ジャガー横田さんにとって、息子さんの中学受験はなんだったのか

中学受験は通過点の一つに過ぎず、受験後の人生の方が長いことに目を向けてほしい。ドンマイ体験を乗り越えた、頼もしい先輩方にお話を聞きました。今回は、プロレスラー ジャガー横田さんです。

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家族は辛いことを分かち合う一枚岩。結果は結果。意味のある闘いが大事

○ プロレスラー ジャガー横田さん 62歳
1961年東京都出身。プロレスラー。WWWA世界王者を始め数々のタイトルを獲得しタレントとしても活躍。夫は医師の木下博勝氏。

ジャガージュニアの『ドンマイ経歴』

2017年 中受のためインターから公立小へ
2019年 広尾学園中学を受け失敗
2022年 高校受験9校失敗
現在 全寮制・佐久長聖高校2年

「ぼくは医者になる!」息子の一言で我が家の生活は一変。環境を整えるため、小4でインターから公立小へ。慣れない国語教育に息子は難渋しました。

のびのび育てたいと思っていた私は、勉強ばかりでは可哀想だと言ってしまうことも。勉強に関しては夫が主導し、私は体調面・生活面でフォローしました。

常に息子と対等に話し合い、テレビの取材に関しても息子の意思を尊重したんです。世間からの厳しい目もあり、発信することに対して不安はありました。ただ、プロレスでもそうですが、後進に自分のやり方を押し付けるのはNG。こうしろと教えるのではなく、自主性を重んじ、柔軟な頭で新たな発見を楽しむことが大切ですよね。

息子はもともとメンタルが強い方ではありましたが、受験直前は相当なストレスがかかったようで一人で寝られない時も。結果……行きたかった広尾学園には複数回受験するも縁がなく、公立中に進み、次は高校受験。この時には鉄のメンタルが出来上がっていたと感じます。

受験生活を日々配信しながら高校は9校受け、最後の10校目で合格。息子は忍耐強さを養い、自分で物事を考え、自分の道を選べるようになりました。私たちも「次がある!」と信じて息子の力にかけ続けた日々でした。

人生、成功ばかりではないじゃないですか。結果ばかり気にしていたら、何が足りなかったかに囚われてしまいます。それよりも、どんな闘いをしたか? 親として、子どもが自分と闘い、克つためのサポートができたか? 親バカと言われたって良いんです。息子の未来を信じ続けて挑んだこの経験は、家族の絆を強め、成長させてくれたと思っています。

思春期vs.更年期の闘いでもあった中学受験期。父にはよく見られたい息子の当たりどころは私。甘えさせていましたが、度が過ぎた時はガツンといくことも。

木下家の中学受験のその日まで闘い続けた日々と、家族のありのままの姿を綴った一冊。『父と息子vs.母のお受験バトル』(祥伝社)。

ドンマイ体験から学んだこと

・失敗しても必ず次があると信じられる
・それぞれの闘いの癒しの場所が家族に
・全てをオープンに話せる家族関係に

撮影/清水将之〈mili〉 ヘア・メーク/只友謙也〈Linx〉 スタイリスト/小川真央 取材/竹永久美子、日野珠希、宮寺佳愛 ※情報は2023年12号掲載時のものです。

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