南 果歩さん(60歳)還暦を迎え「いくつになっても夢を見続ける乙女オバさんでありたい」!?
佳作として知られる小栗康平監督の映画でデビューして40年。以来、映画60本、ドラマ100本、舞台20本以上に出演してきた俳優の南果歩さん。50代半ばからは、趣味のバンド、自伝エッセイの執筆、アメリカ制作のドラマ出演と初めてのことにチャレンジし、「60歳はリスタート」と意欲満々です。今回は南果歩さんの美の秘密をインタビューを通してお伺いしました。
◆あわせて読みたい
▶【婚約期間19年の末に…】60歳でアカデミー賞受賞した女優に学ぶ生きるヒント
いくつになっても夢を見続ける「乙女オバさん」でありたい
《Profile》みなみ・かほ
’64年兵庫県生まれ。’84年、短大在学中に映画『伽耶子のために』のヒロインでデビュー。その後、テレビや映画、舞台で幅広く活躍。最近の出演作は、海外ドラマ「Pachinko パチンコ」(AppleTV)など。近著にエッセイ『乙女オバさん』(小学館)、絵本『一生ぶんの だっこ』(講談社)。来年、映画『Rules of Living』、『ら・かんぱねら』、主演を務める韓国映画『蕎麦の花咲く頃』が公開予定。
7/12(金)13(土)東京文化会館 小ホールにてMusic Program TOKYO シアター・デビュー・プログラム 舞台『木のこと The TREE』に出演
今年1月20日に、還暦を迎えました。それに先立ち、1月17日に「果歩フェス」と名づけたお祝いの会を自ら主宰。表参道のロビンクラブに100人以上のお友達が集まってくれました。みんなを驚かせたくて、ペコちゃん柄の真っ赤な大振り袖を着て、大好きなペコちゃんと一緒に登場。それはそれは大盛り上がり!みんなから「おめでとう。おめでとう」と言ってもらえ、長年かけて築いてきた人間関係を実感し、感慨深かったです。
お色直しでは、ラスベガスで120ドルで購入した赤のミニワンピースを着て、歌って踊りました。お祭りでしたね。その日から、自ら作詞もしたデビューシングル「乙女オバさん」の配信もスタート。
実は'18年にバンド「Nicochans(ニコチャンズ)」を結成し、ボーカルを務めています。最初は仲間内で始めたのですが、'21年からはときどきライブもしています。歌うのは50代が初めて。若い頃はお話もいただいたのですが、芝居しかやりたくなくて断っていました。今になって、やっておけばよかったなあと後悔するくらい、歌うのって楽しい!
60歳はリスタート。考えることは、これから先のことばかり。毎日ワクワクが止まらないです。還暦は感激!
超健康的な生活ですが健康維持には腹筋が大切
超健康的な生活をしています。40代から続けているヨガに加え、週2回パーソナルトレーナーについて筋トレを。背筋、腹筋、上腕筋などトータルに鍛えていますが、体型維持で心がけているのは腹筋。腹筋イコール体幹であり、呼吸。深い呼吸ができるようになると循環が良くなり、お腹がポコッとなるのを防ぎます。
食生活は、外では何でも食べますが、自宅ではグルテンフリーを心がけています。アレルギーではないですが、グルテンを摂らないことが体にいいことを知って以来、気長に続けています。でも完璧を求めず、60%くらいかな。だからケーキも食べますよ。牛乳が苦手で乳製品は摂らず、豆乳や豆乳ヨーグルトに替えています。
朝食は、ご飯、冷蔵庫にある野菜を入れたお味噌汁、納豆、昨夜の残り物が中心。お味噌は合わせ味噌で。普段の料理に使う調味料は少なくて、塩・こしょう・しょうゆ・お酒・みりん・ブラウンシュガー・豆板醬やコチュジャンなどの各種ジャンのみ。特に塩が大切で、ニュージーランド産フレーキーシーソルトを使っています。ナトリウム量が低く、少量で味が決まり、しかもおいしい。
昨夜はインスタで発見した包まない餃子に挑戦。ポリ袋に鶏ひき肉、刻んだねぎとキャベツと生姜、木綿豆腐に片栗粉を少し、塩とこしょう、しょうゆを入れて混ぜたあんを、ライスペーパーに平らに広げ、あんの上にさらにライスペーパーを重ねて、フライパンで両面焼くんです。お好み焼きみたいでおいしかった。
料理は好きで料理本もたくさん持っていますが、一番好きなのは『向田邦子の手料理』。あれ以上の料理本はないですね。
スキンケアは保湿が命。お風呂の時間がすべてです。あとはオイルのみで。美肌の秘訣は“引き算”です
髪の毛が何より大事。髪に悪いことはしないように
スキンケアのこだわりは、強いて言えば保湿。皮膚が薄くて乾燥肌なのでしっかり保湿をしていれば肌の調子はいいです。夜はほぼお風呂ですべてを済ませます。お風呂前にポイントメークをしっかり落としたら、お風呂の中でダブルウォッシュ。クレンジングは時間をかけます。シートパックの後、ケイ素を入れた化粧水をつけ、あとはオイルのみ。美容液もクリームもつけません。
というのも、20代で重ねづけをして、脂肪の塊が。過剰につけていると反省してやめました。すると脂肪の塊ができなくなり、私に必要なのは化粧水とオイルだけだと実感。もし肌がキレイだと言っていただけるなら、つけるものを削ったからだと思います。エステは年2回ほど、皮膚科にはシミができたとき光治療で行く程度です。
メークは仕事がなければ、馬油のリップクリームにイニスフリーのデューイティント リップバームを足すのみ。これしかコスメは持っていません。あとは目薬くらい。老眼になってから眼鏡にストレスを感じ、最近アルコンの遠近両用コンタクトワンデーに変えてから文字も見やすくなって快適です。
毛染めもしなくなりました。白髪はありますが、ヘナを月2回自宅でやっています。さらに加圧トレーニングの加藤康子さんお勧めの、燕三条で作られている手のように動く防水ヘッドケア機「セレブリフト」で頭のコリを取るのが習慣です。お陰で毛量は変わらず。
カットは友人の美容師さんに家に来ていただき、10分でドライカット。毛先を軽く、フェイスラインを遊ばせて、とオーダーします。髪は大事でしょ。髪に悪いことはしたくないけど、緩いパーマは数カ月に一度かけています。
南さんの美の秘密
アクセサリーはおしゃれだけでなく健康効果とお守り代わり
〈上〉リフトアップ効果があるツボ押しイヤリング。〈左下〉幸せは右手から入り左手から抜けるので、抜けないようピンキーリングを左手に。〈右下〉タカヒロミヤシタの指輪。
20代の頃に観て衝撃を受けた映画のVHSビデオは今でも宝物
今やデッキもなく再生はできないけれど、ずっと捨てずに取っておいた宝物。2022年にレオス・カラックス監督が来日した際に初めてお会いでき、サインをいただきました。
私を思う気持ちがこもった息子からのプレゼント
辛い時期だった母の日に、当時美大生だった息子がプレゼントしてくれた自作の絵画と、小学生の時の修学旅行のお土産に、私の干支の辰にちなんで買ってきてくれた龍の置物。
ドットと並ぶ草間彌生の代表作。版画「Infinity-Nets」を寝室に
20代で初めて買ったアート。その頃は名前も知らなかったけど、あまりにステキだったので衝動買い。当時の私にとっては、清水の舞台から飛び降りるくらい高価な買物でした。
《衣装クレジット》
ブラウス¥123,200 スカート¥143,000(ともにエルマンノ フィレンツェ/ウールン商会)イヤリング¥385,000 リング〈指先から〉¥335,000、¥255,000、¥440,000(すべてデビアス フォーエバーマーク)
2024年『美ST』7月号掲載
撮影/中村和孝 ヘア・メーク/黒田啓蔵 スタイリスト/坂本久仁子 取材・文/安田真里 再構成/Bravoworks,Inc.
◆あわせて読みたい
▶三田佳子さん(82歳)が400勝のレジェンド金田正一さんからプレゼントされたものとは?