ママ同士で「お酒を飲む」のが後ろめたいのって、どうして?
※このコラムはVERY2023年6月号(2023年5月6日発売)に掲載されたものです。
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新学期が始まり、新しいママ友ができた方も多いのではないでしょうか。初めて遊ぶ時のやり取り、ちょっとドキドキしますよね。文字でのコミュニケーションは特に難しいなと感じます。例えば、公園で遊ぶ約束の日の朝、我が子が鼻水を垂らしていたら。仲良しのママなら「うちの子ちょっと鼻水出てるけど、大丈夫?」と気軽に連絡できます。でもほぼ初めましてだとコミュニケーションに気をつかいます。「元気なのですが鼻水が出ていて…すごく残念だけど今回はキャンセルさせてください」と言い切ってしまうか、ちょっとずるいけど「キャンセルした方がいいですよね」と、お相手の出方を見ることが多いです。
2023年5月号でメンタルスペースの話をしましたが、決断って心のエネルギーを消耗すると思うので、言い切るのは私なりの配慮。もし私が言われた側だったら、「わかりましたお大事に!」も冷たいかな?とか、「うちは全然いいですよ!」も相手に「来てよ」とプレッシャーを与えそうで心配になるし、正解がないです。
最初こそコミュニケーションが大変ですが、気心が知れるようになれば、すごくありがたい存在になるはず。「今度はランチでも」と会った時に私なら乾杯のお酒を飲みたくなるものの、ママとして出会っていると、お酒好き同士でもお酒を飲むことに最初は見えないハードルを感じました。現実問題夜は集まりにくいし、寝かしつけたらもう余力なんてない。子どもが園や学校へ通っている間などのちょっとした「昼飲み」がママにとって合理的(私のようにお酒好きな方は、同意してくれるはず笑)。もちろん、たまに夜に飲みに繰り出すのだって、全然悪いことじゃない。世の中のパパは「ママに預けて」飲みに行っています!
こうして外でママが自分のしたいことをしていると、批判的な目を向ける人もいますよね。知らず知らず、多くのママはそうした見えない批判や評価を恐れてしまうのかもしれません。私は自分が母親になって以降、他の母親に対しての批判的な目は本当に無くなりました。産む前は正直、電車であんなに怒って子どもがかわいそう、と思うこともありました。でも今例えばママがカフェで子どもにずっとスマホを見せていても、(そうしないとあったかいご飯食べられないよね、わかるわかる)と思いますし、子どもを怒っている姿を見ても(今誰にもわかってもらってなくて大変なんだろうな。大丈夫かな)と思う。
英語では〝benefit of the doubt〟という表現があり、あえて訳すなら「とりあえず信じる」「善意的な解釈をする」という感じでしょうか。今は世の中のお母さん仲間に対して、いつもbenefit of the doubtの気持ちだし、私もそう見られたい。その瞬間だけを切り取って評価されるのは辛いですよね。相手が好意的な解釈をしてくれたら、自分に非がある場合、素直に反省もしやすいと思うんです。
パートナーとの間でも、benefit of the doubtは大切。「お前がいつもイライラしてるから悪いんだ」とか、こちらがダメな前提で話をされたら、とてもしんどい関係になってしまう。他人には、自分の想像も及ばないような事情がたくさんあります。見えるものだけで決めつけず、相手の気持ちや状況に想像力を働かせて、良い方向に解釈する。家族間でも知らない人同士でも、今の日本に必要なことのような気がします。
◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。7歳と5歳、0歳の娘の母。
桜の木の下でエッグハント! いとこ達と集まって、プラスチックの卵の中にお菓子やおもちゃを入れて隠したものをみんなで探すイースターの遊びをしました!
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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2023年6月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。