内田恭子さんが「ずっと着続けたい」「もう一着増やしたい」“万能の一枚”を公開!

知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NaVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載。今回はBALENCIAGAのシルクブラウスのお話です。

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内田恭子さんの

my LEGEND++vol. 23++

BALENCIAGAの
シルクブラウス

 自分のワードローブの中で、ずっと着続けたいアイテムのひとつ。色違いや柄違いが出たらもう一着増やしたいアイテム。それがBALENCIAGAのシルクブラウス。それくらいこの子はオールマイティ。カジュアルにもフォーマルにも、一着で様々なシーンにフィットするし、ボウの結び方を前や後ろなどで変えたりするだけで雰囲気も変わるし、また胸の開き具合を変えるために前、後ろを敢えて逆に着ることもある。どんな風に着てもよし。まあ、ほんとに優秀な子なんです。

 そういえば、シルクのブラウスっていつ頃から着るようになったんだろうとふと思う。案外遅かった気がする。仕事ではスタイリストさんが用意してくれた衣装を着るので、きちんとしたオフィスルックで仕事に行くこともないし、少し改まった場所だと若い頃はワンピースが多かったような。30代になって子どもの学校の行事だったりで、少しかための格好をすることが増えた頃からシルクのブラウスを着るようになったような気がする。

 若い時は着るシーンも限定され、お値段的にも敷居が高かったシルクのブラウス。けれども一度それに袖を通してしまうと、その快適さは思った以上のもの。軽い、柔らかい、体に馴染む、そしてその生地の中で体が動くラインが美しい。しかも決して改まった場所に限定されるアイテムではないということに気づく。ジーンズとも相性はいいし、レザーパンツと合わせれば、テクスチャーの違いがより引き立っていい感じ。私くらいの年齢になると、カジュアルな格好でもすべてがカジュアルだと似合わなくなってくる気がする。Tシャツ、ジーンズ、スニーカーのコーディネートであれば、腕時計やアクセサリーはきちんとしたものをつけるほうが、大人のカジュアルとして美しいと思う。それと同じように、カジュアルな装いの中にもシルクを取り入れると引き立つ年齢になってきたということ。

 40代に入りミドルエイジになると、どんな洋服を着ればいいか分からない、なんてことをよく耳にする。別に難しく考えることはない。若い時は何を着ても若さという美しさでカバーできていたものがカバーしきれなくなってきただけ(笑)。だからといって、上から下まですべて総とっかえする必要もない。今までのファッションの中でどこかひとつだけ、質の良いシルクだったり、アクセサリーだったり、レザーだったりと、変えてみたらどうだろう。それが大人という美しさを引き出してくれたりするから。それが大人のファッションを楽しむということなのかもね。

Profile

内田恭子さん

1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。kikimindfulness主宰、マインドフルネストレーナー。

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モデル・文/内田恭子 撮影/谷田政史〈CaNN〉 ヘア・メーク/佐藤健行〈HAPP’S〉 スタイリングアドバイザー/三上津香沙〈DBLESS〉 コーディネート/松井美雪  編集/羽城麻子

VERY NaVY4月号『内田恭子さんのMy LEGEND vol.23 BALENCIAGAのシルクブラウス』より。詳しくは2024年4月6日発売VERY NaVY5月号に掲載しています。*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

pants_ VALENTINO boots_VETEMENTS earrings_ HARRY WINSTON*すべて内田恭子さんの私物です。