大人が消し去らなければいけないニオイは、7つもある!【美の巨匠・齋藤薫さん連載】

数々の女性誌で長年活躍している美容ジャーナリスト・齋藤薫さんが、STORY読者の悩みに寄り添うQ&A連載。体の変化が目に見えて表れはじめ、不安や悩みも増えてくる40代に、美の先輩からの叡智をお届けします!

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お悩み:【40代からのニオイ】

40代になり、なんとなく自分のニオイが気になるようになってきました。ジメジメ蒸し蒸しして汗をかくこの時期は、特に臭ってそうで不安です。

日本人は嗅覚が敏感だからこそ、 ニオイがハラスメントになる国

世界的に見ても、日本人は嗅覚がとりわけ敏感だと言われる。それも歴史的に「入浴好き」という文化的な背景があるからなのだろう。日本には宗教的な意味からも、体を清める習慣があったわけだが、それに対し、ヨーロッパで入浴が習慣化するのは18世紀になってから。それまではインフラも整っていなかったために、特にパリの街などは悪臭にまみれていたとか。
つまりそういう意味でも世界有数の清潔好きが、日本人の繊細な嗅覚を育てたということなのだ。

もう一つ、もともと日本人は体臭が少ないとされるのも、ワキガ体質などの原因となるアクアポリン汗腺が少なく、多めの人は10~15%しかいないため。それに対して、白人は平均値80%以上とされるのだ。

そういった要因から、日本人はニオイに対してとりわけ敏感なDNAを持っているとも言える。でも逆に、それが今、“スメルハラスメント”といった社会問題をうんでもいる。
周囲の人の体臭、口臭、タバコ臭に加えて、香水や柔軟剤のニオイまでをハラスメントと考える人がいる訳で、コロナ禍はマスクもしていたからそういう問題が沈静化したものの、最近になってまた再燃。良いニオイも悪いニオイも、ともかくすべてのニオイに気をつけなければいけないという時代が来てしまった。

ちなみにちょっと残念なデータがある。外国人旅行者へのアンケートで、日本人は体臭は少ないが、口臭は強めであるという結果があるのだ。それも含めて自分自身の不快感以上に、エチケットとして、好感度アップとしても、ニオイにはもっともっと気を使わなければ。

体臭も、実は1つではない。 原因もニオイ自体も異なる体臭が大きく分けて3つ

夏場は誰もが恐れている体臭……、そこにもいくつかの種類があるのを知っていただろうか。単純に、体温の調整のために汗をかいただけなら、それはエクリン汗腺から出る健康な汗で99%水なので、ほとんどニオイはないけれど、日頃あまり汗をかかない人の汗は、ミネラル分も含んでしまっているから粘度があって、ニオイを放つことも。だから日常的に汗をかく習慣を持つことが重要なのだ。

対して、ワキガの原因ともなるアポクリン汗腺から出る汗は、主にタンパク質や脂質などを含んでいるので、雑菌も相まってニオイを放ちやすい。ホルモンの分泌が関係しているので思春期からニオイが強くなるが、ホルモンバランスが乱れる大人世代も注意が必要であるとか。

一方、体臭も原因によっていろいろであることが最近の研究でどんどんわかってきている。1つは、40代女性にはあまり見られないものだが、ご存知、「加齢臭」。逆に、40代女性が一番懸念するべきなのが、「ストレス臭」。
緊張したり、不安に思ったり、強い不快感を感じたりした時、ネギのようなニオイが発生することを発見したのが、ニオイ研究の第一人者とも言える資生堂だった。分析の結果、それは硫黄化合物の一種とかで、運動などによる汗からは出ないニオイであると言う。

つまり、原因も違えばニオイの成分も違う体臭があるということ。それなりの対策が必要になるけれど、今やそうした種類の異なる体臭全てに対策しているデオドラントも用意されている。

マークしなければいけないニオイは、合計なんと7つも!

そしてニオイは全身から、それこそ頭のてっぺんから足の裏まで、あちこちから発せられているものだけにさらに気を抜けない。前述した汗由来の3つに加えて、さらにニオイは4つも。
まず口臭。先に述べたように、日本人は口臭が……と言われるのも、欧米人に比べ、依然としてオーラルケアの意識が低いから。欧米で香水が発展したのは、もちろん体臭を気にしてのことだったが、口臭対策も万全で、デンタルフロスを使い、電動歯ブラシを使い、さらに非常に強いマウスウォッシュで口の中を常に清潔に保つのが日課になっている。それも、ハグやキスの習慣があるからとも言われのだ。これに対し、日本は人と人との距離が遠め。肌のお手入れは必死でやる人も、口の中のお手入れは適当と言う人が少なくなかったりするのだ。
ニオイに順位などつけられないが、少なくとも一番人を遠ざけ一番損をするのが口臭。
もっと意識を高めたい。

一方、頭皮のニオイはシャンプーでいくらでも防げるはずだけれど、頭皮の皮脂量はTゾーンの約2倍、毎日シャンプーしてもニオイが気になる人は少なくないはずだが、逆に洗いすぎで常在菌が減り、頭皮環境が乱れてニオイの原因となる細菌が増えてしまう可能性も。むしろシャンプーは2日に1回の方が、頭皮の調子が良い人がいることも覚えておきたい。

さらに、うっかりしがちなのが足のニオイ。靴を脱いだ時、臭っていないか急に心配になるものだけに、予防的にもニオイ対策を。足裏用はニオイだけでなくベタつきも防いでくれるので、1日爽やかな足で過ごせると言うメリットもあって、きっと癖になる。

最後にデリケートゾーン。これはエチケットというより自分自身のために、常に清潔にしていると言う自覚のために。デリケートウォッシュを使うのはもちろんのこと、日中もデリケートミストなどを持ち歩いて。

人をネガティブにするのもポジティブにするのも、ニオイ1つ!

どんなニオイであれ、仮に自分が臭っているかもしれないと感じてしまったら、その日1日後ろめたい気持ちで過ごすことになるのだろう。なるべく人に近づかないよう、なるべく目立たないようにしてしまうのかもしれない。
逆に自分が良い香りを放っていると知っていたら、いつの間にか積極的になれるし、表情まで華やかで朗らかで、輝きに満ちたものになるのだろう。まさにニオイは、人をネガティブにもポジティブにも変えてしまう見えないスイッチなのだ。
とは言え、フレグランスの香りさえ少しでも強めだと、揶揄されたり、時には眉をひそめたりする人がいたりする国。だからこそ微香性のデオドラントで、嫌なニオイを抑えながら良い香りをほのかにまとう選択は、この時期の理想と言えるのかもしれない。

人間を最も不快にするのは、イヤなニオイ、嫌いなニオイだと言われる。そういう意味でも不快なニオイは一瞬でストレスを生むのに、良いニオイは一瞬でそのストレスを消し去ってくれる。人の記憶に最も残りやすいのもニオイ。だから常に全身から良いニオイを放っていたい。美容よりも実は重要な美しさの鍵。

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● ニオイ対策史上、最強の一品と言っていいのがコレ

(右)エージーデオ24 プレミアムデオドラントロールオン(無香性)(医薬部外品)40ml 1,045円(編集部調べ)(左)エージーデオ24 パウダースプレー(無香性)LL(医薬部外品)1,045円(編集部調べ)/ファイントゥデイ

汗由来の中でも「ストレス臭・疲労臭」こそ、大人女性が最も注意しなければならないニオイ。これに加えて、ワキガや汗のニオイも防ぎ、汗そのものも抑えてくれる極めて優れた最新鋭のデオドラント。汗や胸元など部分使いしたい時はロールオン、全身くまなくケアしたい時はスプレータイプを。ヒアルロン酸パウダー配合で保湿も。効果がほぼ1日中続くのも有り難い。この季節は日課のように使って欲しい。
ちなみに、このエージーデオ24プレミアムデオドラントシリーズのメンズは、汗臭、ストレス臭に加えて、加齢臭、足のニオイにまで対応する文字通り最強のものとなっている。

● 幸せを感じるほどの頭皮の爽快感は、絶対ロクシタン!

ピュアフレッシュ シャンプー 300mL 3,300円/ロクシタン

夏の極上爽快シャンプーと言えばロクシタン。大好きなフレッシュネスシャンプーが最近リニューアルし、さらに髪も地肌もさらりと心地よく、頭皮のニオイも防いで清潔感いっぱいのクリーンな髪に洗い上げるものへと、機能アップの形で進化した。ロクシタンのミントは上品かつ幸せを感じさせるほどの涼やかさ。汗や皮脂のベタつきをすっきり整える一方で、素髪力も地肌力も洗うほどに底上げして、つやつやすべすべの髪へ。シャンプーばかりは、ニオイの事だけ考えてと言うわけにはいかない。そういう時にロクシタンは、機能も洗い上がりも香りも全て◎。本当に頼もしい。

● これがないと1日モヤモヤするほどの爽快すぎるミントタブレット

シュガーレス タブレットスーパーミント 35g 190円/無印良品

頭まで丸ごとスッキリするほどの強烈な爽快感で、これがないと1日モヤモヤしてしまうという声もあるほどハマる人が続出の、無印良品のミントタブレット。甘くないしそもそもシュガーレスと言うあたりがもう一つの人気の秘密。1時間後位には口臭マスキング効果が落ちてしまうものの、その場その場の効果は抜群。常に常備して、誰かと会う時、会話する時、そして気分転換したい時、しばらく口を聞けずにいたときのドライマウス対策にも。その都度、お口の中を爽やかにしてくれる。

● 足裏デオドラントはいちど試すとやめられない

ノーノースメル(医薬部外品)30g 3,630円/北の快適工房

買うまでのハードルもなかなかに高い足裏デオドラントだけれども、一度使ってしまうと止められなくなるほど気持ちが良いのがこのアイテム。そういう至福を知ってもらうためにも、初めての人はまずこれを試して欲しい。ラベンダーとミントの香りは塗っているうちから気持ちまですっきりするほど。殺菌成分イソプロピルメチルフェノールで、ニオイもベタつきも防いでくれてなめらかに伸びるから初心者にも使いやすい。足から出る汗は想像以上、予防が何より重要。サンダルの日もパンプスの日も、そしてスニーカーの日もどうぞ。ただし、乾いてから靴を履くのがポイント。

● 気になる部分を香りで包むと、気持ちまで優しくなる

フェミニンミスト 28ml 2,200円/アンティームオーガニック

一気に習慣化したはずのデリケートケア。ただ、デリケートウォッシュやデリケートモイスチャーは既に続けていても、日中のニオイケアはまだ未体験という人は少なくないはず。このアンティームは、デリケートケアの先駆けとも言うべきブランドで、とりわけ優しいテクスチャーと香りが、気持ちまで穏やかになると、根強い人気を博している。ユーカリ葉エキスや雪の下などの天然成分配合。ムレもべたつきもない爽やかさをキープしてくれる。朝のシャワーの後に使用してもいいし、バックに入れていつも持ち歩き、気になったらすぐに、という使い方も。特に生理の時は必携。逆さにしても使えるのが嬉しい。

番外編

●どうしても気になる人は、こちら

腟洗浄器 インクリア 1.7g 3本入り 1,320円 10本入り 3,960円/ハナミスイ

これは、とっておきの腟洗浄剤。注射器タイプで初めてでも簡単に使える。しかも石鹸成分が入っているわけではなく弱酸性のジェル状洗浄液で、腟内に注入すると汚れやオリモノなどが無理なく排出されるという、なかなか便利な仕組みなのだ。
デリケートゾーンのニオイが何だか気になると、ちょっと神経質になってしまう時などはここまでやっても良いのかも。自分自身が清潔であるという、強い自信が持てるから。

齋藤薫さん 美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て、現在は女性ファッション誌やネット媒体など多数の連載エッセイを担当。そのほか美容記事の企画、化粧品開発アドバイザーを務めるなど幅広く活躍中。最新刊は『一生美人 セカンドステージ 63の気づき (朝日新聞出版)

お問い合わせ先

アンティームオーガニック 0120−834−361
北の快適工房 0570−55−0717
ハナミスイ 03−6304−5986
ファイントゥデイ 0120−202−166
無印良品 銀座 03−3538−1311
ロクシタン 0570−66−5940

 

写真/光文社写真室 イラスト/MAKOTO   取材/沢亜希子 

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