息子溺愛ママ増加中!どんなことがNG? 識者に聞く気をつけることとは

母と仲良しな息子は長らく「マザコン」と忌避されていたものの、彼氏のような男友だちのような、母と息子の関係を「恥ずかしい」どころか、「息子LOVE」を発信し、大いにエンジョイする人が増えているとか。今回は男の子ママたちが〝男の子の問題〟の専門家に聞きました。

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アドバイスをくれたのは...弁護士・太田啓子さん

中3と小6男児の母。離婚問題やセクハラ事件の多数の事案や経験を基に、ジェンダーに関するSNS投稿が反響を呼ぶ。著書『これからの男の子たちへ』は5カ国語で発売され男の子を育てるあらゆる層のバイブル。

【Q & A】やっぱり好きで好きでたまらないんですが、これは息子のためにも良くありませんか?

○ 北山朝美さん(46歳・フルート奏者/ 息子は小6)

Q. 息子を抱きしめた写真をはじめ、SNSで息子LOVEをアップしています(息子の顔はわからないように)。でも、もう息子も6年生。寂しさを感じながら、こんなことをやっていてはいけないのかと……。

<太田さんがアドバイス!>

息子とは親子といえども、母とは別人格。だから、境界(バウンダリー)を引くこと、尊重する訓練を家庭で行うことが大切。子のスタンダードは親の時代と異なるし、親の概念でなく子の考えを尊重して。寂しさは子育てがゴールに向かっている成長の証しと捉えれば◎。

○ 栗田加奈子さん(46歳・コミュニティデザイナー/ 息子は小5と小3)

Q. 小学生の息子がモテるらしくて、たくさんの女の子たちに告白されるみたいなんですが、「その子はどんな子なの?」と、相手の女の子のことを細かに訊ねずにはいられません。いちいち詮索するのは子どもにとって良くないこと?

<太田さんがアドバイス!>

小学校低学年は、ママが悲しむ姿を見たくなくて、自分を抑圧しママの言う通りにすることも。息子との境界を尊重し、なぜママがそれを知りたいのかしっかり理由を話して、息子がそれを納得して話してくれるならいいのでは。NOも言いやすい聞き方を考えるとなお◎。

○ 山崎智子(47歳・STORYライター/ 息子は高校2年生)

Q. 息子には自分好みの格好、ヘアスタイルをさせたいと思っています。だから息子がヘアサロンへ行く前にも「こういう髪型にしてね」とリクエストしています。これって、普通じゃないですか?

<太田さんがアドバイス!>

今のところ、息子さんが嫌がらなければOKでは。母からの一方的な抑圧でなく、息子と対等な立場で話し合い、受け入れ合う関係は素敵です。よく扱う離婚案件では、母の嫌がることをしない、自立できてない方が多く困難です。私も息子の自立を認める母でありたい。

息子大好き、大いにOK! ただ“母とは別人格”を心に留めて

息子を彼氏化すること・依存することと、息子と母の仲が単に良いこととは別物だとはいえ、線引きが難しいのも確か、と太田先生。

母が息子を懐柔せず、しっかり息子との「バウンダリー(自分と他者とを区別する、特に心理的な境界)」を意識したり、息子にバウンダリーを教えるトレーニングを家庭発で行うことで、母から自立した男性となり、将来の人間関係を良好に築くことができるのだとか。

離婚やセクハラなどの案件で太田先生が出会う男性は、母から自立していなかったり、自分の非を誰かのせいにして謝れなかったり、性アプローチで相手を尊重できなかったり、など、他者との境界認識が希薄な人が多いとか。

とはいえ、娘には言わないであろう「鼻ほじほじ」のようなイジリを、息子だとつい言っちゃうのも改めなきゃダメ。親も日々気づいて修正することも大切です。

今回のzoom座談会、計7人の息子の子育て真っ最中ママたちで、なんだかんだ「息子かわいい」があふれました。

どんなことがNG? 息子溺愛ママたちが気をつけること3ヶ条

  • バウンダリーを意識。息子を信頼し、尊重する
  • 決まりが悪いことも大人は誤り、非を認める
  • 娘だったら、同じことをするだろうか?考える

撮影/沼尾翔平 取材/羽生田由香 ※情報は2023年5月号掲載時のものです。

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