美容家・神崎恵さん(48歳)が「おばさんになれたんだ」と感じた意外すぎる瞬間とは?
自分らしく美容を謳歌できるのが美ST世代。創刊15周年の記念号に14人の美賢者たちが、キレイのモチベーションを上げるメッセージを贈ってくださいました。ちょっぴり美に対して後ろ向きになってしまったとき、読むと元気になれる、ステキなメッセージを心に刻んで!今回は、美容家の神崎 恵さんからのメッセージをご紹介します。
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「『若いね』は誉め言葉じゃない」
与えてもらうのは若さ。誰かを守りたい、教えたい、与えたいと思ったとき「私はおばさんになれたんだ」と感じた瞬間でした。私は年齢に関わらず楽しく、自分らしく生きるための美容をお伝えすることを大切にしています。だから、『若いね』は誉め言葉ではないと感じています。
確かに「若さ」には勢いやフレッシュさ、可能性、素晴らしい力が満ち溢れています。でも、「老い」にも、重ねた経験や手に入れた自由、自信、余裕や個性、素晴らしいことがたくさんあるんです。
40代からは「何を考え何を大切にしどう生きているか」が大事になってくるとき。自分の足で歩きながら、自分の力で生きながら、自由に自分らしく生きる。歳を重ねることの美しさや、大人の可能性をもっと楽しめるといいなぁ…と思っています。
「アクセルを踏んでブレーキを踏んで微調整。美容とはいい距離感で歩んでいくのが重要」
美容が楽しいと思えるときは、イキイキしていて、生命力に満ち溢れているとき。生命力と美容は密接に関わっていて、美容に主導権を握られてしまうとハンドルが切れなくなり、苦しくなり辛くなることも。いい意味のあきらめ、現実を見る俯瞰の目、可能性を生み出す瞬発力と行動力など、いろいろな力をバランスよく保って行くことが大事。
化粧品も美容医療もこの15年で目まぐるしく進化し、エイジングに関して巻き戻そうと思えばある程度巻き戻せるし、歳の取り方も自分次第。それだけ選択肢が広がっているということは、細やかな選択を自分自身が課せられているということ。だから自分を見る俯瞰の目がますます重要になってくると思います。
「『愛される女』『選ばれる女』女性が受け身である時代は終わったかな」
15年くらい前に見出しでよく目にした「選ばれる」という受け身の文字。今は自ら選び歩く時代だと感じています。数年前、『色気』を提案すると、湿度や温度があって、夕刻の重みのような『ねっとり』としたものと解釈されがちでした。でも今は『色気』の概念が軽やかでヘルシー。『美しさのひとつだよね』って理解されるように。変化しながら広がる自由を体感しています。
「美しい人を理想にすること」
「美しい」は生活、心持ち、考え方など、生きる全てが重なって生まれるもの。想像力、思いやりがない大人は、圧を増し、見た目も存在感も「私、私、私を見て!」となりかねない。ファッションもメイクも人間関係も、心地よく、清々しく、ときに脇役になれるバランス感覚が大事。外見がキレイなひと、ではなく、「美しいひと」を目指したい。
2024年『美ST』10月号掲載
撮影/豊田 亮 取材/菊池真理子、増野玲奈 再構成/Bravoworks,Inc.
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