女優・中江有里さんがお勧めする「心に響く」3冊

イギリスの名門、サセックス大学の「どのような行為がストレス軽減に役立つのか」という調査研究によると、読書がひときわ高いストレス軽減効果を持っていることがわかりました。「6分間」黙って本を読むだけで、心拍数は低下し、筋肉の緊張が緩和。読書こそ、忙しいママたちが毎日短時間で簡単に取り組めるストレス解消法なのです。そこで、おすすめの本をご紹介します!

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【中江有里さん おすすめ3選】今の自分との価値観の違いを楽しむ。それが日常の非常口

右:『じゃむパンの日』 赤染晶子/palmbooks
今とは違う昭和ノスタルジーに思いを馳せてみる。2017年に早逝した作家・赤染晶子初のエッセイ集。懐かしい昔の日常のエピソードを、独特のユーモアと想像力で綴り、読者を思わぬところへ連れて行ってくれます。不思議と気持ちがあたたかくなる1冊です。

中:『ケチる貴方』 石田夏穂/講談社
若者ならではのコンプレックスの捉え方が面白い。1991年生まれの注目の作家、石田夏穂の小説。体のどこかに悩みを持っている主人公たちに、現代を生きる女性たちの生きづらさ、本音や心理描写がユーモラスに描かれています。ニッチな視点がSTORY世代には新鮮。

左:『私のものではない国で』 温又柔/中央公論新社
台湾生まれの40代女性の視点から日本を見てみる。1980年、台湾生まれの著者が日本で暮らしながら感じた日常の違和感。「ふつうの日本人」とは、「日本人らしい」とは。日本の中だけで暮らしていると気がつかない鋭い指摘に心が揺さぶられるエッセイ。

女優・作家・歌手 中江有里さん

大阪府出身。法政大学卒。’89年、芸能界デビュー。数多くのTVドラマ、映画に出演。著書に『水の月』『万葉と沙羅』など。読書に関する講演や、小説、エッセイ、書評を多く手がける。

読書は日常の非常口。倦んだ日々の娯楽、辛い時のなぐさめ、憂鬱な毎日の癒し……本を選ぶ瞬間から「今の自分を変える」という意思が目覚めます。読むのは決して楽ではないからこそ、読んだ達成感は確実に自分の力になる。また学びのツールとしてもお勧め。ネットにも情報はありますが、事実に基づいて検証された書籍は信頼度が高いです。

撮影/吉澤健太 取材/山崎智子 ※情報は2023年6月号掲載時のものです。

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