中谷美紀さん(48歳)の夢の叶え方「私の人生は白にも黒にもなれるグレー」
女優として輝かしいキャリアを1歩1歩積み上げ、トップランナーとして絶え間なく演じ続ける一方でオーストリアでの暮らしを存分に楽しみ、健やかな幸福感に満ち溢れています。知性的でミステリアスな雰囲気ながら、実はとてもチャーミング!そんな色とりどりのオーラを纏った中谷美紀さんに夢が叶う方法を伺いました。
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夢が叶い大切なものが増えたのは運と勘とご縁のおかげです
《Profile》
’76年東京都出身。’93年ドラマデビュー以来、映画、ドラマなど数々の話題作に出演。’06年『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞ほか、多数の受賞歴を持ち、今年女優デビュー30周年。エッセイ集『文はやりたし』(幻冬舎文庫)発売や12月はウィーン・フィル、ベルリン・フィルオーケストラと共演する『フィルハーモニクスウィーン=ベルリン』で朗読を務めるなど、多岐にわたって活躍。Instagram:@mikinakatanioffiziell
ドラマの撮影もいよいよ佳境に入りました。
当初は初めての監督と新たな共演者でものすごく緊張するせいか呼吸が上手くできず、台詞も言いづらく、理学療法士さんに相談し、固まっていた横隔膜を緩めていただきました。ここが緩むと交感神経も緩むそうです。自分でもテニスボール2個を肋骨の一番下に置いてうつ伏せになって自重ケア。最初は痛いのですが徐々に緩んでラクになり、続けていると台詞が言いやすくなりました。
緊張やストレスを解くにはまず体から動かし、リラックスさせるのが手っ取り早いですね。すると気分も変わります。嫌なこと、辛いことがあったら寝るか美味しい物を食べると忘れてしまうので効果的。特に睡眠は大切で、良い睡眠のためにネロリの香りをお供にすることはありますが、有り難いことにどこででもスッと眠れます。
ほぼ撮影をしている日本滞在時は5時間睡眠が常態化するので、短時間休憩でもパワーナップは必ず。このときばかりは食事はナッツとプロテインでお腹を満たし、できる限り寝ています。何もなければ10時間は寝たいタイプ。だからか死が全く怖くないんです(笑)。永遠の眠りにつける、いつまでも寝てていい、こんな最高なことってないでしょ。若い頃からやりたいことをやってきたからそう思えるのでしょうか。
有り難いことに夢もだいたい叶いました。
最近では、ザルツブルグ音楽祭で素晴らしい指揮者の音楽を聴くという22歳からの夢が叶い、10代からの夢であるサンタフェオペラもサンタフェではないですが、世界遺産シェーンブルン宮殿の庭園で毎年開催されるサマーナイトコンサートにてオペラ歌手の歌唱を聴くことが叶いました。
郷に入っては郷に従えで始めたドイツ語学習も、まだまだ四苦八苦していますがようやく日常会話には困らなくなりまして。私は夢を叶えるためにがむしゃらに努力をするわけでなく、何となく目標を持って、何となくなるようになる、と楽観的に過ごしています。風まかせで流されてきたのが良かったのでしょうか。神頼みもしませんし、運と勘とご縁だけで生きてきて、少しずつ夢が叶い、気づけば心も体も自由にのびのび生きています。
今日はカラフルな衣装にトライしましたが、色って不思議なパワーを持っていますよね。私の人生は喩えるなら白にも黒にもなれるグレー。白黒はっきりさせず、曖昧模糊として、これからも異なる価値観に興味と理解を示すことができたらいいですね。ちなみにオーストリアでの暮らしはグリーン。自然の中にいることが多いから。仕事は何色にも染まる白。今日着た衣装の中で特にピンクは元気になります。ラッキーカラーは黒で、普段は黒やネイビーを纏うことが多いですが、天気の悪い日や継娘に会うときはピンクを着て気持ちを高めます。
記憶術の本でピンクの紙に青文字で印字すると記憶力を助けると知り、台詞覚えに効果を発揮しました。アイシャドウもスモーキーピンクをセレクト。まもなくクリスマス。昨年は写真やデザインが好きな継娘に写真集『Dior by Sarah Moon』をプレゼント。とても喜んでくれました。今年は何にしようかな、と考える時間は気持ちが華やぎます。年を重ねるごとに大切なものや笑顔が増えてきて、有り難さを実感。尊い時間、心穏やかに過ごしていきたいですね。
「顔立ちが派手な方ですから、今日つけたようなリップや主張しすぎないヌードカラーを纏います。流行より、肌に合う色をチョイスしています」。
《衣装クレジット》
ワンピース〈参考商品〉¥104,000(サポートサーフェス/サポートサーフェス)イヤリング¥148,500( トーカティブ/トーカティブ 表参道)パンプス(スタイリスト私物)
2023年12月発売『美ST』2月号掲載
撮影/柴田フミコ ヘア・メイク/下田英里 スタイリスト/岡部美穂 ネイリスト/川村倫子 取材/安田真里 プロップスタイリスト/尾崎愛 編集/漢那美由紀