【更年期との向き合い方】小島慶子さんに避妊リングについて聞いてきた
10代の頃より、生理の不調に悩まされていたというエッセイスト小島慶子さん。ピルや漢方など様々な治療を経て、避妊リング『ミレーナ』と出合い、不調から解放されたそう。ご自身のフェムテック遍歴と50代からの向き合い方をお伺いました。
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さまざまなフェムテックを試してきた小島慶子さん、「ミレーナってどうですか?」
トップス ¥85,910 スカート¥89,540(ともにダウェイ/メゾン・ディセット)ピアス ¥29,700 ネックレス ¥132,000(ともにエネイ/エネイ松屋銀座)リング/小島さん私物
<Profile>
’72年オーストラリア・パース生まれ。’95年TBS入社、アナウンサーとして活躍し’10年に独立。’14年に夫と子どもはオーストラリア・パー スに教育移住。自身は東京で働き、日豪二拠点生活。連載、著書多数。
20代から実験マインドでフェムテックにトライ、今は「ミレーナ」のおかげで体調も良好です
10代で生理が始まってから毎月不調に悩まされていました。PMSという言葉がまだ浸透していなかったので「自分の心掛けのせい?」と悩むことも多かったです。でも、このまま生活するのは無理だと思い、20代半ばに低用量ピルと漢方を試しましたがどちらも体質に合わず…。生理が来るたびに死にたくなっていました。ありがたいことに子ども二人に恵まれたので、30代半ばに避妊リングを装着。ただ、避妊はできますが大嫌いな生理がくるのは変わりありません。
42歳の時にかかりつけの婦人科の先生に「ミレーナという黄体ホルモンを出す避妊リングがあって、生理も軽くなるよ」と聞き、生理から解放される!と飛びつきました。すでに避妊リングを入れていたのでミレーナに変えることに抵抗はなかったですね。装着後は生理に振り回されずに快適な毎日を送れるようになりました!でも、それで終わりではなく、47歳で更年期症状で膣の灼熱感が発生。太腿やお腹に塗るジェル剤でエストロゲンを補充し、更年期症状の対策としてはそれまでも服用していた不安や筋肉の緊張を和らげる薬も併用しています。49歳からはジェルでの補充とは別に月1回の女性ホルモン注射も始めました。去年の血液検査で「ほぼ閉経の状態です」と言われたのですが、ミレーナを装着して疑似閉経していたにもかかわらず、本当にゴールなんだなと思うと感慨深いですね。未知のステージにいく不安はありますが、毎月「死にたい」とまで思わされていた生理とおさらばするのは喜びしかありません、お赤飯を炊きたいくらいです!(笑)
改めてフェムテック遍歴を振り返ると、かかりつけ医と実験マインドが大事だなと。新しいことを試して楽になりたい!と思うのも自愛の一つですよね。50代も、VIO脱毛や膣レーザーは継続し、座るだけで骨盤底筋を鍛えるエムセラもやってみたい。その時の自分に合ったものをどんどん試して、心地よく年を重ねていきたいです。
体調管理に大活躍のスマートリング
指にはめているだけで健康管理ができるOuraリング。睡眠の質が可視化できるのが面白いです。私はアスリート級の心臓だということもわかりました(笑)。排卵時期を教えてくれる機能も。
「ミレーナ」について小島さんに一問一答!
Q:「ミレーナ」装着時は痛みがありますか?
A:私の場合は麻酔なしで、チクッとしてから引っ掻くような痛みで「イテテ」と言って終わり。装着後は2〜3日は少量出血、痛みは生理の鈍痛に似ていました。小さな子宮口から子宮内部に器具を入れるので、経産婦のほうが痛みを感じにくいそうですが、麻酔をするクリニックもあるようなので医師に相談してみるといいのでは。
Q:「ミレーナ」を使用して体調面で変わったことは?
A:ホルモンの波に伴う気分の落ち込みや肌荒れがなくなり、生理に振り回されなくなったのが一番嬉しい変化です! 装着後数カ月は不正出血があり、次第に減っていきました。今もたまに一日くらい出血することがありますが、色も薄く大き目のライナーで対応できる程度。生理用ナプキンやタンポンから解放されました!
福山先生が「ミレーナ」について解説!
子宮内に挿入するタイプの黄体ホルモンが付加された避妊器具です。長期間(5年)にわたって高い避妊効果を得られます。黄体ホルモンによって子宮内膜の増殖が抑えられて子宮内膜が薄くなることにより、過多月経や月経困難症の方の治療として使用できます。医師が装着し、定期的な検診が必要です。装着していても性交時の違和感はほとんどありません。装着中は避妊しますが、取り外せば挿入前の状態に戻って妊娠可能になります。
日本産婦人科学会専門医。20年以上にわたり女性特有の身体の悩みや不調に向き合い、更年期障害や、PMSなどの治療も担当。
2023年『美ST』10月号掲載
撮影/木村 敦、穂苅麻衣<BOIL>(SENSHIN CLINIC) ヘア・メーク/中台朱美 スタイリスト/天水沙織 取材/よしだなお 編集/中畑有理