伊東美咲さん「誰かの役に立ちたい。臨床心理士を目指して勉強を始めました」
私を幸せにできるのは私、美容のモチベーションも自分のため。誰かのためでなく、”自分のために綺麗でいること”が心地よく幸せに生きる基準になり、周りをもハッピーにできる。俳優として活躍し、今はハワイで生活をしている伊東美咲さんに自愛の秘訣を伺いました。
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自分を磨き上げ、数年後の幸せを創造するその積み重ねこそが私の自愛
《Profile》
1977年5月26日、福島県生まれ。モデルを経て俳優としてドラマ「電車男」や「サプリ」などに出演し瞬く間に人気俳優に。子育てのために現在は俳優業を休止し、2017年からハワイ在住。
自愛とは幸福な未来のために行動すること。日々未来につながる思考や行動を選んでいくことこそ豊かな自愛に結びつくと考えています。毎日、私たちの生活は細かな選択の連続ですが、どんな道を選ぶのかはすべて自分次第。ひとつひとつの選択が2〜3年後、10年後の自分を形作り、ひいては子供たちの未来、後世にも影響を及ぼすと考えると、どんな小さな日々の決断にも気は抜けません。
そう考えるようになったのは20代に入ったころ。起業家のインタビューを読んだことがきっかけでした。今考えていることが未来に影響を与える、つまり学び続けて自身を高めることが大切だと気付いたのです。
もちろん疲れたときや落ち込んだときは自分を甘やかすことも大事だけれど、夢や目標に向かって努力し続けることこそ、真の意味での自愛ではないかと思い当たりました。そう考えるようになると、私の中で自分年表みたいな、未来設計図のようなものが描けるように。出産で演技のお仕事を一旦休止したときには周囲から驚かれましたが、その決断も子供の教育のためで、ハワイへの移住を決めたのも理想の未来のための必要不可欠な選択でした。
また私の好きな言葉で「レストランでメニューを眺めているだけでは料理は出てこない。注文しないと運ばれてこない」というのがあります。思考が現実化するというのはそういうシステム。40代で海外に出ることを決め、そのためにはどう行動するか?と考え実行し続けた結果、今の自分があるのです。
迷いなく、ブレることなくその青写真を実現するために自分を高く磨き続け、幸せを創造していくことはとても楽しいもの。積み重ねた学びと研鑽が充実した自愛につながると思います。
2年前から、臨床心理士になるために心理学なども勉強しています。5年、10年というスパンで人生設計を考えたときに、40代では海外に出ることと臨床心理士を目指す目標を掲げていました。
コロナ禍を経て、メンタルが弱っている方の力になりたい、誰かのサポートをしたいという気持ちが大きくなりました。ハワイは奉仕精神、他愛精神が根付いているところなので、今の環境も他者のために考えて動くことを支えてくれています。
また、ハワイに住んで感じたのは、自分以外の人への愛情を出し惜しみせずに、ストレートに伝える素晴らしい習慣・感覚がベースにあるということ。日本の教育も子供を大切にしてはいるけれど、どちらかというと規律遵守や全体の統制を重視しがちで、ひとりひとりを褒めてあげたりする機会が少ないように感じます。
でも、ハワイは校長先生自らが毎日子供にも親にも「I love you」と声をかけてくれるんです。コロナ禍では子供の授業もオンラインが多かったのですが、先生が「excellent!」と褒めてくださる声がパソコンからしょっちゅう聞こえてきてびっくり。なんでもないことでも褒めポイントを上手に見つけてくださって、子供たちを励まし、のせてくれるんです。
そんな愛情表現を受け続けて育った人間が自分を愛せないわけがありません。他者を認め、尊重し愛する言動が自己肯定感を高め、自愛にもつながる。愛情の素晴らしい好循環を見ていると他愛が自愛の根底にあるのではないかと思うようになりました。自分に向ける愛と自分発信の他者への愛、この2本軸をしっかり意識することでより自愛精神を磨いていきたいですね。
《衣装クレジット》
ブラウス¥51,700、パンツ¥53,900(ともにセミクチュール/アノア)イヤカフ(上)¥39,600、イヤカフ(下)¥55,000、リング(左手人差し指)¥110,000(すべてヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)
2023年『美ST』10月号掲載
撮影/三宮幹史(TRIVAL) ヘア・メーク/千吉良恵子(cheek one) スタイリスト/大沼こずえ(eleven.) 取材/柏崎恵理 編集/長谷川千尋