上白石萌歌さん「20代の今がんばらないと、理想の30代になれないんじゃないかと」

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“去年もCLASSY.に取材し

“去年もCLASSY.に取材していただきました„と、覚えていてくださった上白石萌歌さん。舞台の地方公演中に一時帰京したタイミングでの分刻み取材でしたが、ひとつひとつの質問に丁寧にわかりやすく答えてくれて聡明さと優しさを感じました。自らの葛藤も正直に話してくれたインタビュー、CLASSY.読者の心のお守りみたいになればいいなと思います。

シャンパンタワーのように、自分が満たされていないと人にも渡せない

自分に優しくすると人にも優しく

自分に優しくすると人にも優しくできるから、自分をご機嫌に保つことは大切にしていますね。不機嫌だったりイライラしていると人に当たってしまったり、いいコミュニケーションが取れなくなる。上から下に注がれるシャンパンタワーのように、まず自分が満たされていないと、誰のことも満たせない。だから、自分の機嫌を自分でちゃんと取ることは常に意識しています。ポジティブで可愛くて一緒にいるだけで前向きになれる大学時代の親友と会って話したり、ひとり焼き肉や映画館、劇場、美術館に行ったり。駆け込み寺をたくさん持っておくのは、機嫌を保つ秘訣です。私にとっては、本屋さんも避難場所のひとつ。本が正解を教えてくれることも多いので、哲学や短歌の本を読んで、ひとりで沈んでいかないように心掛けています。

変わらないことだけが大事な時代じゃないから

ドラマ『滅相も無い』では、図書館→CM制作会社→オルゴール記念館と転職を繰り返す20代の女性〝松岡〞を演じます。自分がどうしたら心地よく働けるかを考えて、自ら環境を変える彼女こそ、まさにウェルビーイングな人。転々とする〝松岡〞を演じていて、役者という仕事自体、常に転職しているようなものだな、と思いました。大抵の作品は続いたとしても3カ月程度で、作品によって働く人も環境もガラリと変わるので、転職に近いのかな、と。
今は変わらないことだけが大事な時代ではなくて、仕事も生き方もどんどん変わっていい時代。環境が変わると、自分も自ずと変化できるから、〝松岡〞のように転々と生きていくのも面白そう、と演じながら感じています。どんな立場の人でも悩んでいない人なんていないと思うんです。今作は8人のキャラクターによる8通りの悩みや葛藤を軸にストーリーが展開されます。その中には「自分に似てるな」とか「共感できる」と感じてもらえるエピソードがあると思うので、このドラマがみなさんの悩みを救うきっかけになれたらうれしいです。

5歳の子どもでも、先輩になり得ると思っています

年齢で人を見ないようにはしています。たとえば、5歳のコでもその人しか知らない世界があって、先輩になり得ることもある。だから、年上だから、キャリアがその人より長いからといってアドバイスできる立場でもないと思っています。もし悩みを聞いたら「私はこうだけど、どう思う?」と伝えるかな。誰に対しても、渡し合う関係が理想です。
そうは言っても周りには30代、40代の素敵な人がたくさんいて、カッコいい先輩たちの存在は、今をがんばるモチベーションにもなっています。中でもカッコいいと思うのは、この春舞台でご一緒していた、江口のりこさん。公演中はふたり楽屋で、江口さんとのお話がすごく楽しくて、永遠に喋っていましたね(笑)。私の悩みに一緒に向き合ってくれたり、ポロッと「あそこのクリームパン、好きなんですよね」と言った次の日に、そのクリームパンを買ってきてくれたり。「本当に素敵な方だな」と日々思っていました。ご自身に正直で人に優しく、常に自然でいる在り方にも憧れています。
私にとって30歳は、ひとつの到達点。10代、20代の積み重ねが一番顕著に出るのが30代だと思っています。だから 20代の今がんばらないと、理想の30代にはなれないんじゃないか、という怖さもあるんです。今のうちに、いろんな人や作品に出会って経験を重ね、いい30代に突入したいと思っています。

現代短歌の歌集を処方箋的に読ん

現代短歌の歌集を処方箋的に読んでいます
木下龍也さんの『あなたのための短歌集』に出会ったことがきっかけで、読むようになった現代短歌集。写真展をご一緒した伊藤紺さんの歌集は全部集めています。57577の中で、小説の1ページよりも広がる表現があり、想像力を鍛えるトレーニングにもなるし、単純に言葉が好きなので読むとリラックスできます。気軽に読めるので処方箋的に読むことも。『あなたのための短歌集』は、悩みやお題を受けて、木下さんが短歌で答えた一冊。もやもやに向き合うヒントが詰まっているので、おすすめです。

上白石萌歌さん
2000年生まれ。鹿児島県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリを受賞。12歳でドラマ『分身』(12/WOWOW)にて俳優デビュー。ミュージカル『赤毛のアン』(16)では最年少で主人公を演じた。映画『羊と鋼の森』(18/東宝)で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作にドラマ『義母と娘のブルース』(18/TBS)、『教場Ⅱ』(21/フジテレビ)、『警視庁アウトサイダー』(23/テレビ朝日)、『ペンディングトレイン-8時23分、明日君と』(23/TBS)、『パリピ孔明』(23/フジテレビ)、など。adieu名義で歌手活動も行う。

【衣装】シャツ¥132,000 Tシャツ参考商品パンツ¥122,100シューズ参考商品(すべてステラ マッカートニー/ステラ マッカートニー カスタマーサービス)イヤリング¥20,900リング〈右手中指〉¥15,400(ともにジュエッテ)リング 〈左手人差し指・中指〉¥22,000(エテ)

撮影/水野美隆 ヘアメーク/Reika Sakamoto(Allure) スタイリング/道端亜未  取材/坂本結香  編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.