

①腹八分目を意識する

まず大切なのは食べ過ぎないことです。「お腹いっぱい! 」と感じるまで食べないようにしましょう。目安としては「もう少し食べたいな」と感じるくらいが腹八分目とされています。物足りないと感じてしまうかもしれませんが、実は満腹中枢が刺激されるのは、食事を始めて15分以上経過してから。早食いをせずに15分以上かけながらゆっくり食事を摂ると、食べ過ぎを防ぐことができます。

②水溶性食物繊維をできるだけ摂る

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がありますが、胃もたれの対策には水溶性食物繊維がおすすめです。りんご・バナナ・わかめ・こんにゃくなどに含まれている水溶性食物繊維は、胃に優しい食物繊維でゲル状になるため、胃から腸への食べ物の移動を緩やかにしてくれる効果があります。一方の不溶性食物繊維はごぼう・大根・きのこなどに含まれるものです。消化管内でかさを増し、便の量を増加させることで便の排出を促す効果がありますが、消化に時間がかかるため胃もたれの対策には向いていません。

③適度に運動をする

適度な運動も胃もたれ対策に効果的です。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、普段これらがうまくバランスを保っています。しかし、交感神経の活動が活発になり過ぎると副交感神経がうまく活動できず、バランスが乱れてしまいます。適度な運動をすることで、交感神経が優位になり、運動後はゆっくりと副交感神経を呼び戻すことができるため、運動は自律神経の調整に効果的といえるでしょう。

④漢方薬を飲む

根本から胃もたれを改善したい方や、運動が苦手な方には漢方薬がおすすめです。更年期の胃もたれの原因として、自律神経の乱れやストレス、冷えによる胃腸の働きの低下が考えられます。胃もたれには、「胃腸の機能を回復させる」「自律神経のバランスを整えて、ストレスが原因の胃もたれを軽減する」「体を温めて、冷えが原因の胃もたれを改善する」などの作用を持つ生薬を含む漢方薬を選ぶとよいでしょう。漢方薬は胃もたれを根本から改善するので、繰り返す症状でお悩みの方にもおすすめです。胃腸の機能が回復すると、消化・吸収機能も改善されるので、肉体的や精神的な疲労を軽減させることもできます。また漢方薬は、自然の生薬から作られており、一般的に副作用が少ないのも特徴です。

胃もたれで悩む人におすすめの漢方薬

・六君子湯(りっくんしとう)

胃腸が弱く、食欲もなく疲れやすい方におすすめの漢方薬です。胃腸の働きを良くし、水分の停滞を解消します。胃もたれ、吐き気、食欲不振などに効果があります(※1)。

・安中散(あんちゅうさん)

冷え性で胃痛または腹痛のある方におすすめの漢方薬です。胃の痛みや胸やけ、胃酸過多症などに効果があります(※2)。

漢方薬を使用する際に大切なのは「自分に合った漢方薬を選択すること」です。体質に合っていないものや、間違った組み合わせで漢方薬を服用してしまうと、十分な効果が得られないだけではなく、副作用が生じてしまう可能性も高まります。漢方薬を服用する際には、詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。

4:胃腸を健康にして、食事を存分に楽しもう!

胃もたれしてしまうと、食事が億劫になり、楽しめなくなってしまいますよね。胃もたれが気になるときは、今回ご紹介したことをぜひ試してみてください。症状の原因を取り除き、美味しい食事を心置きなく楽しめる生活を手に入れましょう!

「あんしん漢方」(オンラインAI漢方)の薬剤師。お薬最適化薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。「生涯健康で楽しく」をスローガンに病気を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。また、「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーにお薬の選び方を広める活動や、ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート、TiktokやInstagramでファスティング・美腸の普及活動も行っている。Medicalhealthチャンネルに出演中。

教えてくれたのは……あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田早苗さん

[参考URL] (※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ六君子湯エキス顆粒(医療用)」 https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8543 (※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ安中散エキス顆粒(医療用)」 https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7869

こちらの記事もおすすめ

【便秘・ぽっこりお腹がスッキリ!】腸内環境を改善できる腸活サプリって?

ここ数年世界的にも腸活に関する論文などが右肩上がりで増え、菌そのものもエサとなる食物繊維も多様性が重要と言われるように。原料の土壌からこだわり、安全性や吸収効率、原料の組合わせの相性など、とことんこだわった個性的な腸活サプリが出揃っています。口コミを参考に自分に合ったものを見つけてみてください!

2022年11月16日 11:30

【胃に優しい!】69歳ばあばが作るお豆たっぷりの薬膳白和えレシピ

長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る美ST世代に伝え遺したい、とっておきのひと皿を教えてもらいました。今回は料理研究家の植木もも子さんが作るたっぷりのお豆を使った白和えです。

2022年9月13日 20:30

1日2粒で脂肪抑制効果に期待!毎日の食事をもっと楽しめるサプリが出た!

美味しいものを食べたい!でも、食べると太っちゃう。だけど無理な食事制限はしたくない……そんなあなたに試してほしいサプリメントがこの秋登場。その名も『フトラント』!BMI値が高めの方にアプローチする「エラグ酸」配合の新サプリメントで、体の中からサポートします。

2022年11月17日 12:00

編集/安岡祐太朗

        美ST