【推薦図書】はあちゅうさんとフェミニズムについて考える<6冊>
VERY4月号で「家族旅行から帰宅後、夫に“今日のご飯なに?”と言われたら。」という企画で神山まりあさんとの対談に登場してくれた、はあちゅうさん。彼女自身も夫婦のあり方に悩んだ時、ジェンダーやフェミニズム関連の本を読むことで自分の頭の中を整理してきたそう。
そんなはあちゅうさんが<VERY読者に推薦するとしたら>というテーマでおすすめしたい6冊を選んでくれました。ご本人の推薦コメントと共に紹介します!
Book❶
『フェミニストってわけじゃないけど、どこか感じる違和感について』
パク・ウンジ/著 吉原育子/訳 <ダイヤモンド社刊>
「パートナーの悪意のない言動に、傷ついた経験がある人は少なくないと思います。付き合っている時に、避妊を拒まれたり、結婚後、家事の負担が自然に自分に偏っていたり、育児に関することは、いつのまにか、夫=教えを乞う側になって、自分が常に教える側になっていたり…。それらの私達の身近にある違和感は、実は男女不平等な社会構造と結びついていることに気づかせてくれる本です」
Book❷
『愛という名の支配』
田嶋陽子 /著 <新潮社刊>
「フェミニズムの第一人者である田嶋陽子さんの著作。“結婚とは、女の家事労働を無償化する制度” “「男らしさ」は自立した人間、「女らしさ」は男に尽くす人間”などの言葉のパンチが次々と繰り出されます。けれど、この連続パンチで目が醒めるのも事実。これまでの人生で自分が疑問を持つこと無く受け入れてきたものが、男性中心社会からの刷り込みだったことにショックを受けつつも、読むと、強く生きたい、社会を変えたい、という気持ちが湧きます」
Book❸
『ヒョンナムオッパへ』
チョ・ナムジュ,チェ・ウニョン,キム・イソル,チェ・ジョンファ,ソン・ボミ,ク・ビョンモ,キム・ソンジュン /著 斎藤真理子/訳 <白水社刊>
「韓国の短編フェミニズム小説集。映画化もされた大ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』の作者による表題作『ヒョンナムオッパへ』は、一般的な男女の恋愛の中に潜む支配関係を描いた作品で、私自身もこれを読んで、これまでの恋愛の中にあった非対称な関係性を自覚しました。自分が恋愛だと思っていたものが、主従関係だったと気づくのはある意味ホラーですが、恋人の束縛やモラハラを受けたことがある方は、ぜひ読んでみてください」
Book❹
『目指せ! 夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』
水谷さるころ/著 <新潮社刊>
「これまでの本がフェミニズムの入門編だとするとこちらは実践編。理想と現実の折り合いをどうつけていくかという部分で、参考になりました。お互いに離婚経験のある事実婚夫婦が、家事育児の試行錯誤をする過程がとっつきやすいエッセイ漫画形式で描かれています。保育園問題も、結局不安で主体的になっているのはママ側で『保育園入れなかったら最悪、妻がどうにかするっしょ』的な、どこか他人事のような関わり方のパパも日本にはまだまだ多いと思います。『保育園落ちた、日本死ね』は2016年だったけれど、社会は少しでも進んだのでしょうか…」
Book❺
『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』
水谷さるころ/著 <幻冬舎刊>
「上記作品のシリーズで、“家事シェア”に軸を置いた一冊。女性側の家事育児には高いレベルが要求されることに対して、男性はレベルが低くても“やっている”だけで評価されることは、男性側もぜひ知ってほしいです」
Book❻
『男社会がしんどい ~痴漢だとか子育てだとか炎上だとか~』
田房永子/著 <竹書房刊>
「漫画形式がお好きな方はぜひこちらも。女性や子供にとって、日本がいかに生きづらい場所であるかを再認識させられます。社会構造を変えることの難しさに意識を向けると、気持ちは重くなりますが、これまで感じていた違和感に封をしていた人にとって『同じ生きづらさを抱えた人がここにもいた…』とほっとできる内容だと思います」
いかがでしたか?家事や育児で「気がつくと自分がやって当たり前になっている」というモヤモヤした気持ちを感じた時、ぜひ手に取ってみてください。
はあちゅうさん
1986年生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学在学中よりブログを開始しブロガーの先駆け的存在に。広告会社、IT系ベンチャー企業を経て、のちに独立。エッセイや小説など著書多数。2018年に事実婚を公表。3歳男の子のママ。昨年9月、事実婚解消を発表するも、現在も前パートナーとの交流は継続。
撮影/吉澤健太
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