申真衣さんが「おごるとき」「おごられるとき」「ワリカンにするとき」
撮影/倉本侑磨<Pygmy Company>
子育てを通して今まで以上にお金の大事さを実感するようになったけど、お金の使い方や貯め方なんて学校では教えてくれなかったし、みんなはどうしているの……?そんなママたちの悩みにこたえるべく、元外資系金融会社勤務、現在は社長としても活躍されているVERYモデル・申真衣(しんまい)さんに、毎月読者から寄せられたお金に関する質問に答えてもらうコラム連載。第24回は「誰が支払うか」がテーマです。(過去の連載はこちらから)
【第24回】今月の質問
上司や後輩との食事で「誰が払うか」迷うとき、シンマイさんはどうしていますか
「今回は払ってもいいですか?」と聞いてみるのも一つの手
結婚前は、デートでの食事代を払うのはほとんどの場合夫でした。これは夫が職場の先輩だったから。前職の金融会社は「先輩が後輩におごる」という文化がありました。「男だから、女だから」というわけではなく、私自身、退職した今も当時の先輩にはありがたくごちそうになることが多く、後輩と一緒なら私が払います。ただ、気心が知れた仲だとはいえ、私から相談を持ちかけるようなときは「今日は私がお支払いをしたいです」とか「またお誘いしたいので、今回は払ってもいいですか」と声をかけると思います。何かお願いしたいことがあって誘うなら、相手の時間をもらっている分、こちらが払うのがベストではないかと思うんです。
とはいえ、上司が部下の相談に乗ることで、個人だけでなくチーム全体が良い方向に変わっていく可能性もあります。上司側も、部下の話を聞くメリットは大きいはず。上司と部下という関係なら、上司が支払ってくれることも多いでしょうが、今後も気軽に誘いあえるよう、「今回は私が」「ワリカンにさせて頂いていいですか」とあらかじめ伝えるのもアリ。それくらいのスタンスでいいのではないでしょうか。
食事をごちそうになるかどうかは相手との関係次第ではないかと思います。「女性だから」「年下だから」おごられて当然ということはないです。「女性はネイルやファッションにお金がかかるから、デートではおごられるべき」という話題がSNSではあるそうですが、私はこの考え方には共感できません。明らかな収入差があるのに絶対にワリカンにすべき! とは思いませんが、例えば推しと食事ができるチャンスが巡ってきたとき、「お金がもったいない」「美容にお金がかかるのに不公平」とは思わないですよね。
デートで高い店に誘われたのにワリカンでモヤモヤしたなら、後から愚痴を言うより、その場で伝えたらいいと思うんです。「このお店は素敵だけれど、私にはちょっと背伸びだと思う」と正直に言ったら、相手は次はごちそうしようと考えるかもしれないし、ワリカンにするつもりなら予算のやりとりをすることもできます。それぞれが考える「常識」は異なるので、言葉にすることであとあとこじれる確率を減らせると思います。勝手な思い込みでモヤモヤしながらデートしていたって楽しくないですよね。気になることははっきり口にすることをおすすめします。
撮影/倉本ゴリ〈Pygmy Company〉
長く付き合いたい相手なら、お金の話はきっちりと
ママ友同士の集まりでも「思ったより高い店を予約されてしまって困った」という話を聞きました。これも価値観の違いによる悩みだと思います。同じ金額を出すなら甘いものよりもしっかり食事がしたいとか、ちょっと高くても華やかなアフタヌーンティーに行ってみたいとか、何に重きを置くかは人によって異なりますよね。それぞれが自由にできるお金の額も違います。
決まったあとでウジウジ悩むくらいなら、思い切って自分からお店を提案してもいいかもしれません。おしゃれだけれどそれほど高くないお店のリストを持っておけば、自分で払えるくらいの予算にも収まるし、周りにも喜んでもらえるかも。
ワリカンにする際も、私は1円単位まできっちり割るようにしています。一緒にクルマで外出したとして、ガソリン代はこちらが出すから駐車場代はそちらが……なんてやっていると、結局どちらか一方が払いすぎてしまって、口には出さなくても不公平感を覚えることもあるような気がします。だからこそ、細かいようですがレシートを集めて合計金額をきっちりワリカンしたほうがいいと思っています。過去の連載でも紹介しましたが、PayPay、LINE Payなどの決済サービスを使えばその場ですぐに精算できます。
お金のことを自分から言い出すのは勇気がいると思いますが、案外、相手も同じことが気になっているのかもしれません。長くお付き合いしたい人であればこそ、自分の率直な気持ちを伝えてお金のことでモヤモヤ悩まない関係になれるといいですね。
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取材・文/樋口可奈子