WBC決勝「大谷翔平選手の試合前スピーチが完璧すぎた」3つの理由|CLASSY.

昨日は朝からワールドベースボー

昨日は朝からワールドベースボールクラシック決勝戦、日本VSアメリカの試合が行われ、見事侍ジャパンが3−2で劇的な勝利を収めました。日本中だけでなく、世界中も熱狂の渦に巻き込んだWBC。普段野球を見ない、という方でも注目していた方が多かったように感じます。
中でも投打に渡る活躍で、大会MVPにも選ばれた大谷翔平選手。彼なくしては成立しなかったとも言える大会ですが、決勝戦前のスピーチが、素晴らしすぎる…と思ったのでぜひ解説させてください。

大谷選手のスピーチ「憧れるのはやめましょう」

大谷選手のスピーチを以下に紹介します。

大谷選手は32秒間という短い時
2023年3月22日WBC決勝前、ロッカールームの円陣・声出しにて

大谷選手は32秒間という短い時間でこのスピーチを行ったのですが、要素がまとまっていて、頭にスッと入ってくる内容。それでいて、想いが伝わる熱い文章ですよね。なんでこんなに感動的な文章になったのだろう?と思った部分を私なりに分析してみました。大きく分けて3つの「伝わりやすい文章」のポイントが入っているように感じました。

理由1.最初に結論を述べているから

文章は出だしが肝心、言いたいことをきちんと伝える

はじめに「1個だけ、憧れるのを

はじめに「1個だけ、憧れるのをやめましょう」と言っています。スピーチの冒頭で、結論を先に述べている。これって、文章の最後に「憧れるのをやめましょう」と言ったのとは大違いです。これから「憧れるのをやめましょう」という話をすることによって、スピーチのゴールが示されています。結論があるだけで、聞いている人は「憧れるのをやめる話」が続くんだな、と意識しながら聞くことができるからです。

理由2.具体的な固有名詞を出しているから

具体例が浮かび、聞いた人がイメージしやすくなる

そして続く段落。具体的なアメリ

そして続く段落。具体的なアメリカの選手の名前を3名出しています。人の名前などの「固有名詞」や、具体的な「数字」があると、イメージがしやすくなる好例でした。
例えば「アメリカにはいろんなすごい選手がいるんですけど」と言ってしまうと、全体像がボヤけます。「たくさんホームランを打った選手」ではなく「王貞治選手の年間55本塁打記録を超える記録を持つ、56本を打った村上宗隆選手がいます」と言ったほうがイメージがつきやすい。スピーチに没入していけるようになります。

理由3.シンプルな言葉を繰り返し使うから

誰でもわかりやすい言葉と構成が、理解しやすい文章にする

最後に、わかりやすい言葉を繰り

最後に、わかりやすい言葉を繰り返し使っていることも特徴でした。「トップになるために来た」「勝つことだけ考える」と、明確にメッセージを送っているのがすごくわかりやすい。冒頭で出た「憧れ」という言葉を何度も使いながら、「憧れを捨てて勝ちましょう」と伝えている。一度ではなく、何度も伝えることの大事さを感じます。

おわりに

以上が、大谷翔平選手のスピーチが完璧だと思えた理由3つでした。なんか、感動的なスピーチに対して解説をつけるなんて無粋な気がしますが、「熱い文章=ただ勢いに任せた文章」ではない。「わかりやすい文章があって、それが熱さにつながり、人の心を打つ」のではないかなと思った次第です。

構成/CLASSY.ONLINE編集室