ドルビーシネマ、IMAX®、4DXの違いと感想【映画ライターの体験レポートまとめ】
ドルビーシネマ、IMAX®、4DX。よく耳にする3つの体験型スクリーンを、Mart映画ライターが今回改めて体験してきました。それぞれの特長や比較、どんな映画を観るのが向いているかなどまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
- Dolby Cinema(ドルビ―シネマ)
- IMAX®
- 4DX
- ドルビーシネマ、IMAX®、4DXを比較すると?
Dolby Cinema(ドルビ―シネマ)
Dolby Cinema(ドルビ―シネマ)とは?
Dolby Cinema®︎(ドルビーシネマ)は、最先端の光学・映像処理技術を採用した「ドルビービジョン プロジェクションシステム」と、立体音響システム「ドルビーアトモス」の両技術を取り入れ、洗練されたシアターデザインと一体化させたシステムのこと。
【映像】
鮮明な色彩とコントラストが特徴のドルビービジョンでは「今まで黒と思っていた色は本当の黒ではない」とされるほど、画面が暗転するとスクリーンも館内も真っ暗になります。
【音響】
ドルビーアトモス技術によって360度音に包まれ、音が縦横無尽に空間内を移動するので、背後から近づく足音は背後から、空から落ちる雨や雷音は空から聞こえてくるかのようです。
実際に体験してみてどうだった?
実際にT・ジョイ横浜のスクリーンで観た映画『君たちはどう生きるか』(2023年)から、ドルビ―シネマの効果を感じたシーンを抜粋します。
- 暗闇のシーン…自分の手や白いスニーカーも見えなくなるくらい、本当に漆黒の暗闇になり驚き!
- 後ろから人が近づいてくるシーン…背後から音が聞こえたので振り返りそうに。
- 火事や花火のシーン…火がバチバチ燃える音、花火が上がる音の臨場感がすごい。
- 弓をひく音、波音、鳥の羽音…目を閉じれば自分のそばで弓矢や鳥が飛んだり、海が近くにあるように感じるほどリアル。
- キャストの声…色んな方向からクリアに声が聞こえるので作品世界に没入しやすい。
追加料金は?
劇場によりますが、通常の映画鑑賞料金に+600~700円の追加料金がかかります。
ドルビ―シネマで観るのが向いている映画は?
音響の良さと暗闇に包まれる没入感から、ドルビ―シネマで観るのはこんな作品が向いています。
- ミュージシャンの伝記映画
- ミュージカル映画
- アニメーション映画
- ネイチャー系ドキュメンタリー映画
- ホラー映画
- ミステリー映画
- サスペンススリラー
(取材協力・一部写真提供/T・ジョイ横浜)
実際のスクリーンや座席、対象年齢や具体的なおすすめ作品について詳しくはこちらから!
IMAX®
IMAX®とは?
IMAXは、一言で言うと圧倒的な映像美と高精度なサウンドで没入感をもたらすシアターです。スクリーンが通常よりかなり大きく、音量も大きく音質がいいので、どの席から観ても大迫力の映像と音響が楽しめます。
実際に体験してみてどうだった?
実際にグランドシネマサンシャイン 池袋で『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023年)観た際に、IMAXのすごさを感じたシーンを紹介します。
- 爆発シーン…ミサイルがぶつかった時、爆弾が爆発した時の音や映像は迫力あり。爆発音はお腹に響くように感じた。
- 銃撃音…銃撃シーンでは、ピストルの弾が飛ぶ音が鮮明。
- 乗り物アクションシーン…バイクや車のタイヤの音、列車の音、風の音などが大きく臨場感あり。映像も大きいので、俳優の表情やアクションの様子がより鮮明に観られる。
トム・クルーズがバイクごと崖から落ちるあのシーンは、落下していくトムの姿や近づく地面も大迫力でした。
追加料金は?
劇場によりますが、通常の映画鑑賞料金に+600~700円の追加料金がかかります。4K レーザー投影システム導入の「IMAXレーザー/GTテクノロジー」はもう少し価格が上がり、+800円です。
IMAXで観るのが向いている映画は?
大音響に大スクリーンで楽しみたい映画が向いています。
- IMAX用のフィルムで撮られた作品
- SF映画
- アクション映画
- 冒険ファンタジー
- ミュージカル映画
- 音楽映画
- アニメーション映画
- 乗り物系映画
- バトル映画
(一部写真提供・取材協力/グランドシネマサンシャイン 池袋)
実際のスクリーンや座席、対象年齢や具体的なおすすめ作品について詳しくはこちらから!
4DX
4DXとは?
4DXとは、五感を刺激する体験型の映画上映システムのこと。前後左右や上下に動く「モーションシート」に加え、「フラッシュ(光)」「香り」「風」「雨」「煙」「エアー」「ミスト」「嵐」「熱風」「バブル」「雪」といった特殊効果が映画のシーンに合わせて作動することで、映画を”観る”のを超えて、アミューズメントパークのアトラクションを”体験”しているような感覚になれます。
※4DXの効果は作品や劇場の仕様によって異なります。
実際に体験してみてどうだった?
こちらもグランドシネマサンシャイン 池袋で実際に体験。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』上映中に感じたエフェクトを紹介します。
- 潜水艦にミサイルがぶつかった時の衝撃が座面からドーンとくる。
- 砂漠のシーンでは前方から煙が出て砂埃と同化し、砂の香りも。
- マシンガンの銃撃戦では背中にドドドドドという衝撃。
- 速足で人とすれ違うと風を感じる。
- カーアクション、バイクアクションシーンではかなり揺れを感じ、カーブを曲がる場面では座面が傾き重力がかかる。
- 鍋に入ったスープがこぼれるシーンではミストがかかる。
トム・クルーズがバイクごと崖から落ちるあのシーンではシートが下向きに傾き、ふわっと崖の下をのぞくような感覚に。落ちていく場面では強風が送られ、パラグライダーが開く瞬間にはガクッと衝撃を感じました。
追加料金は?
劇場によりますが、通常の映画鑑賞料金に+1,000〜1,200円の追加料金を支払って体験します。両サイドにもスクリーンがある3面マルチスクリーンの「4DX SCREEN」はもう少し価格が上がり、+1,400〜1,600円です。
4DXで観るのが向いている映画は?
アトラクション的に楽しめるのが一番の特長です!
- アクション映画
- 乗り物系の映画
- 冒険映画
- スパイ映画
- アニメーション映画
- SFファンタジー
- バトル映画
(取材協力/グランドシネマサンシャイン 池袋)
実際のスクリーンや座席、鑑賞条件や具体的なおすすめ作品について詳しくはこちらから!
ドルビーシネマ、IMAX®、4DXを比較すると?
ドルビーシネマとIMAX®は、音響に重点を置いている点では似ていますが、ドルビーシネマの方が繊細な音まで拾い、真っ暗闇に包まれるので没入感を感じることができます。
ただ、アクション作品やスピーディーな展開の作品、SF作品などは、大音響、巨大スクリーンのIMAX®の方が迫力を感じられるでしょう。
4DXは追加料金も高めでテーマパークのアトラクションに近いので、遊園地まで行かずとも気軽に楽しめるアトラクションとしておすすめ。スピーディーな展開のアクション映画やアニメーションを4DXで体験すれば、いつもと違った楽しみ方ができます。
これだ!と思う作品が、専用スクリーンで上映される機会を見つけて、ぜひ体験してみてください。
撮影・取材・文/富田夏子