女優・杏がフランスでの育児語る「現地の小学校は週休3日制でした」
──9月1日に公開される7つの短編映画からなる作品『私たちの声』の一編『私の一週間』の中で主演する杏さん。私生活ではフランスで3人の子を育てるお母さんでもあります。今年は、上のお子さんが小学生になり、生活にも変化があったそう。子どもと過ごす日々の暮らしについてお聞きしました。
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「入学式がない」「週休3日制」フランスの学校事情って?
──上のお子さんは小学生になりました。
フランスの小学校には、日本における入学式のようなセレモニー感のある行事が一切ありませんでした。登校初日から本当に何もなくて、親は敷地内に送り出すだけです。小学校は週休3日制なので、週の半ばにお休みの日があるんです。その日は原則仕事を入れないようにしています。習い事に通う子も多いので親はけっこう大変です。日本では体育の授業など、皆で色々なスポーツを体験する機会があるけれど、こちらでは休みの日に各々がやりたいことを深掘りしていくスタイルなのかなと思いました。週の中日にも休みがあるので、今日と明日行ったら一日休める、の繰り返しです。子どもにとっては、新しい環境で週に5日間きっちり学校に通うよりも、途中に休みの日があるのが程よい息抜きになるようで、新しい生活へのハードルが少し下がったのはよかったことかなと思っています。
子どもたちの意外な成長に驚いて
──お子さんたちを見ていて成長したなと感じることはありますか?
筆記体がとても上手に書けるようになりました。「先生が書いたのかな」と思ったら子どもの字だったのでびっくりしました。お手紙をふいにくれたりすることもあります。指示されたものではなくて、子どもが自ら書こうと思ったものをくれるのはやっぱりうれしいものですね。似顔絵もよく描いてくれるのですが、私や子どもたちの顔がいつも笑顔なのはやっぱりいいなと思います。そんなふうに言うとほのぼのしたエピソードばかりのようですが、子ども同士のケンカもしょっちゅうで、きょうだいでおとなしく何か書いているのかなと覗いたら、仕返しにバーカなんて書いているようなこともあるんですが(笑)。
映画『私たちの声』より『私の一週間』【©WOWOW】
世の中の価値観が変わる時期だからこそ……
──映画公開に先立ってのインタビューの中で「特に日本は、固定観念のような、こうあるべきというのが、良くも悪くもすごくあると思います」と仰っていて、強く頷きました。
女の子ならピンク色とか、男の子用のおもちゃコーナーとか、そんな区分けに今まであまり疑問を持っていませんでした。やっぱり、自分の中にもいつの間にか刷り込まれた価値観があったのだと思います。育児をする上では、つい「男の子って」「女の子だから」と言ってしまいそうになることがよくあります。私には男女両方の子どもがいますが、以前息子が「お姉ちゃんと同じワンピースを着たい」と言ったことがありました。「こういう時どうしたらいいんだっけ?」とちょっと考え込んでしまったのですが、結局、息子はその日一日ワンピースで過ごし満足したようでした。好きな色、着たい服……選択はあくまでも個人の自由ではありますが、この世の中の流れや価値観が移り変わる過渡期にあるからこそ、迷ったり気持ちが揺れたりするのだろうなと考えています。
杏(あん)
2005年以降パリ・コレクションなどの国際的なファッションショーで活躍し、 2006 年ニューズウィーク誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。 2007年に女優デビューし、『名前をなくした女神』(2011年)で連続ドラマに初主演する。 NHK 連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年)でヒロイン役を務め、近年では映画『キングダム 運命の炎』に出演。2022年には国連WFP親善大使に就任するなど、 女優業を中心にナレーターや声優など多彩な活躍を続ける。 本作が、待望の海外デビュー作品となる。
ヘア・メーク/犬木 愛〈AGE〉スタイリング/杉本学子〈WHITNEY〉
ブラウス¥29,700 パンツ¥24,200〈ともにLE PHIL〉 ネックレス¥25,300〈SASKIA DIEZ〉 リング¥37,400〈GABRIELA ARTIGAS〉 ピアス¥12,000〈MOUNIR〉 (すべてLE PHIL NEWoMan 新宿店) ・お問合わせ先 LE PHIL NEWoMan 新宿店 03-6380-1960
杏さん主演の最新映画が公開!
映画『私たちの声』
9 月 1 日(金) 新宿ピカデリーほか 全国 ロードショー
WOWOW初の国際共同作品映画『私たちの声』は、各国で活躍し、高い評価を得ている女性監督と、トップ女優がともに女性問題を描く映画作品。日本からの作品『私の一週間』は唯一無二の存在感が光る女優・杏と、『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』など作品が国内外の映画祭でも高い評価を受ける監督・呉美保による短編映画。毎日慌ただしく働きながら2 人の子どもたちを育てるシングルマザー・ユキの暮らしを描いている。
製作・企画・プロデュース:WOWOW /配給:ショウゲート ©2022 ILBE SpA. All Rights Reserved.
取材・文/髙田翔子
撮影/秋山博紀
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