【栗山千明さん】のどん底メンタルをV字回復してくれた魔法の言葉
自分自身を愛する「自愛」。たくさんの情報で溢れた今、自愛はとても大切な生きていく支えにもなります。いつでも自分が自分自身の味方でいて、自分の機嫌をよくする「ご機嫌スイッチ」をたくさん持つことが大切、と語る俳優の栗山千明さんの自愛術を伺いました。
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《Profile》 1984年10月10日、茨城県生まれ。モデルを経て俳優に転向。7月7日スタートの連続ドラマ「晩酌の流儀2」(毎週金曜深夜0時52分~・テレビ東京系)では昨年のシーズン1に続き主演をつとめる。
自分が自分のいちばんの味方でいること、自分の機嫌を取れるスイッチを複数持っておくこと。それが私の自愛を支えています。どうやったら味方になれるか?気分が落ち込んでいるときは自分を責めがちになるけれど、谷底まで落ちきったら、「ずっと成功している人よりも、失敗を経験してる人の方が強くいられるはず。これで経験値が上がった!」と、前向きな言葉を自分にかけて、V字回復させています。 そして、もうひとつは、ご機嫌スイッチを複数持つこと。私の場合は、1日の最後に美味しいお酒と食べ物を体に入れたら、また頑張ろう!と思えます。昨年主演させていただき、好評につき7月からシーズン2として放送が決定しているドラマ「晩酌の流儀2」で演じる主人公・美幸とまったく同じ。今日のご飯は一生に一度きり。「今日何が飲みたいか。そのための食事は何がいいか」という楽しい課題に日々真剣に向き合うことは、最大の自愛効果。毎日の晩酌=生きるモチベーションなので、キッチンで立ち飲みしながらつまみを作る間も、頭の中で翌日の晩酌メニューを組み立てているほど(笑)。 自分の気分にピタリとあった晩酌のあとは、動画を見ながらの入浴タイムがあれば完璧。なんたって新世紀エヴァンゲリオンの葛城ミサトも「お風呂は命の洗濯」と言っているほど、お風呂は雑多な誘惑のないリセットタイムですから(笑)。 これらの自愛バリエーションに、ここ数年で〝推し活〟が加わりました。ゲームが趣味なのですが、やり始めると際限なくプレイしてしまうので、撮影期間は封印。代わりにゲーム実況の配信なら、20~30分という短時間で楽しめるので、ご褒美タイムとして自分に許すことにしています。 推しは〝レトルトさん〟という方。彼の配信を見たり、グッズを愛用したりする推し活界に足を踏み入れることができたのは、私にとっては画期的。それまでは、ときめく推しを見つけられなかったのですが、流行や人気という理由ではなく、自分自身が愛せる物を身近に置くと、日常的に華やかな気持ちになれるというのは大発見でした。
5歳の頃から事務所に入りましたが、10代までは人見知りで緊張しいで、なかなか自分をオープンにはできないタイプでした。でも、そんな自分のありのままを、20歳を超えたくらいから、さらけ出した方が心地よいと気づいて、自分を取り囲む垣根、壁を下げるように意識してきました。その結果、少しずつ自愛精神が育ってきた気がします。つまり、自愛って自分を無理に癒す前に「ありのままの自分を受け入れて認める」ことができて初めて、スタートできるものなのではないでしょうか。
さらに30代に入ってからは、プライベートライフを楽しむ余裕もできてきました。今充実させたいのは部屋のインテリア。私はもともとベッドがなければ床で寝てもいいと思うくらいの人(笑)。15歳で上京して以来、物を大事にするあまり、引っ越ししても家具やカーテンはサイズが合えばデザインは二の次。でも、最近長年使い込んだ家具が壊れたことをキッカケにネットで探し始めたら、自分好みの物が昔よりハッキリ選別できることに気づきました。
10代、20代の頃は目移りばかりで好みが定まらなかったのに、38歳になってふと生活に目を向けたときに、自分の「好き」の解像度が上がって明確になってきたのは、嬉しいことでした。もともと好きな食だけではなく、より良い環境で私生活のクオリティも上げていきたいと思えるようになって、自愛の第2ステージに入れたのかもしれません。
《衣装クレジット》 ニット¥30,800、パンツ¥39,600(ともにディウカ/ドレスアンレーヴ)ピアス¥8,800、右手中指シルバーリング¥19,800、左手中指シルバーリング¥6,600、左手シルバーバングル¥7,700(すべてアガット)右手薬指ダイヤモンドリング¥473,000、右手ダイヤモンドつきバングル¥242,000(ともにベルシオラ)
2023年『美ST』7月号掲載 撮影/岡本 俊 ヘア・メーク/奥原清一 スタイリスト/UME 取材・文/柏崎恵理 編集/長谷川千尋