【漢字】「小人数=しょうにんずう」は間違い!実は意外に読めない漢字3選|CLASSY.

今回は、やさしそうではあるけれ

今回は、やさしそうではあるけれど、実は「読み間違いがちな漢字」を取り上げます。

 

1.「多勢」

まずは、やさしいところから。問

まずは、やさしいところから。問題文は「多勢に無勢で、あの大軍にはかなわない」。この「多勢」は何と読むでしょうか?

意味はわかりますよね。そう、「人数の多いこと」です。だから、つい「おおぜい」と読んでしまうのでしょう。でも、「おおぜい」と読むのは「大勢」のほうです。こちら「多勢」は「たぜい」が正解でした。

2.「一段落」

次は、よく耳にするこの言葉です

次は、よく耳にするこの言葉です。「仕事が一段落したら、食事にしよう」。この「一段落」は、本来何と読むべきでしょう?

あえて「本来は」と条件をつけたのは、最近は「ひとだんらく」派が増えていると思われるからです。言葉は生き物ですから、時代が進めば変化していくものもあります。なので「誤用」であっても多くの人が使うようになれば、やがて「認知」され、「慣用」となります。その意味で、「一段落」を「ひとだんらく」と読んでも今や「慣用」になりつつあるのかもしれませんが、本来は「いちだんらく」と読みます。ところが、「一安心(ひとあんしん)」「一苦労(ひとくろう)」などの言葉に引かれて、「ひとだんらく」の読みが浸透したと考えられているようです。そう読むようになった人が増えても、辞書などでは「ひとだんらく」は誤用(誤読)としていることから、そう判断する人が多いと思われる以上、「いちだんらく」と読むべきでしょう。テレビなどでも、正しく「いちだんらく」と読んでいるはずです。

3.「小人数」

最後は、一見すると難問らしくな

最後は、一見すると難問らしくないこの言葉です。「公民館で、小人数の集会が開かれた」。この「小人数」は何と読むでしょうか?

ひと頃と比べ、「新型コロナウイルス」の感染者数も落ち着きつつあるように見える昨今ですが、3年前のピーク時には、「緊急事態宣言」をはじめとした多くの呼びかけが、政府や自治体からありました。首都東京では、「5つの小(いつつのこ)」をキーワードとした呼びかけがなされたことは、まだ多くの人の記憶にあるでしょう。その中に、「小一時間程度」「小声」「小皿(に料理を分ける)」「小まめにマスク、換気、消毒」と並んで、この「小人数」がありました。「少人数」ではなく「小人数」ですよ。
思い出したでしょうか。
正解は、「こにんずう」(「こにんず」とも)でした。「しょうにんずう」と読むのは、「少人数」のほうです。同じ「人数が少ないこと」の意味でも、「小」と「少」では読み方が違います。
ちなみに、「小人数(こにんずう・こにんず)」の反対が「大人数(おおにんずう・おおにんず)」で、「少人数(しょうにんずう)」の反対が「多人数(たにんずう)」です。

いかがでしたか。うっかり読み間違いしていたものはありませんでしたか?
そういえば、春の統一地方選が続いていますが、候補者のポスターが貼られた選挙掲示板を見ていたところ、名前の一部(中にはすべて)が「ひらがな」で書かれた候補者の方が増えたような気がします。中には、そんなにも読み書きに苦労するような漢字でもない方もいます。そこまでの大きなメリットがデータ的にあるのでしょうか。「読めない漢字」をテーマにしたページ作りにかかわっている者として気になった次第です。では、今回はこのへんで。

《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「難読漢字辞典」(三省堂)
・「100ページでテッパンの漢字力」(青春出版社)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)