【手足のしびれ・痛み】の原因は?要注意な症状と自分でできる対処法

40代・50代になると、手足のしびれや痛み、こわばって動かしにくいと感じる人が多くなる傾向にあります。実はその中には更年期のホルモンバランスの乱れが原因となっている症状も多いそう。今回は、更年期に起きる手足のしびれの原因と、その対処法について解説します。

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1:手足のしびれ・痛みの原因とは?

手足のしびれ・痛みの症状として、下記のようなものが挙げられます。

    更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減り、ホルモンバランスが乱れやすくなります。ホルモンバランスの乱れは自律神経に影響するため、血行不良や筋肉の緊張が起こり、手足がしびれるのです。 また、エストロゲンの減少でコラーゲン不足になるのも、手足に痛みが出る原因のひとつです。コラーゲンの生成に関わるエストロゲンが減ると、関節の軟骨がすり減ったり、皮膚が乾燥しやすくなったりするので、刺激に敏感になり痛みを感じやすくなります。

    2:ひどいしびれ・痛みは要注意! 受診の目安とは?

    ひどいしびれや痛みの原因は更年期ではなく、ばね指やドケルバン病、糖尿病、脳血管障害(脳梗塞、脳卒中)など、別の病気の可能性があります。受診の目安になるのは下記のような症状です。

      しびれや痛みがなかなかおさまらなかったり、生活に支障が出ていたり、体に異変を感じるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

      3:エイジングケアにも効果的! 手足のしびれ・痛みを和らげる対処法

      更年期の手足のしびれを和らげるには、筋肉の緊張をほぐし、血行を良くすることが大切です。また、血の巡りが良くなると、酸素や栄養が必要なところへ届くようになるので、エイジングケア効果も期待できます。手足のしびれ・痛みを和らげる対処法を5つご紹介します。

      ①体を冷やさないようにする

      手足の痛み・しびれを緩和するには、日々の生活のなかで体を冷やさないことが大切です。特に首、手首、足首を覆うようにすると、体が冷えにくくなります。また、締めつけの強い下着は血行が悪くなり冷えにつながるので、できれば避けたほうがよいでしょう。

      ②お湯に浸かる

      体を冷やすと、血液の循環を手助けする筋肉が硬くなり、血行が悪くなります。体を温めるためにも、なるべく湯船に浸かりましょう。38〜40℃ほどのぬるめのお湯で半身浴をするのがおすすめです。

      ③マッサージやストレッチをする

      しびれている部分をマッサージしたり、ストレッチで体を動かしたりすると筋肉の緊張がほぐれ、血行が良くなります。足のしびれの場合はお尻の筋肉、手のしびれの場合は鎖骨や肩甲骨周辺を伸ばすようにストレッチをしましょう。

      ④ビタミンC・ビタミンEを積極的に摂る

      血管を丈夫に保つビタミンCや、血行を良くするビタミンEを積極的に摂ると、血液の流れがスムーズになりやすく、手足のしびれ・痛みの緩和につながります。ただし、ビタミンを過剰に摂取すると体に悪影響が出ることがあります。1日の摂取上限量はビタミンCが2,000mg、ビタミンEが700mgですので、この値を超えないように気をつけましょう。

      ⑤漢方薬を飲む

      漢方薬を飲んで体質改善を目指すのもおすすめです。漢方薬は、体全体に作用して、手足のしびれの根本原因であるホルモンバランスや自律神経を整えていきます。手軽に取り入れられるので、ほかの対処法と併用するのもおすすめです。

      4:根本的な体質改善を目指すなら、漢方薬の活用を

      更年期の手足のしびれ・痛みには、体の内側から根本改善を目指す漢方薬がおすすめです。しびれ・痛みの原因としては、末梢神経の異常、ホルモンバランスの乱れ、血行不良、水分代謝の低下、疲労、自律神経の緊張などが考えられます。改善するには、下記の作用がある漢方薬を選ぶといいでしょう。

        漢方薬は、手足のしびれ・痛みを根本から改善するので、繰り返す症状にお悩みの方にもおすすめです。また、心と体のバランスも整えてくれるので、ほかの更年期の不調にも同時にアプローチできるのがメリットです。 以下では、更年期の手足のしびれ・痛みにお悩みの方におすすめの漢方薬を2つご紹介します。

        〈更年期の手足のしびれ・痛みにお悩みの方におすすめの漢方薬〉

        ・八味地黄丸(はちみじおうがん)

        疲れやすく口が渇く方におすすめです。加齢により衰えた腎の働きを補うことで、体を温めて、しびれや痛みを緩和します(※1)。

        ・疎経活血湯(そけいかっけつとう)

        痛みやしびれのある方におすすめです。気、血の流れを良くすることで、しびれや関節痛、神経痛に働きかけます(※2)。

        漢方薬を選ぶ際には、自分の体質や状態に合っているかどうかを見極めることが重要です。漢方薬は、自然由来の生薬が体へ穏やかに作用しますが、体質に合わない場合は副作用が起こる可能性もあります。購入時には、必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。

        5:手足のしびれを改善して、健康的な体に!

        手足のしびれや痛みは、家事や仕事にも支障が出てつらいですよね。緩和するには、血行を良くしたり筋肉の緊張をほぐしたりしましょう。また、専門家に相談して、漢方薬でホルモンバランスを整えるのもおすすめの方法です。症状を和らげて、寒い季節もアクティブに過ごしましょう。

        約8年間ドラッグストアで医薬品登録販売者として従事。美容薬学・アロマテラピーに関する資格を取得し、インナーケアや女性の不調ケアを得意とする。市販薬の使い分け方を広めるべく2022年から執筆業を開始。あんしん漢方(オンラインAI漢方)はこちら

        教えてくれたのは……医薬品登録販売者 円山 真由佳(えんやま まゆか)さん

        〈参考〉

        (※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ八味地黄丸エキス顆粒(医療用)」

        https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7876

        (※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ疎経活血湯エキス顆粒(医療用)」

        https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9184

         

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        編集/安岡祐太朗

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