このまま日本で働き続けていいのだろうか…「海外で働くアラサー女子の現実」【フランスに移住したAYAさんの場合】
「このまま日本で働き続けていいのかな」。そうぼんやり思っているCLASSY.世代も多いかもしれません。でも実際、アラサーが海外で働くってどういうこと?一歩踏み出した世界各国の4人に、それぞれの経験を聞きました。
海外移住 in「フランス」
仕事が見つからず、鬱っぽくなったことも。自らビジネスを始めました
商社に務める夫の辞令がきっかけで、5年前にパリに移住。早く仕事に就きたくて、渡仏してすぐに就職活動を開始しました。フランス語ができないのに、どうしてもパリのアパレル業界で働きたくて、英語で履歴書を書き、複数のブランドにアタックしたものの、ことごとく不採用。だったら自分で何かを始めたほうが早いかもと思い、前々から興味のあったバイイングの仕事をスタート。今はバイヤー経験を活かして、アパレルブランド「aLORS」とオンラインのファッションコミュニティ「insigne」の2軸でビジネスを展開。
この春、駐在員だった夫は会社を退社。腰を据えてビジネスがしたいので、夫とともに会社を設立しました。パリで働き始めて驚いたのは、日本では考えられないくらいミスが頻発すること。バイヤー時代から、発注数を間違えられたり、化粧汚れのついた商品が納品される、ということが多々ありました。しかも100%相手が悪くても「C’est pasma faute.」(セパマフォ)=「私のせいじゃない」と言い返される。日本人同士だと「ごめんね」って言いながら解決策を探るところを、こちらでは議論の余地がないくらいバサッと切られることに衝撃を受けました。パリで仕事をする中では、この言葉を言われた後にどう切り返し戦っていくかが大事。同時に日本ではあり得ないミスを想像し、先手を打つ努力をしています。パリで働きながら、日本のお客様を相手にしているので、日本が求めるサービスの高さとフランスの適当さの板挟みには頭を使います。私は4年間、この言葉にしごかれて心が強くなりました(笑)。ただ、自分のミスに甘いぶん、他人のミスにも寛容なのはいいところだと思っています。日本だと小さい間違いや失敗も気にしがちですが、フランス人は「どうってことないよ」とさらっと流してくれて救われることも。
海外で働くためには、意思を主張し通す強さと流せる寛容さのバランスを上手く取ることが求められると思っています。「海外で働いてみたい」という相談をよく受けます。海外の人はアグレッシブで主張も強く、雰囲気に圧倒されることも少なくありません。海外でどんなことがしたいのか、やりたいことがうまくいかなかったとき、どう切り替えるか。海外に行く前に、自分の価値観と向き合ってみるといいかもしれません。SNSでたくさんの情報が拾える今、他人の生活が目に入って、しんどくなることもあります。そんなとき、自分の価値観が確立していたら、〝私なりの海外での生き方〞がしっかり描けると思います。
【海外で働く方法、今ならこんな方法も】
・エージェント登録(AMBI)
海外転職の第一歩になるスカウトサービス登録。若手ハイキャリア転職に特化した「AMBI」は海外勤務の求人情報も充実。登録すると企業やヘッドハンターからスカウトが届きます。
・日本にいながら海外インターン(Kredo)
グローバルに活躍するIT人材の育成を目的とした学習&実践型インターンプログラム。プログラミングと英語のスキルを同時に取得することで、海外転職の成功率アップにも繋がります。
・ワーキングホリデー
働きながら、その土地の暮らしも実際に体験できるワーホリ。現地の人たちと交流する機会も多く、語学力が磨けるのもメリットですが、30歳までに申請しなければいけないのが原則。
“やりたいことに向き合うひたむきさが必要”
\Work history/
2014年:大学を卒業後、大手銀行に営業職で新卒入社
2017年:広告業界に転職
2018年:フリーランスの営業として独立3つの企業の営業を業務委託で行う
2019年:彼のパリ駐在を機に結婚。パリへ移住バイヤーとしての活動を開始
2022年:アパレルブランド「aLORS」を立ち上げる
2023年:ファッションコミュニティ「insigne」をスタート
教えてくれたのは...
◼︎AYAさん(aLORS ディレクター)
大学卒業後、大手銀行、ベンチャー系広告代理店、フリーランスと多様なキャリアを経験。28歳でパリへ移住。バイヤーとして活動し、現在は、aLORSディレクターとして、企画、デザイン、販売までを手掛ける。「insigne」ではECサイトで扱う商品のバイイングや運営も行う。
取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc